小泉進次郎防衛相は17日「2026年度予算の防衛関連費がGDP比で1.9%になった」と発表したが、これは2022年度のGDPで計算した数字であり、NATO基準=支出を行う当該年の名目GDPで計算すると「2026年度は1.5%」「補正予算込みでも2.0%に届かないかもしれない」となる。
参考:防衛大臣記者会見
参考:26年度予算の防衛関連費、GDP比1.9% インフラや海保含め集計
参考:Japan’s defense budget to reach 1.9% of GDP in fiscal 2026
NATO基準で日本の国防支出を評価すると「補正予算込みでも2.0%に届かないかもしれない」となるため、もう見ないふりをするしかないのかもしれない
2025年にトランプ政権が再登板してNATO加盟国にGDPに占める国防支出を5.0%まで引き上げるよう要求、NATO加盟国は2025年6月の首脳会談で「国防支出=3.5%」と「軍事インフラとしても活用できる分野(重要インフラの保護、ネットワークの防衛、民間防衛や回復力の確保、イノベーションの促進、防衛産業基盤など)への投資=1.5%」を組み合わせた総額5.0%の新支出基準で合意。

出典:NATO
これを受けて国防総省のコルビー政策担当国防次官は「NATOが5%の国防費目標を達成するため非常に強いコミットメントを示した」「これは世界中の同盟国、特にアジアにとって新しい基準となるだろう」と言及、ヘグセス国防長官もシャングリラ会合で「この地域の安全を保証してきた米国の役割に頼るのではなく、米国の同盟国はより大きな軍事負担を受け入れる必要がある」と発言し、2026年1月に発表した国家防衛戦略(NDS)の中でも「5.0%が国防支出の新基準だ」と明記してきた。
メディアの報道では米国が要求する国防支出の基準について「5.0%」と「3.5%」が用いられ混乱すると思うが、総額5.0%を構成する「軍事インフラとしても活用できる分野への投資=1.5%」はトランプ大統領の5.0%要求を満たすために考案された「都合の良い数字」でしかなく、軍事インフラとしても活用できる分野の明確な基準も定義されていないため会計処理の変更、例えば港湾施設への投資を防衛・安全保障関連への投資としてカウントできるため「各同盟国が柔軟性をもって支出できる」と表現される部分だ。

出典:U.S. Department of Defense
米国が要求する国防支出の新基準が5.0%であっても核心的な数字は従来の国防支出に相当する「3.5%」で、オーストラリア、韓国、台湾、日本も新基準に準じた国防支出へのコミットメントを求められており、韓国は「国防予算を3.5%まで段階的に引き上げる」と、台湾も「2026年までに3.5%、2030年までに5.0%を達成する」と約束済みで、オーストラリアは米国の要請を拒否して「2033年~2034年までに2.4%まで引き上げる方針」を堅持していたが、今月16日に発表した国家防衛戦略の中で「GDPに占める国防支出の割合は2033年に3.0%に到達する」と発表。
日本は当時の石破首相が「防衛費は日本が決めるものだ」「他国に言われて決めるものではない」と述べたが、高市首相は所信表明演説の中で「防衛費をGDP比2.0%への引き上げを2年前倒して今年度中に実現する」と表明し、2025年度は当初予算と補正予算を合わせて約11兆円を支出して2.0%を達成したが、2.0%以上への引き上げについては議論が始まったばかりで、インド太平洋地域の同盟国やパートナーの中で「国防費増額への取り組み」が最も遅れている。
小泉進次郎防衛相は17日「今月7日に成立した2026年度予算のうち防衛関連費(防衛費が約9兆円+公共インフラ整備や海上保安など安全保障に資する関連費用が約1.6兆円)がGDP比で1.9%になった」と発表、おそらく毎年のように編成している補正予算で防衛費を積み上げてくる可能性が高いため、2026年度の最終的な防衛関連費のGDP比は2.0%程度になるのかもしれない。
小泉防衛相は記者から「2026年度のGDP見通しを基準にした場合の数字も教えてほしい」と質問され「現在の安全保障関連文書が作成された基準年が2022年度のGDPなので、2022年度のGDPを基準として年間防衛費を比較するのが適切だが、仮に令和8年度の見通しGDPを用いて計算をすると1.5%になる」と述べ、日経新聞は「当初予算のGDP比をみると2026年度(1.9%)は2025年度(1.8%)より0.1ポイント上昇した格好だが、2026年度のGDP見通しである690兆円で計算すると1.5%だ」と報じている。

出典:首相官邸
つまり2025年度の2.0%達成、2026年度の当初予算による1.9%という数字は2022年度のGDP=560兆円を基準したもので「NATO基準で計算されたものではない」という意味になり、NATOはGDP比に占める国防支出の割合を計算する際「支出を行う当該年の名目GDP(予測値)で計算し、その後にGDPの実績値が確定すると数字を修正・更新する」というルールがある。
そのため2026年度当初予算における防衛費がGDPに占める割合をNATO基準で言えば「1.5%」で、韓国や台湾がNATO基準でGDPに占める国防支出の割合を計算しているのかどうかは不明だが、オーストラリアは16日に発表した国家防衛戦略の中で明確に「NATO基準の計算方法で測ると2033年までにオーストラリアのGDPに占める国防支出の割合は3.0%に到達する」と説明しており、仮にNATO基準で日本の国防支出を評価すると「補正予算込みでも2.0%に届かないかもしれない」となるため、もう見ないふりをするしかないのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Japan Maritime Self-Defense Force





















>>現在の安全保障関連文書が作成された基準年が2022年度のGDPなので、2022年度のGDPを基準として年間防衛費を比較するのが適切だが…
そんな道理あるんか??????
「安保戦略に基づく防衛予算の策定には時間が掛かる」「GDP増を前提に予算を組む訳にはいかない」は分からんでもないけど、そこのタイムラグ4年は意味分からんよなぁ…。
まあ防衛予算上げれば叩かれ宣言通りに上げなきゃ叩かれ、で大変だろうとは思うけどね。
てかここでその言い訳使っちゃうと今度は野党やメディアから「2022年度GDP比で◯%越え!」って叩かれるんじゃないのかね。
>「GDP増を前提に予算を組む訳にはいかない」
それも変な話で2%超えたって別に構わないんですよね
長らく日本のGDPは500兆円程度をうろつくというイメージが強かったので、今690兆円と言われると変わったなぁと感じちゃいますね。
のんびり防衛費上げて2%超えてない日本じゃなく、早々に3.5%達成を明言してとっくに2%も超えてる欧州の方がむしろ窮地に立たされてるかわいそう
まあ言われてから渋々やる方よりも自主的にやる方が評価されるのは何処の国でも同じなんだろうか
ほんと欧州どうなりますかね?
西欧の一部は、イラン戦争で領空拒否・空港使用拒否をやったようですが、(気持ちは分かりますが)なかなかチャレンジングだなと。
特にスペイン、かなり突出しているように見えたので心配しているのですが、アメリカから何が降ってくるのか見守っています。
必要な物を積み上げた結果、防衛予算が対GDP比3.5%を超えたとういなら理解出来ますが、最初から対GDP比3.5%の数字有りきなのは違和感しかないです。
国によって必要な装備は違うのに金額の帳尻さえ合えばいいのかと?
今の安全保障環境考えれば防衛予算は上げなければいけないのは理解しますが、何%ならよくて何%ならダメっていうのは本質的な国防強化とズレてるような気がします。
そんな理屈が通ったらどうとでも抜け道作って手抜きし放題になるでしょ、不平等不公正極まるわ
北陸新幹線を舞鶴に延伸して費用計上すれば、解決。
クルー制の乗組員達の移動が速やかになる。
何なら西九州新幹線佐世保延伸も良いかもしれない。
その理屈が通るなら日本に関しては過去の防衛費1%枠はどうなのって感じがする。少なくとも86年に撤廃してるのに近年になるまでずっと堅持、失われた30年があったとかはどうでも良い。1%に拘って防衛力の弱体化を進めたのはズレているとしか言いようがない。
だからそれを健全レベルにする為にトランプ在任期間中でも3.5%位にしたってバチは当たらない、少なくとも未来永劫それを堅持しろとはならないでしょう。他の国も同じで米国規模の戦争を想定しろとは言わないが大抵の国の継戦能力はそこまで高くはない。だから質も量もなのかどれかを高めて有事にまともに戦えるようにしろって話だと思いますね。
日本の予算が無いおかげで導入してからろくに大規模アップデートもされない陸自の正面装備や、戦車よりはるかに少ないIFV。どこまで使えるか分からない正面装備は豪華だが個人装備はお粗末で、攻撃ヘリ関連はめちゃくちゃ、対潜能力に至っては冷戦終了後で進化が止まったとすら言われる事がある。
主力護衛艦の減少や数の上での主力のF-15なんてBVRミサイル運用能力すら無いPre-MSIPが半分以上を占めて居る始末。これらは10年以上前にはとっくに対応されているべき案件です。
3.5%位を数年なら体制構築として必要な投資でしょう既存装備のアップデート、弾薬確保、サイバー宇宙分野、反撃能力、機能性の高い個人装備(靴、シャツetc)とか予算が必要な物は沢山。ドローンとか新装備を増やせと言うなら整備群の規模とか現状の何倍かに拡大が必要ですよメンテフリーで何とかなるような装備の方が少ないし装備のアップデートも必要なんですから。
後デリケートな武器とか更新して欲しいですね射撃大会の為に10式整備したら、その後は射撃に関する部分が壊れないように極力動かさないとか何言っているのか訳が分からない。
インフレが、名目GDPを一気に伸ばしましたからね。
通常予算は、衆議院選挙前のため『政権基盤が弱く、委員長ポストを多数失っており』独自色を出しにくかったと言われていた記憶があります。
衆議院選挙後、与党が圧倒的過半数であり委員長ポストほとんどを占めましたので、補正予算にどういったものを反映していくのか注目したいですね。
追記です。
通常予算は、衆議院選挙前に大枠が決まる時期だったため
>通常予算は、衆議院選挙前のため
名目GDPの数値は上がりましたけど、ただただ高くなったなとしか思えないですね
こうなると昔から膨大なストックや設備をちまちま蓄積してた所が強い
日本は船舶関係は維持してきたので良いですが、他の分野はそれほど投資してこなかった期間が長いのが心配です(特に人
まさに仰る通りで、不況期もコツコツ投資を続けてきた所は強いですね。
造船サプライチェーンの皆様、政府が何の役にも立たなかったのに、よくぞ不況期を乗り越えられたなあと。
小泉政権『聖域なき構造改革』、民主党政権『コンクリートから人へ』ただのスローガンですが、需給を崩しただけで何だったのでしょうかね?
名古屋鉄道=名古屋駅前再開発を見ると、発注側の都合で投資先送りしまくってたら、インフレ食らってボロいまま立ち往生してしまいました…(日本中の再開発大変そうですね)。
橋や道路の修繕補修費を軍事費に含めばええやろ。
日産の追浜工場を国が買い上げる話や
国営の造船所建設の話はどうなっとんの。
これも軍事費に含めばええやん。
軍事費の名目にするために各省庁の予算を防衛省に移す必要があると色々な抵抗で厳しそう
国交省の予算のまま防衛費にできるのだろうか
という事は日本の軍事予算は14兆円まで増大するのは確定的という事ですか。現時点が関連費込みで10兆弱ですから更に4兆円増えるわけですな
増税した上で医療費と教育費をカットして捻出するんだろうな
35兆円無いと5%行かないのか。。。
各駐屯地と艦船に備え付けるトイレットペーパーを大量に買ってですね……
※そんなもんで誤魔化せたら苦労はしない。
※それとは別に、そこは最優先でお手当てすべき。
トイレットペーパー問題は報道以来、改善されたと中の人が言っていましたw。