イタリアの防衛産業企業大手レオナルドは今月4日、モード5に対応した敵味方識別装置(IFF)関連機器の供給契約を日本無線株式会社と締結したと発表した。
参考:Leonardo to provide Japan with further Identification Friend/Foe (IFF) electronics
伊防衛産業企業大手レオナルドが自衛隊にモード5対応IFF関連機器を供給
現在、米国やNATO加盟国は2020年6月までに敵味方識別装置(IFF)を現行のモード4から新型のモード5へ全面的な切り替えを予定(NATOでのモード5サービスインは7月1日予定)しており、米国は非NATO加盟国の同盟国(日本や韓国等)に対してもIFF更新を要求してきた経緯がある。
補足:モード4とモード5の大きな違いは暗号コードの生成でモード4は1日に1回暗号コードは生成されるが、モード5は数秒毎に暗号コードは生成されるため敵の傍受や妨害の影響を受けにくいと評価されている。
米防衛産業企業以外でレオナルドは唯一、モード5の暗号化キー生成テクノロジーを有しているため各国の防衛産業企業と提携してモード5対応IFF関連機器を提供している企業だ。
レオナルドの発表によれば同社は2016年から日本無線株式会社を通じて日本の自衛隊にIFF関連機器を提供してきたと説明しており、今回の契約(約500万ユーロ:約5.8億円)でレオナルドは陸上自衛隊が運用する4つのプラットホーム向けにモード5対応IFF関連機器を供給すると言っている。ただ陸上自衛隊が運用する4つのプラットホームが何なのかについては明らかにされていない。
航空自衛隊や海上自衛隊はモード5対応への動きや情報をちらほら見かけるが、陸上自衛隊のモード5対応に関する情報はほぼ見かけない(=対応への動きが無いのではなく地味過ぎてあまり取り上げられない?)ため中々珍しい情報ではないかと管理人は思う。
補足:航空自衛隊はF-15Jのモード5対応を三菱重工に発注済みで、海上自衛隊も対潜哨戒機P-1のモード5対応を日立国際電気(レイセオンと協力)に発注済みで護衛艦のモード5対応IFF認証に関する国内技術支援企業を2018年に募集している。さらに自衛隊の入札情報を見る限りIFF関連の入札案件はゴロゴロしており正に6月切り替えに向け佳境を迎えているのかもしれない(6月に全面切り替え出来るのかどうかは不明)
因みに陸上自衛隊は回転翼機や対空/対艦誘導ミサイル、移動可能な車載型レーダーを多数装備しているためモード5に対応したIFFの需要は小さくない。
果たして自衛隊のモード5対応は7月1日運用開始に間に合うのだろうか?
レオナルドは発表したプレスリリースの中で2020年6月までに自衛隊のモード5切り替えが完了することを保証するといっているが・・・
※アイキャッチ画像の出典:防衛省 12式地対艦誘導弾
IFFは双方向で必要な機材だから調達数はかなりの数になる筈
攻撃目的の無人機を装備したら更に増えそう。
重要な装備だ