The Australianは3日「豪政府がフリゲート入札の勝者を数日以内に決定する」と報じていたが、日経は4日夜「豪政府は月曜の安全保障委員会で日本案採用の意向を確認した」「三菱重工業側と最終価格など契約の詳細について交渉を行い年内の契約締結を目指している」と報じた。
参考:Japan set to land Australia frigate order in first warship export deal
参考:Japanese MHI Set To Receive Nod For Australian Frigate Requirement
日本政府や三菱重工業は防衛装備品の大型入札案件に正面から挑戦して勝利を獲得した格好だ
アルバニージー政権は海軍再編に関する分析結果を昨年2月に発表、この報告書は政府に「水上艦戦力を2倍に増やせ」と求めており、具体的にはハンター級フリゲートの取得数を9隻→6隻、アラフラ級哨戒艦の取得数を12隻から6隻に削減し、有人運用も可能な大型無人艦(6隻)と汎用フリゲート(11隻)を取得するよう勧告、アンザック級フリゲートの後継艦を想定した汎用フリゲート取得は「Project Sea 3000」や「GPF Project」と呼ばれており、最終候補に残ったのは日本が提案する令和6年度型護衛艦(新型FFM)とドイツが提案するMEKO A-200だ。
この入札の行方について政府、国防省、海軍関係者は固く口を閉ざしているものの、現地メディアやアナリストらは「海外で建造される1番艦~3番艦分の納期、設計の新しさ、戦略的パートナーシップの観点から日本案優位」「4番艦~11番艦までの現地建造に関する経験と実績、設計が海軍に馴染みのあるMEKO-200の発展版、海軍が採用しているSaab製戦闘システムの統合、価格の安さでドイツ案が選択されても不思議ではない」と指摘し、The Australianは3日「政府は数日以内に勝者を決定する予定」「誰が選ばれるかはコイントスのようなもの」と報じたが、日経は4日「日本が選ばれた」と報じている。
“オーストラリア政府は月曜の安全保障委員会で日本案採用の意向を確認した。この計画を豪政府高官が日本政府筋に伝え、フリゲート艦の建造を担当する三菱重工業側と最終価格など契約の詳細について交渉を行い、年内にフリゲート艦建造契約を締結することを目指している”

出典:防衛省 海上自衛隊
まだオーストラリア国内ではProject Sea 3000の勝者について報道されていないものの、日経の報道が事実なら「Project Sea 3000の勝者に三菱重工業に選ばれた=オーストラリア当局との優先交渉権を獲得した」という意味になり、今後は正式契約に向けた交渉が行われるだろう。
因みに優先交渉権を獲得した企業と合意が成立しない場合、優先交渉権がTKMSに与えられるか、入札自体をやり直すか、調達計画自体を見直すかになるものの、この過程で交渉が難航することはあっても「合意の不成立」はほとんど見たことがないため、優先交渉権を獲得は「事実上の契約獲得」「正式契約を締結する寸前」と言っても良く、日本政府や三菱重工業は防衛装備品の大型入札案件に正面から挑戦して勝利を獲得した格好だ。

出典:防衛省 海上自衛隊
但し、三菱重工業は国内で建造していた艦艇の技術移転、Austalと協力した現地建造の立ち上げ、艦艇建造に必要な現地サプライチェーンの構築などに取り組む必要があるため、国内建造とは勝手が違う未経験の問題に頭を悩ませることになるかもしれないが、ここを乗り越えると「海外市場に挑戦するルーキープレーヤー」「現地建造や技術移転の経験なし」「艦艇の輸出実績なし」という肩書きが外れるため、今後の艦艇輸出に関する可能性が大きく広がるかもしれない。
追記:海外メディアも日経の報道を引用して「日本がオーストラリアからフリゲート艦契約を獲得したようだ」と報じているが、同時に「この情報は公式に確認されていない」と付け加えており、特にNaval Newsは「この情報のリークはオーストラリアにとって厄介なものになるかもしれない。豪政府や軍関係者はProject Sea 3000について口を閉ざし、入札に参加した企業も豪政府と秘密保持契約を結んでいるため公の場で入札の詳細に言及することはなかった」と指摘している。
関連記事:豪フリゲートを巡る日独の戦い、豪政府は数日以内に勝者を決定する見込み
関連記事:豪フリゲート艦調達、日本の競争力は知的財産権ではなく戦略的パートナーシップ
関連記事:保守的な日本の変化、豪記者を長崎に招待してもがみ型護衛艦をアピール
関連記事:豪州のフリゲート艦調達を巡る戦い、まだ日本とドイツの競争は混戦模様
関連記事:豪フリゲート入札の勝者は年内決定、ドイツは実績と豪海軍仕様をアピール
関連記事:豪海軍のフリゲート調達、日本は自国よりオーストラリア優先を誓う
関連記事:海外メディア、武器輸出に消極的な日本政府がフリゲート艦の豪輸出に熱心
関連記事:もがみ型の豪輸出、戦略的・技術的パートナーシップが重視されれば日本有利
関連記事:防衛省、もがみ型が豪次期フリゲートに選ばれれば海外移転を認める
関連記事:豪海軍の汎用フリゲート調達、最終候補に生き残ったのはドイツと日本
関連記事:豪フリゲート調達、韓国は現代重工業とHanwha Oceaのワンチームが作れない
関連記事:豪州の汎用フリゲート調達、ドイツ、スペイン、日本、韓国に情報提供を要請
関連記事:日本も豪海軍のフリゲート調達に参戦、もがみ型ベースの艦艇開発を検討
関連記事:豪シンクタンク、もがみ型の取得で海軍再編が上手くいくかもしれない
関連記事:オーストラリア海軍の再編計画、汎用フリゲートの検討候補にもがみ型が浮上
関連記事:豪州が海軍の戦力構造を小型艦中心に変更か、ハンター級が削減の対象に
※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊 護衛艦隊





















日経よく飛ばしあるんで(三菱重工=日立合併報道など)、どうかなあと思いましたが、共同通信も報じているなら安心でしょうね。
サプライチェーン構築など初動は大変でしょうが、周辺事態が発生した時に整備拠点ができるという考え方もできるわけですから、両国の関係も深まり今後が楽しみですね。
三菱重工は、大型客船事業で2000億円規模の損失を出したことがありますが、もがみ型は建造経験があるうえに・大型客船よりも排水量が2桁小さいですから大丈夫(客船ほどの失敗はない)と楽観的に考えています。
客船の失敗は客船特有の内装工事が原因と言われており、華美な装飾のない軍艦なら手慣れた物だと思います。
仰る通りです。
仕様変更の繰り返し、火災なども手痛かった記憶があります。
日経の記事は、豪州政府が日本案に決める方針を決めたって言い方だから、まだ一分の不安はあるけど旗色はよさそうで何より
決まれば日本の武器輸出が新たなステージに入る
まだまだこの件は目が離せないね
こんなに早く決着が付くとは思わなかったです
でもこれは始まりですよ、やっとスタートラインに立つ事が出来ました、これからが本当のお仕事です
あきづき型より高価な新型FFMが5年で12隻、そして海外にも輸出とは
あさひ型が2隻で終わっちゃって「これからの護衛艦どうするの、高すぎて建造できない(泣」
みたいなカツカツの時期を知ってると、本当に時代が変わったんだなぁと
読売新聞もきました
「もがみ型」護衛艦をオーストラリアが導入へ…米製ミサイル搭載しやすく独提案に勝る
リンク
新しい時代の始まりですね・・・
もとMHI社員としては、もう目出度い、よかったというしかないですね。株を追加して持っといてよかった。
おめでとうございます!
持株会の会社補助がありますから、近々の株高もあり、ホクホクの方が多いだろうなと。
会社の成長が、社員に還元されるのは素晴らしい話しと思います。
ほれみぃ三菱案採用だ!絶対そうなると確信したよ
ひとまず安心だ、おめでとう!!
後は価格や細部の仕様決定からデリバリーから運用から現地生産の推進だけだ
課題山積みだけど着実に進めてけ!
オーストラリア政府からの公式発表もきましたね
リンク
仏松「大変なのはここからだぞ」
これは驚いたね。また、当て馬だと思ったよ。前回の潜水艦でも、当て馬にされたことがあったし。
報道によれば、3隻を共同開発国(日本)で生産して、残りの8隻を豪州で生産するようだね。
ひとまずめでたい。
一部報道で混乱がありますけど、公式で「upgraded Japanese Mogami-class frigate」とあるので事前の話通り「改もがみ」ですね。