日本関連

日本向けのSPY-7とイージス・システム、弾道ミサイル迎撃と他目標の捜索・追尾を同時実行

米ミサイル防衛局とロッキード・マーティンは日本向けに統合を進めているAN/SPY-7とAEGIS SYSTEM B/L J7.Bの中間デモンストレーション2を実施、SM-3BlockIIAによる弾道ミサイルとの交戦能力を実証したと発表した。

参考:ASEV J7.B Product Development Demonstration 2 Successful
参考:Japan Defense Enhanced With Aegis And SPY-7 Software Demonstration

全ての統合作業と検証が完了すると模擬実弾による追尾テストが実際され日本へ引き渡される予定

この中間デモンストレーション2は海上自衛隊向けのAEGIS SYSTEM B/L J7.B(米海軍が使用しているB/L9に相当)の改良バージョンB/L J7.BとAN/SPY-7をイージス戦闘システム試験施設(通称トウモロコシ畑の巡洋艦)で実際に統合し、前回よりも複雑な交戦環境で機能するかを検証(仮想環境)する作業だ。

出典:©Boevayamashina / CC BY-SA 4.0

昨年9月に実施された1回目の中間デモンストレーション1はSM-3BlockIIAによる弾道ミサイルとの交戦能力を実証したが、今回は弾道ミサイルとの交戦と空中目標の捜索・追尾を同時に実行する内容で米ミサイル防衛局とロッキード・マーティンは「B/L J7.Bは完全にSPY-7の能力を制御することが出来た」と発表、今後行われる中間デモンストレーション3ではより複雑な戦術機能を検証する予定(米ミサイル防衛局は前回の発表時に2021年末が最終テストと言っていたのが、、、)らしい。

全ての統合作業と検証が完了すると模擬実弾による追尾テストが実際され、日本へ引き渡されると米ミサイル防衛局は述べている。

関連記事:米ミサイル防衛局、SPY-7とベースラインJ7.Bが弾道ミサイル防衛に対応できることを実証

 

※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

懲りない米空軍に米会計検査院が警告、KC-46のRVS2.0開発で同じ失敗を犯す前のページ

ドイツにとって不名誉なジョーク、10万個の要請に5,000個のヘルメット提供で応える次のページ

関連記事

  1. 日本関連

    日本は2022年3月までに巡航ミサイル「JSM」導入、F-35のアップグレードは間に合うのか?

    日本がスタンド・オフ・ミサイルと位置づける射程500kmのノルウェー製…

  2. 日本関連

    次期戦闘機「F-3」日米共同開発を否定する海外メディア、日本はパートナー国を決定していない?

    英国のジェーンズは10日、日本が戦闘機F-2の後継機として開発予定の次…

  3. 日本関連

    陸自、輸送艦から発進する水陸両用車「AAV7」の乗車体験が味わえるVR動画を公開

    陸上自衛隊は今月8日、海自のおおすみ型輸送艦から出撃する水陸両用車「A…

  4. 日本関連

    岸防衛相、自衛隊機が敵領空内に侵入して攻撃する選択肢を排除しない

    衆院予算委員会 第1分科会に出席した岸防衛相は「自衛隊機が相手領空内に…

  5. 日本関連

    護衛艦輸出を推進する日本、インドネシアと防衛装備品・技術移転協定を締結

    日本政府は海洋進出を強める中国を念頭に護衛艦8隻輸出が噂されているイン…

  6. 日本関連

    ボーイングによる空自向けKC-46Aのスペアパーツ価格釣り上げ疑惑が浮上、米議会で討議される予定

    ボーイングは空中給油機KC-46Aの開発過程で被った損失を回収するため…

コメント

    • APSF
    • 2022年 1月 29日

    TOP画像では線に囲まれていてわかりにくいけど陸上試験モデルからすると、アーレイ・バーク級を参考にした既存艦やDDG(X)とは結構違った艦橋になるのかな。

    5
      • くらうん
      • 2022年 1月 29日

      ただのオブジェでしょ・・

      16
    • トクメイキボウ=サン
    • 2022年 1月 29日

    某軍事ジャーナリストや佐藤正久議員はSPY-7は弾道ミサイル防衛にしか使えないし中国との艦隊戦には使えないから大人しくアメリカ海軍が採用したSPY-6を採用すべきだとの主張をしているがSPY-7は艦隊戦にも使えるって認識でOK?

    20
      • NHG
      • 2022年 1月 29日

      イージス・アショア代用のspy-7搭載イージス艦は、機動力の劣る双胴船や石油プラットフォームのような形になると言われるから既存の艦隊と艦隊組めない=ミサイル防衛のみって話のはず(ほかにイージスシステムに完全統合される前に導入を決めたというのもある)
      だからspy-7だと弾道ミサイル防衛しかできないとか艦隊戦できないという話ではない
      どのみちspy-6のラインは閉じられてるから次は嫌でもspy-7搭載イージス艦になるよ

      3
        • SPY
        • 2022年 1月 29日

        >どのみちspy-6のラインは閉じられてるから次は嫌でもspy-7搭載イージス艦になるよ

        え!? それじゃぁ、アメリカ海軍のDDG-Xも、SPY-7になるんッスか?

        4
          • ブルーピーコック
          • 2022年 1月 29日

          アーレイ・バーク級を改修する時にどうですかとロッキードが売り込みをかけているようですが、導入は未定のはず

          7
        • 感謝します
        • 2022年 1月 29日

        ラインが閉じたのはSPY-1では?

        16
          • NHG
          • 2022年 1月 29日

          誤情報すみなせん!
          調べたらライン閉じたのはspy-1でしたっ!

          2
        • 匿名
        • 2022年 1月 30日

        > どのみちspy-6のラインは閉じられてる

        それは本当ですか?
        勘違いじゃないんですか?

        3
      • あばばばば
      • 2022年 1月 29日

      イージスシステム自体は共通しているはずだし、SPY-6、SPY-7のレーダーだけが異なるだけのはず。(性能差はほぼないらしい)
      故に通常のSPY-7搭載艦でも、艦隊決戦に問題はないはず。
      問題があるとするならば、日本が調達したSPY-7に海上の動揺に耐える性能を持たせていない(これから洋上仕様への改修が決まっている)のと、防衛省の説明で偏った言葉を勉強会や取材に対して振りまいている。もしくは、聞いた側が説明を歪んだ形で覚えてしまっているかの、どれかではないだろうか。
      もしくは米海軍がSPY-6採用してるから、海自もSPY-6じゃないとヤダと駄々をこねて、床を転げまわっている子供が政界と防衛省の中にいるのかもしれない。

      11
        • 匿名
        • 2022年 1月 30日

        >もしくは米海軍がSPY-6採用してるから、海自もSPY-6じゃないとヤダと駄々をこねて、床を転げまわっている子供が政界と防衛省の中にいるのかもしれない。

        最後のこれに一票

        5
    • 成層圏
    • 2022年 1月 29日

    個人的な予想では、イージスシステム搭載艦はこんごう型更新の次世代艦のテストヘッドになると思う。
    また、基本2隻が日本海に展開する予定だが、船のやりくりの関係で南西諸島にも出ていく事もあるのでは?

    管理人さんによると日本が最も早く入手できる最新イージスシステムなので、早く搭載艦を建造して欲しい。
    とにかく、海自は船が足りないからね。(この前は「いずも」が単独で中国空母打撃群を追跡してたくらいだし。)

    23
      • A
      • 2022年 1月 29日

      人も金も足りてないよね。

      27
      • 匿名
      • 2022年 1月 30日

      追跡というか、中国空母打撃群の中に入り込んで、空母と並走してたよね。
      どこの友好国かと唖然とした。

      2
        • 破軍
        • 2022年 1月 31日

        何か勘違いしていると思うけど戦争状態でも無いし、実戦訓練でも無ければあれくらい近づくのはおかしくないからな。

        主砲向けるとか進路妨害や攻撃レーダー照射しないなら全然問題ない。領海内ですら無害通航権ある訳だし、それぞれが普通に権利行使しているだけ。

        6
    • ソノイチ
    • 2022年 1月 29日

    SPY-7イージスシステム搭載艦は登場すぐにゴミになるだろう。 SPY-6はパッシブ探知モード、協同探知モードといった新機能が搭載されており、2032年に配置されるDDG(X)もSPY-6の搭載を基本前提としている。 米海軍DDGとのインターオペレータビリティはすでに期待できず、海上自衛隊も嫌っている。

    SPY-7はグローバルホークのように愚か者による政治的な決定です。

    3
      • ブルーピーコック
      • 2022年 1月 29日

      つまりカナダ海軍やスペイン海軍も愚か者ということですか。勉強になりますん

      63
      • ハクソウ
      • 2022年 1月 29日

      そういうのは自分の穴でやりなさい

      11
      • 成層圏
      • 2022年 1月 29日

      せっかくこのブログに投稿されているので、過去記事を読まれることを強くオススメします。

      36
      • ごめん
      • 2022年 1月 30日

      とにかく、政治案件で兵器買わされるのは、もう、こりごりです。
      現場のことを全く考えてない、どうせアメちゃんに配慮するなら、SM6やESSM、F15の部品等を同じ金額買えと言いたい。

      1
    • ブルーピーコック
    • 2022年 1月 29日

    SPY-7に関するロッキードのサイト。このページは全部日本語

    リンク

    4
    • 内務大臣
    • 2022年 1月 29日

    導入するSPY-7は弾道ミサイル以外の目標にも対処できる仕様なんだな
    あとは肝心の船体がどうなるのか
    巡洋艦クラスの巨体になりそう(既存の海自イージス艦も巡洋艦といえば巡洋艦ではあるが)

    2
    • ごめん
    • 2022年 1月 30日

    米海軍は、試験や開発に開発してないのかな?
    ミサイル防衛局だけだと心配だな…
    あと、バグが出たとき、どうやって修正するのかな、米海軍使ってないから、SPY1見たいにバグの修正出来るの仮か?
    まさかカナダやスペインがやるはずも無いし…

    1
    • けい
    • 2022年 1月 31日

    こんごう もかなり古いからどっかの港に係留してアショアの代用は駄目なの?

    1
      • 男の子
      • 2022年 1月 31日

      いっその事、SPY7搭載艦は係留配備でいいんちゃう?
      元々海自艦隊の負担軽減の為だし、本当に戦争になったら沖に出るとかすればブースター問題も無くなるし、隊員も係留なら海の上より、負担少ない。

      1
        • フォックスロット
        • 2022年 2月 01日

        何処かの記事で、イージス艦のレーダーを作動させるためには何カイリが海上に
        出ないと動作できないとありました。
        何千キロを監視するSPY1,6,7などのレーダーを港の中で動作させると
        横須賀、呉、舞鶴、佐世保など近隣に民間施設も多くそれこそ、携帯が故障したり
        電気機器に影響したり、通信障害が発生が予見されるということだと思われます。
        ブースター落下も問題となるかもです。
        ミサイルなど落ちてくる非常時に何を言う意見もありますが使うとなれば、定期訓練も
        必要ですから今の自衛隊組織的にも港に係留しての使用は出来ないでしょう。

        2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  2. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  3. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  4. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  5. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
PAGE TOP