テラドローンは21日「自律型AI迎撃ドローン=Terra A1 Autonomousに関する開発及びテストを完了して市場展開を開始した」と発表、Terra A1 AutonomousはAIによって中間誘導と終末誘導が自動化されており、防衛省のレーダーサイト防衛用UAV向けソリューションだろう。
参考:テラドローン、自律迎撃ドローン「Terra A1 Autonomous」の市場展開を開始~AIによる標的捕捉・自律航行・自律追尾が実施可能に~
参考:テラドローン、自律型AI迎撃ドローンの販売開始 中東防衛大手から打診
日本の迎撃ドローン水準はテラドローンによって最先端に近いとこまでやってきた
ドローン事業に特化したテラドローンの動きは従来の日本企業とは完全に別もので、防衛省・自衛隊向けに依存した防衛ビジネス、日本の地理的環境を理由にした閉鎖的な思考、国産技術への過度なこだわりを一切見せておらず、必要な技術やノウハウを一から育てて積み上げるのではなく「足りないものがあれば買収や協力で補えばいい、それよりも優先すべきは防衛向けのドローン事業をビジネスとして成立させられるか、特に防衛向けのドローン需要や規模で先行する海外市場において収益を上げられるかどうか」を重視しており、この点においてテラドローンは他の日本の防衛スタートアップとは一線をかくしている。
迎撃ドローン分野においてはTerra A1を開発するウクライナ企業のアメイジング・ドローンズ、Terra A2を開発するウクライナ企業のウィニーラボを連結子会社化し、ウクライナ企業のベソマーと偵察用ドローン(Terra C1)提供を目的とした合弁会社(JV)の設立を準備中で、三菱重工や他の防衛スタートアップとは異なり「実戦を想定した環境でのテスト」ではなく「ウクライナ軍による実戦での使用と結果」という明確な強みを備えており、さらにテラドローンは日本市場ではなく海外市場での存在感の方が大きく先行しているのも特色の1つと言えるだろう。
テラドローンの子会社=ベルギー企業のユニフライが提供する国家航空向けの警戒管理システム(UTM)は同市場でNo.1のシェアを保有しており、2026年5月にMBDAと対象空域内の不審ドローンに対して警戒・識別・対処を一気通貫で行うカウンタードローンプラットフォームの実現に向けたパートナーシップ契約を締結、さらに欧州防衛事業の拠点としてエストニアにTerra Defense Europeを設立し「同社を欧州防衛事業の中核拠点と位置づけ、ウクライナ企業との連携を通じて展開するTerra A1、Terra A2、Terra C1をはじめとした防衛用途の無人アセットについて欧州域内での事業開発、供給、保守・運用支援体制の構築を進めていく」と発表。

出典:Terra Drone
7月7日には「テラドローンの子会社=Terra Inspectioneering BVはアラブ首長国連邦を代表する防衛グループ=EDGEとカウンタードローン分野での協力に関する覚書(MOU)を締結した」「本取り組みを通じEDGEの子会社=International Golden Group LLC(IGG)にカウンタードローンと連携可能な迎撃ドローンを含む防衛アプリケーションを有償で納品する」「これによりIGGはUAEおよび中東地域において、今後あるいは今後構築するカウンタードローンシステムにテラドローンの防衛アプリケーションを組み込み、UAE軍や政府関係機関向けのカウンタードローンソリューションとして提案・展開を進めることが可能になる」と発表。
そして7月21日には「自律型AI迎撃ドローン=Terra A1 Autonomousに関する開発及びテストを完了して市場展開を開始した」と発表、ロイターも「テラドローンは人工知能を活用して自律飛行できる迎撃ドローンの販売を開始したと発表した。アラブ首長国連邦のEDGE傘下の企業から引き合いがすでにあったという。従来の迎撃ドローンは人間による継続的な操縦が必要だったが、開発したドローンは機体に取り付けられたカメラで撮影した映像をAIがリアルタイムで解析し、敵のドローンを自律して認識・追尾して迎撃する。モデルの開発とテストをこのほど完了した」と報じた。
Terra A1 Autonomousは中間誘導(発射後ターゲットに向け7km~200mまで自動接近)と終末誘導(800m以内で迎撃可能な距離までターゲットを自律検知・追尾)が自動化されており、テラドローンは「従来の迎撃ドローンでは操縦者による継続的な操縦が必要だったが、Terra A1 AutonomousではAIによりカメラの映像をリアルタイムで解析し、対象ドローンを認識・追尾する。飛行中も目標の位置や速度を継続的に推定し、将来位置を予測しながら飛行経路を自律的に補正することで操縦者の負荷軽減と迎撃精度の向上を図り、高速で飛行する対象ドローンへの接近・迎撃を支援する」と言及。
今後の展望についても「Terra A1 Autonomousは輸出規制の要件を満たすことにより、欧州、中東、アジア、日本を含むグローバル市場へ展開を進め、ウクライナの提携企業と連携して実戦環境での評価・改良も進めていく」「実戦データを活用してAIおよび自律迎撃性能を継続的に向上させ、各国政府や防衛プライムへの提案を加速していく」「Terra A1 Autonomousを単体の迎撃ドローンとして提供するだけでなく、レーダー、センサー、通信、指揮統制、Uniflyなどの空域管理システムと連携し、検知、識別、追尾、指揮統制、迎撃までを一体で提供する統合型対ドローンソリューションとして展開していく」と述べている。

出典:Terra Drone
ロイターの日本記事は「7月7日のEDGEとの覚書き署名」と「7月21日のTerra A1 Autonomous発表と市場展開の開始」を一緒にして「テラドローン、自律型AI迎撃ドローンの販売開始 中東防衛大手から打診」と報じているが、EDGEのInternational Golden Group LLCからTerra A1 Autonomous購入の打診があったわけでは無い。
それを抜きにしてもテラドローンの事業展開、ウクライナでの開発体制、成果や将来性に対するアピールは日本の伝統的な防衛プライムや防衛スタートアップとは別次元で、今回発表したTerra A1 Autonomousも防衛省が「迎撃UAVのカメラ映像を見ながら地上要員が迎撃UAVを操縦する仕様ではなく、地上装置から自動誘導される迎撃UAV」「システムの展開後は2名以下の要員で防空戦闘が実施できるもの」を要求したレーダーサイト防衛用UAV向けのソリューションだろう。

出典:Terra Drone
レーダーサイト防衛用UAVの装備化スケジュールは「令和9年度又は遅くとも令和10年度」なので、これにTerra A1 Autonomousは間に合う可能性が非常に高く、日本の迎撃ドローン水準はテラドローンによって最先端に近い水準まで到達した。
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※アイキャッチ画像の出典:Terra Drone





















テラドローンの躍進は素晴らしいが、日本では採用も運用もしてないんだよね?
民間向けドローンは色々国内展開してるみたいだけど、仮に今すぐ日本が戦争することになっても軍事用ドローンを用意できないんなら、「日本の」ドローン技術って言われると違和感でるなぁ
早く自衛隊で採用して、当たり前に訓練で消費する日が来て欲しい
日本企業でこれだけドローン事業に強いの頼もしい、あとはその日本で採用されればなおよし
人員が少ない日本では自律型AI迎撃ドローンは必須ですからね。早いとこ採用して国内生産基盤を整えて欲しいですね。
>国産技術への過度なこだわりを一切見せておらず
ってあるけど電子部品とか中国から輸入してるのかな
もし自衛隊採用になったら輸出規制入りそうだけど大丈夫か
tiktok使ってる時点でダメだろ
アメリカは無理やり管轄権奪ったけど
日本はbytedanceに任せたまま
ズレた事言ってたら申し訳ないんですが、テラドローンやドローンの運用にtiktokって関わってくるんですか?
「日本人が作った海外の会社」枠なのでは。もう日本に本籍置いとく必要もなさそう。
自立型迎撃機って、複数目標、複数迎撃機の時のターゲットキューイングは、どうやってるんでしょうね。
その辺のノウハウは企業秘密なんでしょうけど。
やはり軍需系の情報を得るのにこのサイトはとても役に立ちます。AIも進化していますがまだトップ層には及ばない。知は金なり。
日本国内の防衛アレルギーはまだ残っているものの、防衛装備品輸出の敷居は低くなって企業の採算性も改善傾向にある
国内大手が海外ベンチャー買収するなり協業する可能性もあるか
先行して道を切り開いているテラドローンの価値は日本の防衛にとって計り知れない恩恵があるかもしれません