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インド海軍向けのUNICORN、日本とインドで共同開発・共同生産

防衛省は今月15日「インドへのUNICORN移転に関して防衛装備品・技術移転協定に基づく細目取極に署名した」と発表、インドメディアも「Bharat Electronicsが日本と共同開発するUNICORN導入を進めている」と報じ、インド向けUNICORNは両国による共同開発・共同生産の形になるようだ。

参考:インドへのユニコーンの移転について
参考:India, Japan sign agreement for UNICORN masts for Indian naval warships

完成品のUNICORNを輸出するのではなく「インド海軍艦艇への統合作業と生産を共同で行う」という意味

日本とインドは今年8月の外務・防衛閣僚会合を開始し、両国は艦艇搭載用の統合通信アンテナ=UNICORNのインド輸出に向けた調整を急ぐ方針で合意、防衛省も今月15日「インド海軍に対するUNICORN移転に関して防衛装備品・技術移転協定に基づく細目取極に署名した」「引き続き、UNICORN移転の実現に向けて取り組んでいく」と発表したものの、この説明だけでは「何がどうなっているのか」さっぱり分からないが、どうやらUNICORNの完成品を輸出するのではなく、技術移転を行いにUNICORNベースの統合通信アンテナを共同開発するらしい。

The Hinduは16日「インドと日本は防衛技術協力の枠組みに基づき、ステルス性を高める統合通信アンテナ=UNICORNを海軍艦艇に搭載するため共同開発に関する実施覚書(MoI)に署名した。海軍は声明の中で『Bharat Electronicsは日本側の協力を得てインドで共同開発する先進システムのインド海軍導入を進めている』と述べ、これが実現すれば印日間の防衛装備品に関する初めて共同開発・共同生産になると付け加えた」と報じており、どうやらインド海軍向けのUNICORNは両国による共同開発・共同生産の形になるようだ。

インドの防衛装備調達はモディ首相が主導するMake in India政策の影響で「海外輸入」を厳しく制限しているため、海外企業がインド市場で生き残るためには「技術的移転による現地生産品」しか方法がなく、伝統的な装備供給国のロシアもMake in India政策を支持して現地生産を強化、Rolls-Royceもガスタービンエンジン(MT30)の製造工程をインドに移転すると発表、BoeingもAH-64EやP-8Iの導入に関連したオフセットとしてC-130JやAH-64Eの部品をインドで製造しており、どの国(企業)もインド市場で生き残るための取り組みを強化している。

出典:Boeing India インドで生産されるAH-64Eの構造体

日本もインド市場に進出するためには現地企業と手を組む必要があり、完成品のUNICORNを輸出するのではなく「インド海軍艦艇への統合作業と生産を共同で行う」という意味だ。

中東諸国もインドの成功に習って「海外製防衛装備品の調達に技術移転と現地生産を義務付ける法律・政令」を導入し、欧米企業がサウジアラビアやアラブ首長国連邦などオイルマネーが豊富な市場で生き残るには「技術的移転による現地生産品」に対応するしかなく、ここでも大手防衛産業企業が次々と合弁企業の設立や現地企業との提携を発表しており、もはや防衛装備品の輸出は「売り手の総取り」から「取引で生じる利益や雇用を分け合う形(安全保障に対する影響力で米国製は別格だが技術移転や共同生産などのハードルは相当引き下げれている)」に変化しつつある。

出典:EDGE

因みに同紙は「何年も日本は防衛装備の海外輸出を検討してきたが、平和主義的な憲法によって厳しい条件がある。インドは何年も前から海軍向けの水陸両用機(US-2)調達を日本と交渉してきたものの、同機の高価な調達コストや防衛装備の調達優先順位などの問題で、この取引は進展しなかった」とも述べている。

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※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊

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コメント

    • 幽霊
    • 2024年 11月 17日

    規模は小さいですが日本にとっては重要な一歩ですね
    今回の件でより大規模な契約に向けて経験を積んでいく事が出来るでしょう。

    64
    • 無印
    • 2024年 11月 17日

    ユニコーン、インド海軍の何級に載せられるんだろう

    9
    • かぼ
    • 2024年 11月 17日

    US-2は日本が優れてる分野の一つだと思うのだがなかなか世界展開、輸出話がまとまりませんね
    二式大艇の流れを汲んでる素晴らしいものだと思うので何としても途切れないで続いて欲しいものです

    26
      • 匿名希望係
      • 2024年 11月 17日

      需要規模が小さいから移転させてもなーもあるしね。>US-2

      16
      • 無印
      • 2024年 11月 17日

      US-2の海外版カタログには、「着水時後部ドアから特殊部隊が使うボートが発進できますよ」ってあるらしいです
      C-130にフロートを付ける計画がボツになったそうなので、一体どこの国のどの部隊向けの説明なのか?
      そしてこのタイミングでUS-2の再発注、血を途切れさせないという意地以外の何かを感じる…

      12
        • Observer
        • 2024年 11月 17日

        夜間着水のできないUS-2で特殊部隊の輸送ですか。
        どこまで訴求力がありますかね?
        オスプレイがある以上C-130の水上機バージョンにアメリカが主に期待したのは貨物輸送能力でしょうから、US-2の機体では用を為さないことは明らか(胴体を細く絞っているし、ハッチも小さい)
        結局、この10年輸出に取り組んではみたものの、結果は世界を探してもUS-2の需要はないということが再確認されたということだと思います。
        再確認と言うのは輸出解禁当時、既にUS-2の様な救難飛行艇を運用している国は残り僅かになっていたからです。

        13
          • 特盛
          • 2024年 11月 18日

          夜間着水ができないというのはどこ情報ですかね?

          3
            • hiroさん
            • 2024年 11月 18日

            キャスターの辛坊治郎氏達を救助した時は18時過ぎだったので、夜間着水が出来ないなんてことは無いと思います。

            7
            • Observer
            • 2024年 11月 18日

            世界の傑作機 PS-1/US-1に書かれています。
            またこれまでUS-1とUS-2の出動件数の8割近くは小笠原からの急患搬送が占めていますが、以下の小笠原村の資料にも「救難飛行艇は有視界飛行であり、照明のない海上には着水できず、日没後の搬送はできない」とあります。
            リンク
            なおこの小笠原の急患搬送は2022年11月を最後に飛行艇の出動はなくなり、日中の搬送もヘリに切り替わった様です。

            3
            • バーナーキング
            • 2024年 11月 19日

            多分kytn先生の妄言。

            2
            • Observer
            • 2024年 11月 19日

            管理人さんの承認が遅れている様なので以下の内容はダブるかもしれません。
            夜間着水ができないと言うのは世界の傑作機 PS-1/US-1に書かれています。
            またUS-1とUS-2の出動件数の8割近くを占める小笠原の急患搬送について小笠原村の医療課の課長さんがレポートを書いてますが(「小笠原村の医療の現状」でググるとヒットします)、そこにも「救難飛行艇は有視界飛行なので、昼間しか離着水できない」と書かれています。(父島の夜間および水深の浅い漁港しかない母島は昼夜とも硫黄島のヘリで対応)
            なお2022年11月を最後に昼間の父島であってもヘリに一本化された様です。

            • 通行人
            • 2024年 11月 20日

            夜間着水ができないって、そりゃそうでしょう。ちょっと考えれば分かる話。
            周囲の視認が出来ない中で着水しようとしたら、機体を海面に意図せず接触させてそのまま海面に激突するなんてことが大いにあり得る。
            好意的に言っても一か八かの賭け、厳しい言い方をすればほとんど自殺行為のようなもの。

            US-2について語りたがる人は多いけど、能力や有用性を過大評価する人が目立つ。
            その辺りの雰囲気はA-10と似ている気がする。

            1
          • おにぎり
          • 2024年 11月 18日

          夜間自動着水機能の付与と多目的区画の補強、ハッチの拡大は既に改良することが決まりました。海自だけの要求で今更こんなことするとも思えないのでアメリカから真面目に声がかかっている可能性はあります。

          4
            • Observer
            • 2024年 11月 18日

            >夜間自動着水機能の付与と多目的区画の補強、ハッチの拡大は既に改良することが決まりました。

            初耳ですね。
            確度の高い情報なんでしょうか?
            胴体の拡幅が伴わないとアメリカのニーズには応えられないと思いますが。

            1
              • KAKI
              • 2024年 11月 19日

              JANESの記事で「夜間自動着水機能」「ペイロード増加」の社内研究を行ってるとの話はあるけど開発始まったってのは聞きませんね
              新明和だけで開発費負担出来ると思えないので自衛隊なり米軍から確約がないと厳しいでしょうね

              2
        • 匿名ちゃん
        • 2024年 11月 18日

        台湾有事リスクが現実的なら、純粋に救難飛行艇としての需要もあるんじゃないですかね?

        2
          • Observer
          • 2024年 11月 18日

          どの国が買うんでしょうか。
          救難飛行艇の運用を止めた国なら20や30じゃ効かないと思いますが。
          確か台湾も大昔は飛行艇を使っていたはずですが….

            • 匿名ちゃん
            • 2024年 11月 19日

            台湾有事ならそりゃ日米ですよ。米が買うかはともかく。
            台湾自身はヘリで十分かと

              • Observer
              • 2024年 11月 19日

              台湾だけではありません。世界中殆どの国で海上救難にはヘリを使っていて今でも飛行艇を使っている国はかなりレアです。
              アメリカなんて以前は飛行艇母艦まで保有してましたが最早昔話ですね。
              日本も廃用機の部品の再利用までして来年度予算で1機調達となりましたが、三菱重工はこれを最後にUS-2の生産から抜けますからどうなりますかね

              1
    • 曼陀羅
    • 2024年 11月 17日

    常々インドはよくあの多国籍な兵器群を裁けているなと感心してますが、日本も曼陀羅の中に組み込まれますね。日本のユニコーンがソ連由来の船体(インド艦隊には多い)に刺さる事になればインド以外の関係者全員が苦笑い必至でしょうね。

    10
    • 市民の声
    • 2024年 11月 17日

    こういった武器輸出については国民的議論が全く行われておらず自民党政府が一方的に既成事実化を進めています。少なくとも国民的議論が成熟するまでは武器輸出は全面的禁止は維持すべきです。日本が民主主義国家を自称するなら国民の議論というプロセスを省いてはいけません。また、アジア諸国からも疑念を持たれますよ

    7
      • 七志
      • 2024年 11月 17日

      国民に選ばれた政府が決めたことなので、それは多数の国民の声を代表しているというものです。
      とわざわざコメントしてみる。

      71
      • のー
      • 2024年 11月 17日

      国民的議論が無いというより、特に反対が無いということでは?
      憲法9条を巡って長年続いた神学論争にウンザリしてて、国民は軍事の問題にあまり関心を持たなくなってしまってますね。

      64
      •  
      • 2024年 11月 17日

      その手の話は、日本の政治体制である間接民主制を理解してから投稿しよう。

      33
      • マサキ
      • 2024年 11月 17日

      国民的議論の成熟とかよく言われるけど、それって何を持って成熟と言うの?
      反対派の人間は、きっと10年経っても「時期尚早。国民の合意が成されていない。」って言うよ。
      結局は、選挙で勝った政党の政策をもって進めていくしかないんじゃないかな。
      こんな遠回しな言い方せずに、日本の防衛力が強化されるのが気に食わないって、はっきり言えばいいのに(言うわけないけど)。

      76
      • バーナーキング
      • 2024年 11月 17日

      そもそも武器輸出禁止三原則が政府が勝手に始めて勝手に厳しくしてった方針ですからね。
      その前は(現行憲法の下で)バンバン輸出してたんだし。
      緩くするのにも国民的議論なんかいらんでしょ。

      55
      • 平八郎
      • 2024年 11月 18日

      アメリカでは兵器の輸出や調達について議会でよく議論されている(揉めている)印象がありますが、アレって重大案件は議会の承認を経ないといけないという色々なルールがあるからなんですよね。
      特に武器輸出は政府と政府の取引でも民間と相手政府の取引でも大型案件は議会に事前通知されないといけないことになっていて、おかしいぞという話になったら議会は共同決議でそれを阻止する権限がある。
      日本も武器の輸出に現実味が出てきたんですからそういう感じのルールを整備する段階に来たのではないですかね。
      多数決で勝ったんだから密室で勝手に色々やって良いだろうというのは民主主義から外れてる気がするんですよね。

      8
        • あまつ
        • 2024年 11月 18日

        分かってて言ってるんだと思うけど野党は問答無用で武器輸出禁止を言い出すからそもそもルール整備そのものに応じないよ。
        故にあなたの論理だとルールは作れない。
        その上で政府与党が勝手にやるのは民主主義に反すると・・・なら武器輸出は不可能という結論にならざるを得ないが、さぁどうする?
        その他にも野党が議論そのものを拒否したら何も決められない事になるがそれが民主主義だとお考えか?

        18
        • 774
        • 2024年 11月 18日

        同意
        発狂してるヤツ多いけど本格的に武器輸出考えてんならこの議論はむしろ必要
        この案件はアンテナなんでセーフだろうけど

        ステルス増税やら労働規制改悪やら移民受け入れやら既成事実化が多すぎるし
        自民党に反対するするヤツは全員左翼とか
        ネトサポの巣窟かよ

        3
      • 33
      • 2024年 11月 18日

      「また、アジア諸国から疑念を持たれますよ」

      「また」ってなんだよ?「また」って?
      釣りだよね?
      マジで言ってるなら、ど田舎の後期高齢共産党員レベルだな。

      25
      • 特盛
      • 2024年 11月 18日

      典型的な高齢左翼のナラティブ盛り合わせで草
      流石にネタかな?

      本気だとしたらガチで危機感持ったほうがいいよ
      価値観がWindows98くらいで止まってるから今すぐアップデートしたほうがいいって

      14
      • 航空
      • 2024年 11月 18日

      日本育ちの外人か団塊世代の爺さんなんだろうな〜

      10
    • 58式素人
    • 2024年 11月 17日

    インドには申し訳無い言い方ですが。
    ひたすらに、めんどくさい事になりそうな気がします。

    20
    • A29
    • 2024年 11月 17日

    暴風雨に曝される心配なく空中線整備ができる素晴らしいマストなんで、おめでたい!完成品輸出が理想だけど
    艦輸出のプラス要素となる事を願う

    5
    • きりる
    • 2024年 11月 17日

    あめ型なみ型の換装計画もあるし
    つき型あさひ型も航海レーダーと衛星アンテナ、電子戦機器以外を整理してもいいかも
    まあ費用に見合うほどステルスが向上するか疑問だが

    3
    • 通りすがり
    • 2024年 11月 18日

    可能性の獣( 意味深)

    1
      • daishi
      • 2024年 11月 18日

      インド艦艇統合仕様のUNICORNはBANSHEEですね。

      1
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