Rafaelは2024年10月「トロフィーはソフトウェアのアップグレードで対戦車ミサイルやドローンのトップアタックを防げるようになった」と発表したが、Elbit Systemsも29日「アイアン・フィストがドローンを破壊する映像」を公開して注目を集めている。
参考:Iron Fist
参考:Iron Fist Active Protection System For Armor Can Shoot Down Drones
Elbit Systemsのアイアン・フィストを紹介するページには英語と日本語のパンフレットが用意されている
戦闘車輌向けに開発・実用化されたアクティブ保護システム(APS)は複数あるものの、実戦経験や採用例からいうとイスラエル製一択の状況で「Rafael製のトロフィー」か「Elbit Systems製のアイアン・フィスト」の2択になり、トロフィーはM1A2/SEPv3、Challenger3、Leopard2A8、K2PLに、アイアン・フィストはM2A4E1、Redback、CV90に採用されており、Rafaelは2024年10月「トロフィーはソフトウェアをアップグレードするだけで対戦車ミサイルやドローンのトップアタックを防げるようになった」と発表し、トロフィーがドローンを破壊する様子を公開した。
Elbit SystemsもM2A4E1に採用されたアイアン・フィストの軽量バージョン=Iron Fist Light Decoupled(IF-LD)について「ロケット弾や対戦車ミサイルに対する保護能力を維持したままドローンにも対応できると実証した」と主張し、トップアタックを仕掛けるFPVドローンや徘徊型弾薬にも「IF-LDは対応できる」と示唆していたが、29日にアイアン・フィストがドローンを破壊する様子を公開して注目を集めている。
映像には「アイアン・フィストがFPVドローンや固定翼の小型無人機を無力化する様子」が映っているが、War Zoneは「ドローンが車輌に向かって直線的な水平移動もしくは約45度の角度で飛行しており、真上からのトップアタックに対してどのような効果が見込めるのか不明だ」「ウクライナではもっと急角度からの攻撃が頻繁に行われている」「特にFPVドローンは非常に機動性が高い」「Rafaelが2024年に発表したトロフィーのアップグレードはトップアタックに対する対応力の向上が目的で成功を収めたものの、急角度から接近する脅威について一定の限界がある」と指摘。
さらに「Elbit Systemsがアイアン・フィストの対ドローン能力を実証したことは驚くべきことではないにしても、戦闘車輌をドローン攻撃から保護する能動的・受動的な対策への需要が高まっていると示唆し、まさに現在のトレンドに沿ったものだ。APSが戦闘車輌をドローン攻撃から保護するのに不可欠でないにしても貴重な対抗手段になり得るだろう。これらの要素を加味するとアイアン・フィストのように『ある程度の対ドローン能力を獲得する』という傾向は今後も続く可能性が高い」と述べ、10年かけて100%のものを開発するのではなく「80%でいいので早く供給しろという現在のトレンドを反映している」と言いたいのだろう。
因みに米陸軍はM2A4E1へのIF-LD搭載について「(ただ搭載しただけでは)向かってくる脅威の50%にしか対応できなかった」「そのためElbitとGDはブラッドレーへのIF-LDt統合方法を大幅に変更した」「レーダーや光学センサーといった各要素はオリジナルと異なる方法で統合・調整され、これを制御するソフトウェアも手を加えた」「何年もかけてIF-LDを成熟させ限りなく実戦に近い環境下で脅威の70%に対応できた」と説明しているため、APSの効果は一律ではなく「戦闘車輌への統合能力」に大きく左右されると認識しておくのが妥当だ。
追記:Janesは「防衛省が10式戦車のアップグレードに関する文書を発行した」「この文書はAPSとRWSの取得に焦点を当てている」「未確認ながら防衛省はRafaelのTrophy、Elbit SystemsのIron Fist、RheinmetallのStrikeShieldを検討中していると報じられている」と言及したことがあり、Elbit Systemsのアイアン・フィストを紹介するページには英語と日本語のパンフレットが用意されている。
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※アイキャッチ画像の出典:PEO Ground Combat Systems





















ナゴルノカラバフ戦争~ウクライナ戦争~ガザ戦争などにより、ドローンや無人機の脅威は証明されましたよね。
ウクライナ戦争の映像を見ると1発目の攻撃の後、2発目・3発目といった攻撃が実行されている映像がでてますから、1発目をまず無効化するのは重要だなと感じます。
勘違いをするような書き方をしている気がします。1発目を無効化しても連続攻撃で命中し致命的な損傷を受けるならば、攻撃の1発目を無効化したのは重要では無くなります。
1発命中して致命的にならないケースがあるので、装甲剥離や擱座に繋がる致命的な被弾となる可能性があるドローンは全て無効化すべきでしかないと思います。
書き方、仰る通りですね。
1発目が致命的でなくても、偵察ドローンが追跡して追撃している映像がでていますから、nachteuleさんの仰る内容に同意です。
車輛がすぐその場を離脱したり、被弾後に乗員が退避しても攻撃が続いている映像を見ていると、なんとも難しい時代になりましたね…。
日本は各種対ドローン用システムも各種RWSも、20数年の間に国産開発して量産・配備出来ただろうに。他国の兵器に性能的に劣ろうとも、国産兵器開発を推進してほしい。あと韓国や中国にトルコといった新興国に軍事技術で遅れを取るようになってきた。兵器市場にも政治家の無理解や国内法律のせいで参入が厳しく、輸出も捗らない。10式戦車のアップグレードやその他の兵器開発がうまく行くのか、不安しかない。 皆さんはどう思います?
率直な疑問なんですが、どこと戦う想定をしていますか?
そして隣国が軍拡していくのをニコニコしながらただ黙って見守ってくれる優しい国なんてあると思いますか?
10年位前にミサイル防衛システムを敵基地攻撃能力を持ったイージス・アショアに更新するなんて話もありましたが、謎の力が働いて中止になったじゃないですか
APSはともかく、対ドローンRWSは国産出来ないものか。
近接対空レーダーを持ったRWSは艦艇含め、色々と必要になりそうだし、対ドローン近接防御に用意しておかないと。
AndurilのラッキーパーマーCEO(日本オタク)が、来日時、日本製部品100%でKizunaドローンを作ったと紹介しています。
Anduriは中国政府にテロ組織として指定されて制裁対象のため、中国製の部品を使えず、日本製部品は(アメリカ国内で生産できない部品もあるため)非常に重要と示唆していました。
国産製品・国産部品についての観点、極めて重要ですから、国産化は仰る通り気になる所ですね。
(9:10~11:48 米防衛テック企業は日本を”守る”盾になるか?知られざる日米防衛産業の弱さとは【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】 テレ東bizダイジェスト Youtube)
せっかくなのでこの記事もぜひ
リンク
「米防衛テック・アンドゥリルは、なぜ秋田の未上場モーター会社を選んだのか」
日本にもまだまだ気骨のある社長さんがいるんだなぁと熱くなります
情報ありがとうございます、勉強になります。
リーマンショックの時に、多くの優良企業の決算書・試算表もボロボロになっていき、リストラされていくのを多く見ていました。
あの地獄のような経済環境の中で、スピンオフまでして工場を繋いだ社長さんの根性、粘り強さには胸が熱くなりますね。
陸自の対ドローンはまだ検証中のところですからね
レーザー・HPM・レーダー連動RWSと色々やってるので、そこら辺どうなっていくのか結果待ちという感じ
ただ10式へのRWS/APSの適用がLCC検討段階だと10器材/年の300器材で適用完まで30年想定なのが流石にゆっくり過ぎませんかねとは思いました
せめて新造分(10両前後)+年1個中隊分の25~30機材、適用完までに10年ちょいとかにしないと厳しくないですかと…(;’∀’)
陸自の車両ほとんどの車両にRWSすらついてないの見ると人を大事にしない旧軍じみててガッカリします。
色々事情はあるんでしょうけど予算も増えるんだからこの辺は早急に世界標準に近づけて欲しいですね。
増えた予算はスタンドオフミサイルの在庫確保に積極的に充ててますからね
それの方がRWSより国民の安全に寄与するのも理解できるからなあ
それを言ってしまったら本来はRWS搭載を標準にすべき装備を導入維持するのが国益に繋がっているのか話でもあるんだが?
ただでさえ人手不足の自衛隊が人命軽視とかアホらしくて何も言えないよ自衛隊員は国民ではないの?RWSなんていつでもインテグレート出来るからまず高価な車両を確保すべきとかちょっとズレているとしか。
高価な車両てなんの事?ミサイル発射機の話?
数機のドローンを落とせるかどうかのRWSと到達されれば数十両の装甲戦力と数百のドローンを展開させる揚陸艦を潰す事
どちらが人命を救えるかなんて考えるまでもないと思うが?
AMVXPに付けるって言ってたから、そのうち付くよ
標準でつけないのが普通じゃないか
技術の入れ替わりも速いし予算の関係で後回しだろうね
日本でRWSってそんなに必要(有効)かね?
確かに乗員が身体を晒さずに撃てる利点はあるけど背が高く目立つ上に機材剥き出しで簡単に破壊されてしまう。
AMVに載せるなら装甲化して小型砲塔にした方が正規戦では有用だろうし、装甲化で操作員が守れるなら遠隔操作する必要も無いって話になる。
対ドローン対空CIWSとして使うならAPS積んだ方が効果的ってなりそうで、日本の運用環境ではいまいちコスパが悪いんじゃないかな。
日本国内で防衛用途と考えると優先すべきものは他に沢山ありますよね。PKO的な場合は付いてて欲しいですが。
ドローンが遊弋する戦場では地形の起伏を利用した伏撃戦術等は意味を失うと思います。
陸自要求で既存製品を活用し次の研究が行われています。
RWSに関しては「遊弋型UAV対処器材」として研究が行われています。PROTECTOR社の RS6とセンサーを組み合わせる形で10式戦車や装軌戦闘車両への搭載を検討・評価するようです。
APSはRPG等対戦車擲弾とトップアタック誘導弾等を主な迎撃対象にした近接防護用で記事にある3種ですが、有効距離が短く遊弋ドローン排除には適さないでしょう。
でも2〜3発で飽和攻撃になるんでしょう?
宇露の戦争を見てみると、陸戦の方向性はドローンとスタンドオフ兵器の撃ち合いに終始して、湾岸以来の装甲戦力は対応できずに歩兵戦に戻っていった訳だし、今のところ日本のスタンドオフ兵器への力の入れ方は間違ってなかったんじゃないかとは思う。
というか、欧州は地続きで本邦は島国という戦略上の決定的違いがあるんで、本土侵攻の蓋然性は極めて低いとの長期的情勢判断下において、南西諸島への侵攻抑止の観点からスタンドオフ兵器と長距離反撃兵器を優先するのは元から正しいと思います。
ドローン絡みでは「多層的沿岸防衛体制(SHIELD)の構築」を優先するほうが、APSやRWSより抑止力強化に資するんじゃないですかね。(APSやRWSが不要ということではありません)
結局ウクライナで示されたドローンによる戦場の支配に対して、一番相性が悪い装甲戦力側の復権は何時になるんだろうか。
ブラッドレー搭載アイアンフィストIF-LDの即応弾が1両に付き4発で対戦車ロケット/対戦車ミサイル/無反動砲弾対応にドローンが加わった感じだが弾数が微妙な感じ。1Lペットボトルサイズの迎撃弾撃ち出すみたいだけど低速兵器に対しては威力的に過剰な感じがするし、将来的にマルチに使えてドローン迎撃も想定しているFN MTL-30用の30x45mm、5.56mm対ドローン弾Brave1、12番ゲージ対ドローン弾AD-LERみたいな小型で数が搭載出来る迎撃弾を併用か変更するような流れは必要じゃないだろうか。
そもそもラジコン部品ガチ勢の中華さんに付け焼き刃の対応しても数で押し切られるだけになりそう
相手のゲームに付き合うのは悪手だと思うんだよな
どうせこの手の装備はお安くないし
日本に必要なのは相討ち上等の殺意でしょ
陸海空ともスタンドオフ増し増しで中露が嫌がるなら今の方向でいいのでは
日本の場合、優先順位は最下位に近いと思う。結局は島へのハシゴの掛け合い、外し合いに終始するのだろうから島内での陸戦はネットリとした塹壕戦になるのでは?
軽歩兵用のドローン対策が重要だと思う。
アイアンフィストって4発までしか飛んでくる脅威を排除できないけど、どうも少なく思えて仕方ない
作動したらひたすら逃げろって事なんだろうけど
ランチャーを改造して弾数倍にしたりしないのかな
自分達で仮想するところの「ドローンの使い方」に対して幾らメーカーが有効だと自称した所で、ウクライナ以降もどんどん高度になるだろうドローン戦術に対してあっさり陳腐化するだろう。ましてや仮想敵をドローン戦で優位を得たロシアや供給源の中国に設定するなら尚更。時代は技術と共に進化する。
先ずは歩兵や砲兵がドローンを導入して、少数の教導部隊だけでもロシア並みの技量を定着させた上で、機甲側の教導部隊と模擬戦やらせれば良いだろう。戦車側とドローン側双方の戦術深化に繋がるし。