中東系メディアは「中国仲介の下、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーンは戦略海域の安全を確保するため合同海軍部隊結成の協議を始めた」と報じていたが、イラン海軍司令官も「合同海軍部隊結成への動き」は事実であると認めた。
参考:Navy Commander: Iran, Saudi Arabia, UAE, Oman to Form Joint Naval Force
参考:Iran, Saudi Arabia, UAE and Oman to form a joint navy
参考:UAE withdraws from US-led maritime coalition
米国主導の第150合同任務部隊と役割りがかぶる中国仲介の合同海軍部隊
複数の中東系メディアはカタールメディア(Al-Jadid)を引用する形で「中国仲介の下、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーンは戦略海域の安全を確保するため合同海軍部隊結成の協議を始めた」と報じていたが、イラン海軍司令官のシャハラム・イラニ少将も合同海軍部隊結成への動きは事実であると認めて注目を集めている。
イラニ少将は「北インド洋地域のほぼ全ての国がイラン側の立場を支持し、共同で安全を確保すべきだという理解に至った。この取り組みにはサウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、バーレーン、イラク、パキスタン、インドなどが含まれる」と述べており、もし中国仲介で湾岸海域の安全を確保する合同海軍部隊が誕生すると米国主導の第150合同任務部隊(Combined Task Force 150)と役割りがかぶるため、中東地域に対する米国の影響力は低下するだろう。
因みにアラブ首長国連邦は5月末「米国主導の第150合同任務部隊に今後は参加しない」と発表、これについて米海軍は「合同任務部隊への作戦参加は各国によってレベルが異なり、アラブ首長国連邦は依然としてCTFのパートナー国だ」と説明しているが、中国仲介の合同海軍部隊の話とタイミングが一致するため興味深い動きだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Mohammad Sadegh Heydari/CC BY 4.0
このところ西側の斜陽とグローバルサウスの隆盛が著しいですねぇ
とは言え西側もやられっぱなしで居るわけも無く、
スーダンにロシア海軍基地できる前に内線突入したように、これも軌道に乗る前に水面下での工作妨害入るんでしょうね
サウジ・イラン主導による湾岸諸国、インド・パキスタン加えた海軍同盟はペルシア湾地域安定化に徹底的な役割果たしますね。
英米による破壊工作、不和煽動、軍事介入する余地を大いになくせるでしょう。アメリカは早速” 地域安定化を壊す不条理な措置だ!”と意味不明な声明を発表しましたね。5月のブリンケンに続き、6月はサリバンも送り込んで阻止するつもりのようだ。
シーア派スンニ派同士では煽動されるからこそ、仲介国中国を介しての交渉を進めるのでしょうね。各国とも海軍力強くないから52D駆逐艦販売、中国合同海軍演習の話も出ていますね
こうなると米欧・日本等は中東の石油資源を中国に握られたとも取れる状況だが、大丈夫なのか?
どうも中国はこの様な間接的アプローチで、ウクライナ侵攻中のロシアを支援しつつ世界覇権を握ろうとしている様にも見えるが……
「ロシアを支援」と言っても、値引きされた安価な天然資源の爆買いが中心です(インドも同じ)。
中国はウクライナ侵攻によって米露の影響力が低下した地域に対して色々と工作しています。
先日は中央アジアサミットを西安で開催しましたし、中国は機を見るに敏ですね。
アメリカの研究者によれば大丈夫であるとのことです
根拠は、アメリカは中東に大規模な軍事力を駐屯させることが出来るが、中国には難しいからとのことです
その見方には賛成出来ません
幾ら米国に大規模な軍事力を駐屯させる能力が有っても、駐屯先の国が駐屯を拒否する事態になれば無意味だからです
中国はそれを狙ってなのか、ペルシャ湾岸沿いの中東諸国全部を巻き込む形で合同海軍部隊を作ろうとしていますね
>駐屯先の国が駐屯を拒否する事態になれば無意味
当該国への駐屯が米国にとって重要な権益であれば力づくでも認めさせますよ。かつてはそうでした。反米を掲げたイラクやアフガンの末路を見ればわかるでしょう。しかし今はもはや重要でないってこと。オバマ時代に米国は世界の警察をやめ、トランプ時代にグローバリズムをやめ、バイデン時代で既に世界のリーダーをやめています。中国はその空白に顔を突っ込んだだけでしかありません。
中国がかつてのアメリカのように中東の覇権を握れるかは微妙です。自己満足の「冊封ごっこ」は出来ても、力をつける中東諸国が独自路線に走り出したらどうしようもありません。それを防ぐには原子力を搭載した空母打撃軍をホルムズ海峡へ派遣できるようにしなければなりませんが、そのためにはまずアジアとインド太平洋を支配下に置かないといけません。米研究者の認識はある意味正しいです。
中東では中国が着々と影響力を高めていますね。イランはどう考えてもアメリカか中国かと言ったら中国を選ぶでしょう。サウジアラビアなどはこれからどう動くのでしょうか?ウクライナ侵略では制裁には参加しなかったものの数億ドルを支援していましたね。日本としては産油国である彼らとは仲良くしたいですが、台湾問題を始め中国の国際関係はこれからも要注意ですね。
アメリカは世界有数の石油産油国なのだからネオコンが下火になりISILがほぼ壊滅した今中東にちょっかいを出す理由も無いでしょう。それだったら中国が外交で無く軍事力で周りを威圧しまくってる東・東南アジアの国々に力を貸して欲しいですね。ここには書かれてませんがウクライナでドローンで名を挙げたトルコとイランと犬猿の仲のイスラエル、中東の二大軍事大国はどうするのでしょうね。
サウジアラビアとイランが仲良しこよしになれるとは思えない
アメリカ主導のCTF-150,151,152の対抗馬だけど取って代わるのは無理だろう
サウジアラビアやUAEにとってはイスラエル問題などもありもとより全面的に信用できないアメリカに対する保険
中国にとってはアメリカの影響力縮小と石油輸入の安全保障を兼ねた策といった所かな
組合せが何とも。
中国は、火中の栗を拾いに行っているとしか、思えない。
中東戦争以外にまとまらない組合せだが、後はどうするのだろう?
中東ではアメリカこそが国際秩序の破壊者なので、中国からしたら狙い目ではあるんですよね
第9回国連緊急特別総会決議にも、国連安保理決議497にも反してゴラン高原併合承認してるので
決して仲が良いとは言えない各国を、中国がどうやって同じテーブルに着かせたのかは気になるところです
イランは前から中国と関係が良好で中国依存が鮮明でした。
サウジは記者殺害でアメリカとの関係が拗れているのと、国際社会が脱炭素に移りつつあるので、石油以外の事業を開拓するために中国へ接近しています。
サウジとイランは欧米を頼れなかったので中国に頼っている状態です。
中国が自ら火中の栗を拾いに行ったというよりは、3ヶ国(サウジ・イラン・中国)の利害がちょうど一致しただけかと。
中国を冬型にさせて困るのはサウジとイランですし。
誤字訂正
✕ 中国を冬型にさせて困るのはサウジとイランですし。
◯ 中国を不愉快にさせて困るのはサウジとイランですし。
アメリカがそうであったように覇権を夢見る国は必然的に火中の栗を拾いに行かざるを得ません。今は中東に国々にとってはアメリカが疎ましいから中国になびいてますが、アメリカのプレゼンスが完全に無くなったら今度は中国が疎ましくなります(ムスリムにとって不道徳な酒を飲み、不浄な豚を食う人間は受け入れられません)。その時に宗主国ずらして威圧しても軍事的裏付けがなければ「脱中国化」されて終わりです。中国空母を世界展開できなければどうしようもありません。
中東も一枚岩ではないため中国ロシアへの接近一辺倒ではないだろうが、アフガンやサウジアラビアでのバイデン政権の失策もあってアメリカはこの地域での影響力を衰退させている。極右化が進みパレスチナ人や周辺国との衝突を繰り返すイスラエルも不安定化要因だ。
日本の安定した生活を支えているのはこの地域で採掘される石油・エネルギー資源だ。これ以上不安定化しないことを望む。
西側とイスラエルの関係からして、中東諸国が西側信用しないのは当然なのが難しいんですよね…
イスラエルはロシアと同じく国連緊急総会で非難決議出された国なのに、イスラエルとは西側はズブズブ、ロシアには制裁な訳で
そんな状態で国際秩序を掲げても、当然響かない
イスラエルがゴラン高原から撤退するまで制裁するとかすれば、中東諸国から西側への信頼得られるんですかねぇ
パクス・アメリカーナはすでに終わったので不安定化は必至です。中東諸国が工業化して台頭すれば石油を安く買いたたくのも難しくなるでしょう。幸か不幸か日本は挙国一致で脱炭素に邁進しているのでそれが打開策になるかもしれません。
アメリカはシェールガス革命で中東への関心がめっちゃ減ったな
再生可能エネルギーの普及やそろそろ核融合が見えてきたのもあるし重視しなくなったんだろう
日本みたいな資源輸入国は本来なら再生可能エネルギーは特に力を入れてしかるべきなんだが何故か対応が遅い…
石油関連助成金に7兆円も費やすくらいなら、その金で日本海側に風力発電風車を設置すればよかったのにと思います。
収益は低いが単独採算が取れる環境なのに産業振興にもならず使い切りの補助金ばら撒き政策を実行。
原子力発電の推進派は、日本国内で使用される燃料用ウラン原料鉱石にロシア産やカザフスタン産も含まれ化石燃料と同様に輸入に頼らざるを得ず、ウラン鉱石を採掘する重機や輸送管理、精錬に化石資源と高給な技術者を必要とし、高低レベル放射性廃棄物の処分に莫大な費用と場所と途方もない年月がかかる事に目を瞑り、口を閉ざし、短期的な電気を求めて不都合は貧しい地域に押し付けたい姿勢。
静岡県にある浜岡原発が事故を起こせば、首都機能と東海道は壊滅的な被害を受けて福島県とは比べ物にならない影響を受ける覚悟で全国で原発を再稼働させたいのでしょうか。
鳥取県の人形峠の国内ウラン鉱石採掘場がどうなって、今だに地域の除染が終息して無い現実を見て考え直して欲しいですね。
結局、燃やしてガスと湯沸かし蒸気でタービン回して発電するより単純確実で制御できる大規模発電技術を人類は持っていないんですよね。
大都市圏は、我慢すれば良いのに我慢をしない、する気も無い、金は有る電気をよこせと傲慢すぎではなかろうか?
アメリカの中東への影響力は、見るも無残な結果になってきているけど、
アフガニスタン、イラク、シリア、ウクライナと、地球の反対側で無責任に火遊びした結果だから、
因果応報としか言いようがない。
台湾有事を見据えた場合、インドの立ち位置はウクライナ戦争と同じ中立だと考えれば、
中国の懸案事項であるエネルギー供給は、おおよそ解決の見通しが立ったといえるでしょう。
つまり、台湾有事が1歩近づいたという意味で、日本にとってはバッドニュース。
そして、ロシアがウクライナの穀倉地帯を手に入れて、食糧供給にも目途が立った時が危なそうだな。
スーパーパワーが居なくなって合従連衡が崩壊、各国で小競り合いが始まるってのは歴史が証明してますからね。
中東諸国が本気でアメリカを排除しにきてるのかどうか…むしろ中東に関心を向けろとアメリカに警告を出してる感じもします。
アメリカの代わりを中国がになって欲しいとは彼らも考えないでしょ。