中東アフリカ関連

イランが本格的な報復を開始、イスラエルに100発規模の弾道ミサイルを発射

イスラエル国防軍は13日午後9時「イランのミサイル攻撃を検出した」「通知があるまで民間人はシェルターの中に留まってほしい」と発表、攻撃規模について情報が錯綜しているものの「100発規模」の弾道ミサイルがイスラエルに向けて発射された可能性が高い。

参考:Sirens triggered across Israel as dozens of Iranian missiles said heading toward country

イランからイスラエルに向けて推定100発の弾道ミサイルが発射された

イスラエル国防軍は13日午後9時「イランのミサイル攻撃を検出した」「通知があるまで民間人はシェルターの中に留まってほしい」と発表、Times of Israelも「大規模な弾道ミサイルの攻撃を受けてイスラエル全土にサイレンが鳴り響いている」「軍当局者によればイランからイスラエルに向けて推定100発の弾道ミサイルが発射された」「イスラエル国防軍は数十発のミサイルが発射された」「テルアビブ方面でミサイルが着弾したとみられる煙があがっている」「イランメディアは数百発の弾道ミサイルをイスラエルに向けて発射したと報じている」と報告。

まだ情報が錯綜しているため正確な攻撃規模は不明だが、ネタニヤフ首相は「イランのミサイルはここに到達するだろうし、その結果も軽微なものにはならないだろう。だからこそ攻撃の手を緩めてはならない。我々は長期戦に備えている」「閣僚に提示された最も可能性の高いシナリオは『イランが段階的に計600発の弾道ミサイルをイスラエルに向けて発射する』というものだ」と述べ、13日の攻撃成功に対する陶酔感を警鐘を鳴らした。

因みにイスラエル国防軍は「ミサイルの着弾場所を映した映像や写真を公開しないで欲しい」「敵は攻撃能力を向上させるためネット上に投稿される映像が画像を監視している」と国民に呼びかけている。

追記:イスラエル国防軍は「イランの攻撃が続いている」「イスラエルに向けたさらに数十発のミサイルを発射した」と発表した。

通信:6月13日にテルアビブ上空でイランの弾道ミサイルを迎撃する様子を捉えたAP通信の写真が、さらに弾道ミサイルが降り注ぐ映像や、テルアビブ中心部に弾道ミサイルが着弾したことを示唆する画像も登場。

追記:Times of Israelはイランが発射した弾道ミサイルの規模について「約200発(イスラエル国防軍は約150発と発表)」と報じ、カッツ国防相は「イランが軍事目標ではなく民間人が居住する地域に弾道ミサイルを発射したのは一線を越える行為だ」「この代償を確実に支払わせる」と述べた。

追記:Jerusalem Postは「イランがイスラエルに向けて3回目のミサイル発射を準備している」と報じた。

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※アイキャッチ画像の出典:IMA Media

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コメント

  • コメント (11)

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    • paxai
    • 2025年 6月 14日

    指揮系統がボロボロで偵察不十分だろうし万全の準備を整えてる所に撃ち込んでもなあ。

    10
    • イーロンマスク
    • 2025年 6月 14日

    >「イランが軍事目標ではなく民間人が居住する地域に弾道ミサイルを発射したのは一線を越える行為だ」

    おまえが言うな

    115
    • ななし
    • 2025年 6月 14日

    自分からしかけておきながら被害者ぶるなよ?
    他国の政府・軍の首脳を◯しておいて相手が引き下がると
    考えていたのだろうか?理解できませんな

    イランはもう全面戦争突入だろうし、イスラエルも
    そのつもりで仕掛けたんだろう?
    行きつくとこまでいく可能性出てきたわ

    58
    • 古銭
    • 2025年 6月 14日

    今回の報復攻撃に対する迎撃にどれだけの国家が協力するのかは気になるところです。

    9
    • もへもへ
    • 2025年 6月 14日

    この程度の報復はイスラエルにとっては痛くも痒くもないでしょうし、さらなる追加のイラン攻撃に口実が出来るだけでしょ。
    ネタニヤフ政権の大博打は大成功で、長年の不倶戴天の敵国を一撃で核開発能力と上層部、大規模報復能力を根こそぎ奪ったんだからもう英雄でしょ。
    対ハマス戦の長期化で軍や国民から強い反発が出てた政権ですが、この成功で反発を消しされる。

    次はイランの体制そのもののを転覆させて国家を崩壊させるべく、発電所や石油施設、インフラへの徹底攻撃を行えばただでさえ厳しいイラン経済は崩壊しイランという国家を崩壊させることができる。
    そうすればイスラエルだけでなく周辺のサウジ筆頭に反イラン国家もアメリカもハッピー。

    25
    • 神田明(仮名)
    • 2025年 6月 14日

    >イスラエルに100発規模の弾道ミサイルを発射

    昨年10月の攻撃は約180発でした。
    現在のイランの能力では一度に百数十発が限度なのでしょう!
    でも、その程度ではイスラエルは大きなダメージを負わない。

    4
    • ななし
    • 2025年 6月 14日

    イランの損害は甚大ですが、これで敵と「妥協の余地はない」
    と確信させてしまったでしょう。

    これは後戻りできない状況にイランを追い込む最悪の
    悪手です。敵がこれで屈服すると見越した作戦ならば、逆効果。
    逆に全面戦争やむなしと敵国の国民世論を追い込んでしまった

    イランの自制がどこまで続くか、、、

    20
    • hoge
    • 2025年 6月 14日

    重要な事実はイランにはイスラエルの防空システムを突破できる投射力が依然として存在し
    そして核施設を先制攻撃された側であり正当な報復のカードが手元にあるってこと
    別に熱核爆弾ではなくダーティーボムでもいいわけだ……
    ここが瀬戸際ですね
    適当な仲介者があらわれるか、イランがヘタレないと終わり

    16
    • kitty
    • 2025年 6月 14日

    北海道でミサイル訓練するのに市民団体から、反対があったってニュースを見ました。
    北朝鮮のミサイル対策で高射部隊が展開する時(要は実戦)も事細かに報道しますし、我が国はマインドセットが戦争から遠すぎる。

    10
    • FAB
    • 2025年 6月 14日

    ドローンもミサイルも大量に備蓄してんだろうけど実戦経験に乏しく運用は未熟かな。
    ロシアのようにドローンと巡行ミサイルと弾道ミサイルをミックスさせて防空を複雑化させないとほとんど封じられる。

    1
    • ノーテイスト
    • 2025年 6月 14日

    仮にイランが効果的な反撃が出来ず、泣き寝入りに近い状態で今後もイスラエルの追加攻撃を受け続けたとしても、当時国を含む全世界に肯定的な未来をもたらす事は無いと断言します。ナチスの電撃戦、大日本帝国の真珠湾奇襲、いずれも「見事」でしたが、単に世界大戦の口火を切っただけでした。今回はイスラエルのバックのアメリカ合衆国が余りにも強大なので全く同じルートにはならないかも知れませんが、このまま被害側が永遠に沈黙している事は有り得ません。政変も呼びかけている様ですが、矢張り何らかの工作で種は撒いてあるのでしょうか?もし日本が北なり中国なりに同じ行為をされて、果たして我慢出来るのか?そんな民意不在のドサクサと外国の工作交じりの政変で生まれた政府が国民を幸福にすると本気で思えるのか?これがアメリカ陣営の正体です。

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