Reutersは「トランプ政権がサウジアラビアにF-35を最大48機売却することを検討している」と報じていたが、Axiosも15日「イスラエル当局はサウジへのF-35売却に反対していない」と報じ、F-35売却に関して幾つかの条件を満たすよう要求しているらしい。
参考:Scoop: Israel wants Trump to condition F-35 sale to Saudi Arabia on Israel normalization
参考:Drones and Mass Salvo Attacks: Lessons Learned from the American Defense of Israel
恐らく今月18日に予定されているムハンマド皇太子との会談で「アブラハム合意への署名」と「F-35売却」が発表される可能性は低い
トランプ大統領は今年5月にサウジアラビアを訪問して「総額6,000億ドルの対米投資」と「約1,420億ドルの武器販売」に関する覚書に署名し、Reutersは「ホワイトハウスの説明にF-35売却に関する情報は含まれていないものの、この協議に詳しい関係者は両国がF-35売却の可能性について協議した」と、イスラエルメディアも「米国とサウジが歴史的な武器取引に署名した」「両国の協議にはF-35売却の可能性も含まれている」と報じていた。

出典:The White House
約1,420億ドルの武器パッケージに何が含まれるのかは明かされておらず「F-15EXを200機購入する」「MQ-9Bを200機購入する」といった噂が登場したが、Reutersは4日「トランプ政権がサウジアラビアにF-35を最大48機売却することを検討している」「国防総省はサウジアラビアへの売却を既に承認している」と報じたものの、イスラエルに保証している質的軍事優位性=Qualitative Military Edgeとの兼ね合いが最大の障害で、今月18日に予定されているムハンマド皇太子との会談でF-35売却を発表できるかどうかは「イスラエルが売却を承認するかどうか」にかかっている。
この件についてAxiosは15日「ムハンマド皇太子との会談ではF-35売却、二ヶ国間の安全保障協定、イスラエルとの国交正常化などが主要議題になるだろう」「イスラエル当局はサウジへのF-35売却に反対していない」と報じたが、イスラエル当局は幾つかの条件を満たすよう要求しているらしい。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Matthew Arachik
イスラエル当局はトルコのF-35プログラム復帰に強く反対しているものの、サウジへのF-35売却については「米国が外交的な成果を得ずにF-35売却のみを実行するのは間違い」「アブラハム合意への署名と引き換えなら大きな懸念はない」と説明しており、Axiosは「F-35がサウジからイスラエルまで到達するのに最短数分しかかからない」「そのためイスラエルはサウジ西部の空軍基地にF-35を配備しないことを要求する可能性が高い」と指摘している。
恐らく今月18日に予定されているムハンマド皇太子との会談で「アブラハム合意への署名」と「F-35売却」が発表される可能性は低く、イスラエルとの国交正常化に向けた交渉再開を発表するのが現実的なラインで、これに合意できれば「サウジへのF-35売却」は現実味を増すだろう。

出典:Foreign Policy Research Institute
因みに外交政策研究所が今月7日に発表した報告書(ドローンと一斉攻撃:米国によるイスラエル防衛から学ぶ教訓)の中で「米英の戦闘機がイランのShahed型無人機を発見して迎撃するのは非常に困難だった」「旧型のAIM-9MはShahed型無人機迎撃において効果的ではなかった」「但し、イスラエル空軍だけはAIM-9Mのシーカーに変更を加えて相当な成功を収めた」「イスラエルはシーカーに加えた技術的変更について同盟国だけなく米国とも情報を共有していない」と指摘、どうして米英の戦闘機がShahed型無人機の迎撃が困難かについて以下のように述べている。
“AN/APG-82を搭載するF-15Eは機械式スキャンレーダーを搭載するタイフーンよりも空域捜索や情報処理に優れており、4月13日夜に投入されたF-15Eは空域の脅威を適切に検出したものの、問題は高速走行する自動車並のスピードで低空を飛行するShahed型無人機だった。これが道路上空を飛んでいるとレーダーのみで「車輌なのか無人機なのか」を区別することが困難で、電子光学センサーや赤外線センサーで脅威が何なのかを識別しなければならない”

出典:U.S. Air National Guard photo by Airman 1st Class Sarah Stalder Lundgren
“F-15Eはスナイパーポッドを搭載していたため、レーダーで怪しい脅威を検出し、スナイパーポッドの赤外線センサーで目標を識別することができたが、この作業は「最低安全高度を大幅に下回る高度」かつ「予算削減の影響で機能しなくなった地形追従レーダーポッドを装着した状態」で行わなければならず、暗視ゴーグルを装着した状況でのミサイル発射はパイロットの視覚を一定時間奪うため、視覚が回復するまで計器飛行に切り替えることを余儀なくされた”
“イスラエル空軍はShahed型無人機の迎撃において「もっと先進的なアプローチ」を採用していたため、イスラエル空軍は同じ周波数で米空軍と英空軍が交信することを許可しなかった。イスラエル空軍が採用していた戦術について詳しい情報がないものの、F-35で無人機の位置を特定し、機械式スキャンレーダーを搭載するF-15とF-16はF-35の弾薬庫として機能したらしい。さらに米空軍のように空対空ミサイルを無闇に使用せず、F-35と地上レーダーの情報を共有しているAH-64が機関砲やロケット弾でShahed型無人機の迎撃を行った”

出典:Israel Defense Forces
“さらに米空軍のShahed型無人機迎撃においてAIM-9Mの迎撃は効果的でなかったが、イスラエル空軍だけはAIM-9Mのシーカーに変更を加えて相当な成功を収めた。イスラエルはシーカーに加えた技術的変更について同盟国だけなく米国とも情報を共有しておらず、最新のAIM-9Xではなく旧式のAIM-9Mを使用するメリットは価格が安価な点だ”
イスラエル国防軍がAH-64を使用して効果的にイランの無人機を迎撃したという評価は複数登場しており、外交政策研究所の報告もこれを裏付けている格好で、イスラエルが新たにAH-64Eを追加調達するのも迎撃コストと守備範囲の広さが要因だと思われるが、AH-64によるShahed型無人機の迎撃は単独で機能するものではないため「イスラエル軍の手法」を真似るのは時間がかかるだろう。
関連記事:トランプ政権がサウジアラビアへのF-35売却を検討中、国防総省は売却を承認
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Zachary Rufus





















アメリカにあれだけ無茶苦茶な要求しておきながら、自分はアメリカにそこまで協力してないのか…
和平問題でアメリカをイラつかせておきながら、今回もいろいろ言うとか…
立場的にはそういうものなのだろうけど、アメリカの感情等にもうちょっと配慮しないとだめじゃないかな…
イスラエル好嫌は置いておいて、やっぱり別格、実戦の重要性を感じます。
(日本も同様ですが)サウジアラビア目線で見れば、面倒くさい事にクビ突っ込みたくないでしょうし、ガザ復興の財布=難民受入の過剰負担させられたくないでしょうからね。
戦闘機を売るにあたって、イスラエルの承認が必要って本当にアメリカはイスラエルの属国だな
意見を聞いたり裏では承認を求めるのとは、次元が違う
ということは、アメリカを操るイスラエルが、世界最強国家ということか。
さすがユダヤ。
ユダヤの陰謀論が決してなくならない理由
イスラエルがAIM-9Mでは困難なシャヘド無人機の撃墜に手を加えることで成功したとありますが、熱赤外線の閾値を通常の設定からシャヘドの発する熱線の帯域に変更したのでしょうか?
物体としての検出は前方展開したF-35で行いシューティング部分は改良したサイドワインダー積んだ僚機のF-15,16に任せたのなら、そこはイスラエル空軍が流石としか言いようがないです。
話はズレますが米空軍がF-35Aの初期取得の機体のアップグレードをしないで使い潰すことにしたそうですね。
まあF-22でもそうしたのはありましたが。
次は一発20ドルのAAMとか開発要求されたり。
イスラに打撃通すならどうするかな
自分なら可潜の装甲USVでの自爆
UUVでの機雷封鎖
得意とする空戦は挑まない
あと水源地と淡水化プラントの破壊、発電所も
その後陸戦の泥試合を仕掛けたら
まあキチだから核使ってくるだろうな
海上の多い日本だと必然的にドローンが大型化して発見しやすくなりそうですね。
UH-2に91式かドアガンで対抗できそう
『敵国や敵船から』飛んでくるならそこそこ大きいでしょうね。
懸念すべきは領海内にいる民間船舶のフリをした工作船や、国内に潜んでるスリーパーセルが用いるであろう暗殺任務やインフラ破壊用のドローンかと。
陸地に近い対馬や北海道北部が普通サイズでも飛ばせそうですけどね>ドローン
ステルス機が高度なセンサーで探知し、積載量に優れた非ステルス機がシュートする・・・うーん、この教本のような理想的な運用方法。
サウジのF-35調達機数はフーシや他の仮想敵国に対して多いのか少ないのか。
ロシアとウクの戦争をみると
多種多様なミサイルと無人機+ダミーの攻撃に
高価なミサイルで迎撃してるのを見て割りが合わず
槍には槍しかないのかと思っていたら
イスラエルは
ちゃんと費用効果を計算して迎撃していたとは驚き
ヘリの機関砲とロケットで迎撃できるならジリ貧にならないかも
すげーなイスラエル