イスラエル国防省は29日「高出力レーザーを使用して敵の脅威を破壊することに成功した」「今回配備されたレーザーシステムは『より強力なIron Beamシステムを補完するもの』で今年中に引き渡される」と発表、現地メディアも「この新しいシステムはIron Beamの低出力版だった」と報じている。
参考:Israel Ministry of Defense
参考:IDF reveals it used laser system to intercept dozens of Hezbollah drones last year
参考:Israel has used ‘high-power lasers’ to down ‘scores’ of threats to homeland
現在のドローン問題をレーザーシステムだけで解決すると思わない方がいい
イスラエル国防省は2020年8月「弾道コースで飛翔する脅威、対戦車ミサイル、小型航空機を迎撃するための高出力レーザー開発を可能にするブレイクスルーを達成した」「この画期的な成果を受けて国防省はRafaelやElbit Systemsと共同で高出力レーザーのデモンストレーター開発を開始する」と発表、このシステムはIron Beamと呼ばれており、2022年4月のテストでドローン、ロケット弾、迫撃砲弾、対戦車ミサイルを迎撃することに成功し、当時のベネット首相は「年内にIron Beamを配備する」と述べたものの、Rafaelは「100kwのシステムを実戦配備するには2年~3年はかかる」と予想。
מפא”ת במשרד הביטחון, חיל האוויר וחברת רפאל חושפים: במהלך מלחמת ׳חרבות ברזל׳ בוצעו לראשונה עשרות יירוטים בעזרת מערכות הלייזר.
להמשך קריאה: https://t.co/DiKtu3WBqS pic.twitter.com/hVesXSv57A
— משרד הביטחון (@MoDIsrael) May 28, 2025
2023年10月に始まったハマスとの戦争中、国防省とRafaelは「ロケット弾の集中砲火下でテストするためのガザ地区と南部国境地域にIron Beamを配備する」と述べていたが、国防省は29日「高出力レーザーを使用して敵の脅威を破壊することに成功した」「今回配備されたレーザーシステムはRafaelの製品で、より強力なIron Beamシステムを補完するものになり、今年中に国防軍へ引き渡される予定だ」と発表して注目を集めている。
イスラエルメディア=Times of Israelは「2024年にヒズボラと軍事衝突した際、空軍は新型レーザーシステムを使用して敵が発射したドローン数十機を迎撃したと国防省が明かした」「この戦闘で使用された新しいシステムはIron Beamの低出力版だった」と報じ、War Zoneは「Iron Beamと低出力版の違いは不明」「最終形態のIron Beamはトレーラーに搭載され、過去の報道では100kw~150kwの固体レーザーを発射すると説明されていた」「防空用のレーザー開発と配備は多くの国にとって長年の課題だった」「従来システムと比較してレーザーの利点は明白だ」と指摘。
Israel has successfully tested the new “Iron Beam” laser interception system.
This is the world’s first energy-based weapons system that uses a laser to shoot down incoming UAVs, rockets & mortars at a cost of $3.50 per shot.
It may sound like science fiction, but it’s real. pic.twitter.com/nRXFoYTjIU
— Naftali Bennett נפתלי בנט (@naftalibennett) April 14, 2022
ドローン、ロケット弾、迫撃砲弾との交戦で有効性を証明してきたIron Domeの迎撃コストは1回5万ドル(最低見積もりの1つ)と言われているが、Iron Beamの迎撃コストは1回3.5ドルとベネット首相が発言、最近の報告では1回の迎撃コストは2.5ドルまで値下がりしており、物理的な迎撃弾を用意する必要性がないという点は「多数の脅威」と長期間交戦する上で非常に有利だが、レーザーシステムには技術的限界があるため従来の防空システムを置き換える存在にはなれない。
レーザーシステムの連続照射能力は発生する熱を冷却しなければならないため制限があり、さらに分厚い雲や悪天候下では設計通りの性能を発揮できず、このプログラムを主導しているロテム准将も「レーザーシステムは電源に接続している間は弾切れを起こす心配はないものの撃ち落とせるは目視できる標的だけ」と述べているため、War Zoneは「この種のレーザーシステムは拠点防衛向きの兵器で、射程も短いため広範囲をカバーするには複数のシステムが必要になる」「そのためIron BeamはIron Domeなどの既存システムを置き換えるものではない」「従来システムの能力を補完するシステムだ」と指摘している。

出典:Israel Ministry of Defense
イスラエルは天候の影響を受けないようするため無人機にレーザーシステムを搭載し、上空でドローンやロケット弾と交戦することも研究しているが、こうなると限られた発電能力がネックになるため一長一短で、現在のドローン問題をレーザーシステムだけで解決すると思わない方がいい。
個人的には開発に大金を必要としない成熟した技術=機関砲とEO/IRの組み合わせで良いと思うのだが、、、駄目なのだろうか?
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※アイキャッチ画像の出典:Israel Ministry of Defense





















>機関砲とEO/IRの組み合わせ
ドローン相手には、ミサイルも機関砲もレーザーも「使える物は全部使う」って考えなのでは
レーザーって1門じゃ1機しか落とせないので、レーザーで複数のドローンを迎撃しようと思ったら、レーザーのハリネズミみたいになるんですかね?
砲弾だと中に散弾を入れて、複数のドローンを一気に落とすことも出来ますけど、外れた散弾はどうなる問題はありますし…
どっちにも一長一短はあるので「組み合わせて最高」を目指すのが目標でしょうかね
と言うわけで、日本もレーザーだけでなく、87式自走高射機関砲の後継を(ry
機関砲はSSKP(1発撃った時の撃墜確率)が低すぎるせいでドローン相手には弾が足りないんですな
距離によって変動するけど、対空機関砲のSSKPは概ね0.1~0.01…つまり1機撃墜するのに近距離で10発、遠距離なら100発撃たないといけない
基本はこのSSKPを基準に、N発撃つ → 撃墜したか確認 → (同じ目標か別の目標に切り替えて)N発撃つ → 確認…の繰り返し。つまり最初の1発で撃墜出来ても”節約”ができない(一応節約する射撃法はある)
特にドローンは超低空で接近するうえに小型だから、SSKPは更に低下する
一方レーザーは命中率がはほぼ100%で、重要になるのは「目標を破壊または無力化するのに必要なエネルギー量と時間」だから、命中率によってエネルギーの使用量は殆ど変わらないし、撃墜したらその時点で照射を止めてエネルギーを”節約”できる
あと環境や目標によってエネルギー量は変動するものの、”撃墜できる数”の見積もりが対空砲よりも比較的正確なのもメリットですね
発熱問題は数を揃えることで対応できますかね
機関砲でカバーしてもいいですし
やっぱ西側だとイスラエルが一番真面目に対応しますね
確かにレーザー自体をエフェクターにする意味は割と疑問だわ。
例えばApkwsみたいなレーザー誘導ロケットでも交戦の過程自体はあんまり変わらないと思う。
レーザーの熱でドローンの外装が溶けるまでの時間とロケットが直撃するまでの時間も見る限り
ほぼ同じ。
天候により強くて安定するのはロケットだし同時交戦数も同じく1。
コストが安いというメリットがある…とされているけどレーザーガン自体のコストは高い。
元がとれるまで何機のドローンを撃ち落とせばいい?って考えたらApkwsでいいと思うんだよね。
レーザー砲それだけでは不足と思います。施設の数とそのお値段について特に。
よその記事の孫引きですが、
米空軍で、有人機のF15/16にAPKWSの7発入りポッドを
吊ってUAV迎撃するのを実験しているそうです。
F16の場合は4個のポッドで28発のAPKWSを携行し.
F15の場合は6個のポッドで42発のAPKWSを携行するそうです。
他にAAMを何発か携行するそうです。これは有望か?、と思います。
ロシアはシャヘドを100発/日を量産し、300発/日とする予想ですし。
記事は、Defense Expressb 2025年5月26日にあります。
駄目、というか足りないから各国研究開発してるんでしょう。
釈迦に説法とは思いますが、経空脅威を機関砲で迎撃なんて速度差せいぜい数十倍ですから、EO-IRで位置速度がどんなに正確に把握できても数km先の目標に届く頃には数十mから数百m移動してますし、今時の脅威側は先の記事でも書いてらした様に高度上げたり下げたり不規則な加速蛇行バレルロール程度の回避行動はとりますから、迎撃側は範囲と連射で「計算されたまぐれ当たり」を狙うしかなく、弾の消費量は跳ね上がります。
弾の生産輸送備蓄に各国が苦労してるのも散々記事にされてる通りですので、どんどん高度かつ安価になるUAVに機関砲だけで対抗するのは限界があるということでしょう。
「この新しいシステムはIron Beamの低出力版だった」
射程はどのくらいだったのでしょう。
どこかの動画(場所忘失)を見ましたが、標的は固定翼の推進式プロペラ機でした。
と言うことは、飛行高度は〜200mくらいなのかしら。
M2重機の射程範囲なのかな。
防衛装備庁が開発してるのは車載型で10kwのレーザーは、射程は1.2kmと公開していますね。艦載や拠点防衛を想定してるっぽい100kwのは40ftコンテナ二つのサイズで、どうやら10kwレーザーを10個束ねて100kwにするそうです。
よその記事の孫引きになりますが。
Stew Magnuson 記者の2025-1-29の記事
「Israel’s Iron Beam Set For Historic Deployment」
イスラエルのラファエル社も同じことを言っていた、と思います。
アイアンビームの要約記事では。曰く。
”基本原理はシンプル。
硬貨と同じくらいの断面の細いビームを、
数百本合わせて、標的の1点に集中する。
これまでは、強力な1本のビームで標的を破壊しようと考えがち。
それでは大気で散乱されて減衰してしまう。”
とありました。
技術的にはまだいくつかの課題があり。
とにかく繊細なシステムだというのが、1番のネックでしょうかね。
振動厳禁ですから、最大の敵は周辺を走行する味方の戦車かもしれません。
防空は多層的なレイヤーを作るのが理想的ですし、コストなどの問題が解決されるなら機関砲もレーザーも両方配備する感じかなーと
見通し範囲については高出力化とフラックタワーみたいに高所配置すればある程度は…
高所配置と電力確保、という点では電力インフラ、特に山間部の送電設備の防衛用途には向いてる気がしますね。
兵站の心配がほぼ要らないし、よっぽど電気使っても設備がっつり壊されるよりはマシでしょう。
>撃ち落とせるは目視できる標的だけ
そこは、反射衛星的な手法で、有効範囲の拡張を目指して欲しい。
そして撃たれた側は、「こんなこともあろうかと」な感じのセリフを残しつつ、カウンターを決めて欲しい。
射程は数kmくらい、対空機関砲よりも長いくらいでしょうか?
ドローン・無人機などの飽和攻撃に対して、どういった回答になるのか興味深く感じます。
レーザーは直進しか出来ないし雲で乱反射しちゃうので制限が多いんですよね
なのであくまで現状では補助的な対空兵器で終わりそう
テスト動画を見ると小さなドローン相手でも結構長く追尾照射しないと撃墜出来てない
レーザー兵器が実戦化時期には攻撃対象側も下地に反射系塗料を塗るとか表層にアブレーション素材を塗るとかの
比較的低廉な対策で撃破までの時間はさらに延びそうなので、数十機程度の攻撃で飽和撃破されてしまいそう
産業用レーザーと違って破壊目的なので、乱暴なことを言えば、パワーで焼き切る思想なんだなと思います。
おっしゃる通り反射率の高い塗料を塗れば防御効果は上がりますが、反射率が高い=可視光に対しても反射率が高くなるので、今度は地球で最も普及しているアイボールセンサーMk1に見つかりやすくなります。
正直イタチごっこではありますね。
おっしゃる通り外装塗料を反射材にすると視認性が増しますので下地に使用する事を想定しています
視認性の低い色彩のアブレーション素材で時間を稼ぎつつ蒸発しきったら反射塗料がまた構造材への被害を幾分なりとも遅らせる構想です
ファランクスだとたしか弾薬交換に時間がかかったような?実弾でスウォーム攻撃に耐えられるシステムがなかなか難しいのだろう
自分はドローンを狩るドローンしか手はないと思っている
AIドローンはそう遠い話では無さそうだし