Wall Street Journalは19日「トランプ政権がイスラエルに対する60億ドル相当の武器売却計画を進めている」と、Times of Israelも「これは孤立を深めるイスラエルへの新たな支持だ」と報じ、このパッケージにはAH-64E×30機や歩兵戦闘車輌×3,200輌が含まれている。
参考:U.S. Plans $6 Billion in New Arms Sales to Israel
参考:Trump seeking congressional approval to sell $6 billion in weapons to Israel
イスラエルのAH-64追加取得は「無人機を迎撃するのに攻撃ヘリは有効だ」と強く示唆している
イスラエルはガザ地区の停戦案を協議するためカタールに集まっていたハマス代表団をミサイルで攻撃、さらにガザ市占領を目指してガザ地区に対する作戦を拡大し、これまでイスラエルを擁護してきた欧州諸国も強く非難するだけでなく「イスラエルとの武器取引禁止」や「欧州で開催される武器見本市へのアクセス禁止」を打ち出しているにも関わらず、イスラエル国防軍は19日「ガザ地区を前例のない規模で攻撃する」と予告した。

出典:Israel Defense Forces
さらにWall Street Journalも「トランプ政権がイスラエルに対する武器売却(60億ドル相当)の承認を議会に求めている。この売却計画はカタールのハマスに対するミサイル攻撃、ガザ地区での作戦拡大が強い非難を浴びるにも関わらず進展している」と、Times of Israelも「60億ドル相当の武器売却はハマスとの戦いを通じて孤立を深めるイスラエルへの新たな支持だ」と報じている。
トランプ政権が進めている武器売却パッケージの中身も非常に印象的で、WSJは「AH-64E×30機(38億ドル相当)、歩兵戦闘車輌×3,200輌(19億ドル相当)、装甲兵員輸送車や支援部品(7.5億ドル相当)が含まれる」「この武器の納品には最低でも2~3年はかかる」と報じており、特にイスラエルがAH-64Eの保有数を倍増させるのは「イランの無人機を迎撃するのに有効だ」と認識しているためだろう。

出典:Israel Defense Forces
攻撃ヘリの将来性や有効性については賛否が別れているものの、今のところ欧州諸国の中で「攻撃ヘリの廃止」を打ち出した国はなく、AH-64を保有する国は無人機と協調能力を強化したV6バージョンへのアップグレードを、オーストラリアやポーランドはAH-64Eの新規取得を進めており、ドローン戦争を経験しているロシア人コミュニティでも「攻撃ヘリ不要論」は登場しておらず、イスラエルと同様に「無人機を迎撃するのに有効だ」という認識だ。
ギリシャ軍も「イスラエル国防軍がAH-64Eを使用して効果的にイランの無人機を迎撃した」と評価して「攻撃ヘリを対ドローン戦に使用する戦術」に関心を示しており、イスラエルのAH-64追加取得も「無人機を迎撃するのに攻撃ヘリは有効だ」と強く示唆している。
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※アイキャッチ画像の出典:Israel Defense Forces





















イスラエル🇮🇱はお金があっていいですね。
トランプ♥️さんもニッコリ😄
イスラエル「代金はアメリカのイスラエル軍事援助予算から出しておいてね」
(マジでこのパターンの予感がする)
孤立を深めるイスラエルと、そりゃ当然孤立するとしか言いようもないが目的達成の為には手段は問わないを地で行っておりアメリカ以外は距離を取り始めている状況で紛争の落とし所はどうするつもりなんだろうか。
ずさんな調達で攻撃ヘリの更新に失敗した事を誤魔化すかの様に、廃止を決定した防衛省・陸幕はどう考えているのだろうか
ほんとイスラエルへの支援は即断即決ですな
そしてトランプ大統領は台湾への4億ドルの軍事支援パッケージを承認しませんでした。
トランプ政権で一番勢力が弱いのは対中強硬のネオコンなのでしょうか。
アメリカも孤立しかけてるからセーフ
なんかこのまま無人機一強になるかと思ってたけどそうでも無いんですね
やっぱり何でも古いのが駄目って訳でも無くて色々な手段の組み合わせが重要なんですねぇ
無人機を迎撃する無人機が普及するまでは安泰なのか
無人機を迎撃する無人攻撃ヘリが出てきそう
攻撃ヘリで無人機を撃墜ってどうもイメージが沸かないんだが
チェーンガンで落とすのかスティンガーミサイルで落とすのか
地上車両と比べて機動力が桁違いだから向いてるって事なのかな
攻撃ヘリでドローンを撃墜なんて苦肉の策でしか無いのにそれが出来るから有効とか言ってもね
冷静に考えても今じゃ100億近くするAH-64で1回の飛行でドローン数機落としても整備の手間まで考えると全く割に合わないのは分かりきってる訳で
有りものを使うのは当然有効でしょうけど、新しく調達するならCOIN機と比べてどうなんですかね。あとは対テロ戦(という名前のイジメ・殺戮も含む)でも有用ですけど、そこもCOIN機と被りますし。
空飛ぶ砲兵として本気で装甲戦力をぶん殴る戦闘にこれ以上力入れる意義は薄いと思うのですが、それでも調達するならやはりヘリであることが重要なのかなあ。
自爆無人機対策ならソッピース・キャメルでも出来るかと。要は「赤トンボで神風」なんですから。
今後、ヘリパイロットの再就職先は重大な問題になると思います。民間の送電線監視も物質輸送もドローン化しつつありますから。1930年代の騎兵だな。
シャヘドの速度が200kmくらというのを考えれば、ヘリの方が速度も合わせやすいというのもあるのかなと。
無人機が増えすぎて、一周回ってヘリが防空の要になるとは、非常に興味深い変化ですね。
イスラエルは、アメリカの宗主国みたいになっているわけですが…
アメリカの世界戦略として、イスラエルが中東・北アフリカ・東地中海・紅海の要衝に影響力を与えつつ、有事には兵力・基地・補給拠点を提供できるので不可欠なんでしょうね。
いやシンプルに国民の4人に1人いる福音派(パレスチナでユダヤ人国家がハルマゲドンで滅亡するとキリストが再臨して自分たちが救われるという日本人からみたらカルトとしか思えない連中。預言の成就にはパレスチナにユダヤ人国家が存在する必要がある)の影響力が高すぎるんだよ。単純計算で共和党支持層の半分だからね。ユダヤ人の影響力とか言われるけど福音派に比べたら大した事ない。
イスラエルからすれば自分たちが滅亡するのを望んでいる人たちに助けられてる形だが(悔い改めてキリスト教徒になれば救われるらしいが)、こちらはこちらで生き残るためには何でも利用する国だから。イラン・イラク戦争では敵の敵は味方理論に忠実にイランを支援してたし。
そもそもシェールで世界最大級の産油国に返り咲いた米国にとって、中東の価値は失われつつある。
だからこそサウジは中国の仲介でイランと国交を回復した。
ヘグセスとかヴァンスは中東どころか欧州の防衛にも消極的だし、紅海を脅かすフーシ派への空爆も「なんで欧州人のために我々の金を使わなきゃならないんだ」なんて言ってたくらいだ。
よく言われるオイルダラー論も、福音派はアメリカ人が堕落した元凶と見なしている。福音派は勤勉と蓄財を美徳とするカルヴァン派の流れが強いからね。
福音派その話の先がありまして。
イスラエル・ユダヤロビーが、福音派へのアプローチを継続的に狙ってやってきた成果が、大きく発揮されたというわけです。
>米国のイスラエル・ロビーの中核は今もユダヤ系組織だが、そのユダヤ系組織の一部はこの10年ほどの間に、米政府および議会へのロビー活動に関し福音派との連携を強めてきた。
>歴代イスラエル政府は自国への支持増大のため米国ユダヤ社会だけでなく、イスラエル支持の傾向が強いキリスト教徒にもアプローチしてきた。
(立山良司 福音派ロビーの台頭 ―エルサレム問題にみるイスラエル・ロビーの変化 ユダヤ・イスラエル研究 第32号(2018))
無人機迎撃に攻撃ヘリが有効とは興味深いですね。ただ近年の攻撃ヘリは高価すぎますからこのあたりをどうするかでしょうね。