米国の代表的な防空システム「パトリオット」は、なぜサウジアラビアの石油施設への攻撃が防げなかったのか?ロシアはパトリオットシステムの低効率性をその要因に挙げた。
参考:US Patriots Couldn’t Repel Attack on Saudi Oil Facilities Due to Low Efficiency – Russian MoD Source
サウジ石油施設攻撃で漁夫の利を得た韓国防衛産業
サウジアラビアの石油施設への攻撃は、無人機と巡航ミサイルによって引き起こされた可能性が高いと見られているが、米国製の防空システム「パトリオット」は、なぜこの攻撃を防ぐことができなかったのか?
ロシア国防省の関係者は今回の攻撃について、サウジアラビアには大量のパトリオットシステムが配備されていたにも関わらず、無人機と巡航ミサイルはこの防空網をすり抜けることに成功したことは、米国製防空システム(イージスシステムやパトリオットシステム)の仕様が、実際の性能を反映していない証拠だとし、米国製の防空システムは「(ロシア製防空システムに比べ)効率が悪い」と酷評した。
イスラエルのミサイル防衛機構の元局長によれば、パトリオットシステムのレーダーは地平線よりも下を移動する目標を「検知」し「捕捉」することが不得意=不可能に近いと指摘し、今回のように地表を這うような小型兵器による攻撃に対し、まるで効果がないと語った。

出典: Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 96K6 パーンツィリ-S1(NATOコードネーム:SA-22)
このような防空システムの隙間を狙ってくる攻撃に対応するには、決して高価で複雑なシステムは必要なく、赤外線を探知し目標を捕捉するロシアの「96K6 パーンツィリ-S1(NATOコードネーム:SA-22)」のような兵器が有効だとされている。
このSA-22とは、機関砲と短距離対空ミサイルを組み合わせた近距離対空防空システムで、複合防空システム(機関砲とミサイルを搭載している=複合という意味)とも呼ばれており、主な特徴としては目標を捕捉するためのセンサーに、レーダーと赤外線探知の両方を採用し、地平線上から接近してくる目標に対してはレーダーで、水平線下から接近してくる目標に対した赤外線探知で、目標を捕捉することが出来る点だ。
そのため、今回のような攻撃=地平線よりも下を移動する目標に対して、非常に有効な防空戦闘を展開できた可能性が高いと言える。
最近、サウジアラビアのサルマン皇太子は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に電話で直接、石油施設を守るための防空システム強化のため協力を要請し、この事実について国内外の多くのメディアが報じているが、日本メディアは、韓国がロシアの技術(S-300やS-400に使用されたレーダー技術)を導入して開発した防空システム「天弓」にサウジアラビアが目をつけたのではないか?と報道しているが、これは正しくないと管理人は思っている。
きっとサウジアラビアが韓国を選択したのは、西側で唯一、ロシアの「SA-22」に良く似た複合防空システム「K-30 SAM」を開発し、現在も生産ラインが稼働中で、複合防空システムを「緊急調達」することが出来る、唯一の国だからという理由だからだろう。
これ以外の選択肢になると、現実的には輸出実績と実戦経験のあるロシアの「SA-22」しかないが、S-400を導入したトルコの例もあり、ロシア兵器導入を嫌う米国に配慮した苦渋の決断とも言える。
韓国の複合防空システム「K-30 SAM」は、現在、インド軍の短距離防空兵器システム導入プログラムの導入候補に挙げられ、ロシアのSA-22と採用枠をかけて争っており、韓国に協力を要請したサウジアラビアも、このような事例を参考にした可能性がある。
上記で書いたように、複合防空システム自体は高度で複雑な兵器システムではないので、今回の攻撃を教訓に米国や欧州でも複合防空システムの開発が行われるだろうが、現時点で調達可能なのはロシアの「SA-22」か、韓国の「K-30 SAM」しかなく、直ぐに対応策が欲しいサウジアラビアにとっては、韓国一択というわけだ。
韓国にとっては、完全に漁夫の利であり、今後、サウジアラビアが韓国を頼ってきたことを大きくアピールして「K-30 SAM」の販促を行うことは目に見えている。
※アイキャッチ画像の出典:public domain K-30 SAM
CIWS を米陸軍が採用してませんでしたか?
とりあえずこれでしょう。
次案してアイアンドームでしょう。
サウジアラビアはお金もちなんですから、CIWSなどの近接防御火器を車両搭載して防空させれば良い。その前に警戒監視網を見直す必要があると思われる。
中国軍もドローンを大量に持ってるから自衛隊もこの分野の対策を急がないとダメだな
導入されたとして、そう遠くないうちに実戦で評価される事になるわけだけど
延坪島砲撃事件の時のK-9みたいに化けの皮剥がれなきゃいいけどね…
小型兵器の低空侵入対策、という市場を西側で押さえていてアメリカから文句が出ないのが韓国しかない、というところにすっぽりハマった感じですが、コンバットプルーブはこれからなので韓国がどれだけサウジで経験を積めるか、が勝負ですね。
アメリカもコールDDG爆破事件以降cheap kill問題は課題なので、韓国との軍事同盟の中で情報収集するでしょうし、防空システムの補完はこれからも続くでしょう
安い既製品の方が効果的なんだろうが、エンジニアの端くれとしてはバルーンレーダーで常時監視とかやって欲しいなぁ
どの道地上レーダー型のシステムは欠点が露呈したから空との連携は必須になるでしょう
話は飛ぶがイージスアショア、巡航ミサイルやドローンの飽和攻撃には弱そうだなぁ
固定目標ってのは攻撃する側は絶対楽だわ
対空自走砲と云えば。
我が陸上自衛隊にも61式 ないし 74式戦車ベースの35mm2連装機関砲搭載の対空自走砲が在った筈。
高価過ぎて早期に調達打ち切りになったと聞いてます。
あれって今回の騒ぎに有効性って在るのか知らん?
古過ぎるかな。
本当はイスラエルのアイアンドームがほしいんだろうが、さすがにこれはちょっと。
この程度の防御システムは少し金をかければいくらでもなんとかなりそうなのに。
あいつらにそんな技術あるわけねーだろw
その話自体がまた捏造記事なのかもしれんが。
よそから買った防空システムでもあんの?
87式自走高射機関砲に91式携帯地対空誘導弾を付けるくらいは、やってもらいたい。
できれば、16式機動戦闘車の車体に35mm機関砲と対空ミサイルを組合せた物を装備してもらいたい。
ああ~飛虎ね、飛虎
現代大戦略で遊んでるとこいつが結構ウザいんだよな
そう言えば、こいつをいつものように名品武器とか言って輸出ニダ~とかあまり聞かないね
古いから韓国人も興味ないのかね、ミーハーだね
別に装甲車ベースでなくても、中古のハンヴィーにスティンガー積めば、取り敢えずアベンジャーみたいなのが安上がりで出来そうですけど。
ドローン相手には質より量だろうし…。
金満サウジには余計なお世話かも知れないけど。
こういうの古いのが微妙に役に立ったりしますよね。
かといって日本がラインを残すにはまた微妙という塩梅。しかしKorea製が役に立ちますかねぇ?。
K-30、K-31(こっちはミサイルを搭載)
射程は3㎞、レーダーも3㎞程度、単一ターゲットのみ
エンリコのL-90(昔々に廃止)相当かな?
そもそも言えば、K-30/31のレーダーも地表近くのターゲットの補足は無理では?
でもって、相手もバカではないから、同じ兵器でも飽和攻撃、別の兵器での攻撃をするでしょう。
このK-30/31は全ての防空兵器を突破された場合のCIWS的な、かつ、超・旧式の兵器
エリコン、な