米国に亡命したイラン人ジャーナリストのBabak Taghvaee氏は「ロシアとイランが1月中に2ヶ国の安全保障協定に署名し100億ドル規模の武器調達を行う」と報告しており、幾つかの海外メディアもこれを取り上げ始めている。
参考:Russian/Iranian defense agreement for Su-35 and more, to be signed soon
イランにS-400が配備されると米軍のF-22やF-35はこれを避けて飛ぶ必要があり、イスラエルにとってもショッキングな話だ
情報の出処が不明なため真偽の程は不明だが、Babak Taghvaee氏の報告によるとロシアとイランは1月中に二ヶ国間の安全保障協定(協定期間は20年)に署名する予定で100億ドル/約1.2兆円規模の武器調達には24機のSu-35、2セット分のS-400、軍事衛星(通信衛星なのか偵察衛星なのかは不明)、保有するMiG-29とSu-24の寿命延長+オーバーホールが含まれており、予定通り協定に署名が行われるとイラン空軍のパイロット(MiG-29、F-4E、F-14Aを操縦していた30人)はロシアに派遣され2月から訓練を始めるらしい。
#BREAKING: By mid-January 2022, #Iran & #Russia will sign a 20 years security & defense agreement through which #Iran will procure over $10 billion USD of weapons including a military satellite, at-least 24 Su-35SE (ex-#Egypt Air Force), 2 S-400 SAM batterries & etc. pic.twitter.com/NmnCKp0ZO2
— Babak Taghvaee – Μπάπακ Τακβαίε – بابک تقوایی (@BabakTaghvaee) December 25, 2021
さらに興味深いのはイランが調達するSu-35が2022年半ばまでに引き渡されるという点で、これはエジプト空軍向けに製造していたSu-35をイラン空軍に引き渡すことで実現するとBabak Taghvaee氏は報告している。
つまりエジプト空軍は計30機のSu-35をロシアに発注して2020年に6機の引き渡しを受けたが、米国がSu-35をこれ以上入手すると対ロシア制裁(敵対者に対する制裁措置法/CAATSA)を発動して1,300輌以上保有しているM1A1、200機以上保有しているF-16C/D、46機保有しているAH-64D/Eの維持に支障を来すと圧力を加えており、ロシア国内で準備が整っている12機(+2021年にエジプト空軍向けのSu-35を10機製造していいる)の引き渡しを延期している。
既にエジプトは発注済みのSu-35に関して代金を支払い終わっているため引き渡しが永遠に延期されてもロシア的に損失はないのだが、エジプト空軍が30機分のSu-35運用を始めてくれないとスペアパーツの供給や技術的なサポートの提供を通じて発生するロシア分の利益も永遠に支払われないので「エジプトはロシアに未納入分のSu-35を転売する許可を与えた」とBabak Taghvaee氏は報告しており、イラン人パイロットは訓練さえ済めば直ぐにでもSu-35を祖国に持ち帰ることができるらしい。
As a part of the $ 10 billion USD arm deal of #Iran & #Russia, Russians will also perform life-time extentsion and overhaul of 23 MiG-29 jets & 25 Su-24MK strike bombers of #IranianAirForce in #Iran. An overhaul center is already constructed in #Mehrabad airport for that purpose. pic.twitter.com/df8IicLQKP
— Babak Taghvaee – Μπάπακ Τακβαίε – بابک تقوایی (@BabakTaghvaee) December 25, 2021
因みにMiG-29とSu-24の寿命延長+オーバーホールを行う施設がメヘラーバード国際空港の敷地内に建設中で、ロシアに支払われる代金の大半は原油で賄われる。
果たしてBabak Taghvaee氏が報告した通りロシアとイランの歴史的な取り引きが1月中に成立するのか見ものだが、イランにS-400が配備されると米軍のF-22やF-35はこれを避けて飛ぶ必要があり、イランの核施設を空爆で破壊することを計画しているイスラエルにとってもショッキングな話だ。
関連記事:F-16を200機以上保有するエジプト、ラファールやSu-35を同時並行で導入する理由
※アイキャッチ画像の出典:public domain Su-35
イランの各種米軍機もいよいよ引退開始かな、
F-14を中古価格で売ってくれないかなと思ったが
送金手段が限られるし、購入したら今後のアメリカへの入国に支障がでるかも。
後、エジプトはSu-35の保管管理費をロシアに支払っているのかな?
エジプトからイランに移転した際の帳簿上の処理が気になる。
使わないならスクラップ価格で良いのでは?
なんとなく元サヤに戻った感がある。
ついにトムキャットも引導を渡されるんですねぇ…
対してトムクルーズは現役でまだ飛んでんのが驚き
トムキャットは残ると思う。
F-4等のさらに旧式な機体が沢山ある。
Su-35は現在のイラン空軍機より遥かに高性能だろうけど、24機だけでは一部しか更新できない。
そのトムクルーズもトムキャットからスパホに乗り換えですね
せっかく米EUイランの三者が譲歩しあえるいい流れに核合意を持ってこれているのに、ここに来て米国が譲れないような揺さぶりをかけてくるとは…。トランプ大統領の核合意ちゃぶ台返しの事をとやかく言えないですねこれは。
まぁ、米国の脱中東の流れが出来上がってしまっている以上今からイランが何やっても戦争になるような事はまずなく、イランの核の標的になる欧州には中東地域への単独での派兵能力(あるいは政治的な調整力)自体がないとなれば、制裁解除させたうえで軍備増強してイスラエルの攻撃に対抗していくという発想は分かりますが…。軍事的にはともかく長年の経済制裁でイラン国内の民間セクターや医療関係のインフラは逼迫している訳で、本当に呆れるばかりです。
とはいえまぁ、イランが米国のくびきから解き放たれたとして標的にするのは湾岸諸国やその先にいるイスラエルでしょうから外野として特に言うべきこともないですね。特に近隣諸国への定期的な武力行使が何故か国際的に黙認されているイスラエルなどは、米国なしの中東で仇敵と同じ檻の中に入って身の振り方を学んでほしいという気もしますね。
米の融和路線の匂わせを受けての、イスラエルがUAEやアラブ諸国との関係改善という間合いを詰めてきたので、米との握手とイスラエルからの爆撃を天秤にかけての外交ですかね
制裁で逼迫してる医薬品などの、煽りを受ける人々への同情は心の底から同意です。
これ自体はロシアの一手だろうけど、CAATSAが完全に米国外交の足枷になっている。
今月合意予定じゃ時間が無さ過ぎるし、米国とイランの状況もそこまで進展してないから、代替提案も出来ない。
大統領令で実施してた制裁をトランプ時代に法制化してしまったのは、議会の意思ではあるが核合意離脱と併せて本当に失策だと思う。
しかし、キリストを殺して一旦は散らされたイスラエルを、欧米のキリスト教諸国が支持するのはナチスの反動があるにしても正直不思議に思う。米国内だと福音派の支持があるとのことだが、福音派なら本来イスラエルを地上から抹殺すべき位のことは主張すべきなんじゃないのか?
福音派のイスラエル支持は創世記第18章8節による
「わたしは、あなたが滞在しているこのカナンのすべての土地を、あなたとその子孫に、永久の所有地として与える。わたしは彼らの神となる。」
神がアブラハムにこう告げたため、聖書を重視する福音派はアブラハムの子孫ユダヤ人のカナンの地(イスラエル)保持を当然のこととする
創世記18章じゃなくて17章だった…
アメリカの法律が結果的には宿敵イランを利する、ロシアを儲けさせるの愚かな構図にアメリカ人はそろそろ気がつくべき
アメリカの圧倒的優位を前提とした政策はもはや通用しないよ。
福音派の正体はよく判らんが、実態は単なる保守的なレイシストで、アメリカでの強いユダヤ人勢力におもねることで何らかの利益を得ていると予想してる