軍事的報道

自律的に7,300km飛行可能!中国、ステルス無人輸送機「FL-2」の存在を公表

中国は偵察や攻撃用途のステルス無人機開発に成功し、今度はステルス無人輸送機「FL-2」の存在を明らかにした。

参考:China develops flying wing-designed stealth transport drone

中国は開発中のステルス無人輸送機「FL-2」を公表

中国の中天引控科技股份有限公司(Zhong Tian Guide Control Technology Co Ltd)は10月24日、西安市で開催中の技術博覧会に開発中のステルス無人輸送機「FL-2」を展示し話題を呼んでいる。

公開されたFL-2は、米海軍が開発(その後開発中止)を行っていたステルス無人攻撃機「X-47B ペガサス」のデザインに、V字型の垂直尾翼を取り付けたような格好をしており、2基のターボファンエンジンを搭載し、最大離陸重量22トン(搭載貨物は約6トン)、最大速度900km/h、巡航速度600~780km/h、最大航続距離7,300km(フェリー時なのか貨物搭載時なのかは不明)という仕様だ。

要するに、このFL-2は戦術輸送機に分類され、7,300km(無給油時)離れた場所に約6トンの貨物を、自律的な亜音速飛行で輸送することができ、しかも「ステルス」と「無人機(自律飛行)」の能力を備えているため、既存の輸送機よりも敵に見つかる可能性が低いため生存性が高く、リスクが非常に高い空域への輸送任務で撃墜されることがあったとしても、人的損耗はなく輸送機(と搭載貨物)を失うだけで済む。

このような全翼機に近い機体は、空気抵抗が少なく、貨物を搭載するスペースを広くとることができるため輸送機としては理想的な形状と言えるかもしれないが、中天引控によれば、この機体は、まだ概念設計の段階で実機は影も形も存在していない。

但し、このFL-2は中国軍次世代輸送機の「未来」だと呼ばれており、FL-2に掛かる期待は大きい。

そのため、ただの技術実証機だけで終わらない可能性が高く、中国特有の猛烈な開発体制なら数年後、このステルス無人攻撃機が空を飛んでいたとしても何ら不思議ではない。

ただ、約6トンというFL-2の貨物搭載量は、標準的な戦術輸送機の貨物搭載量と比べると約半分以下なので「このままの仕様」で実用化された場合、輸送機としての価値はあまり高いとは言えず、どちらかと言えば機体のステルス性能を生かした「特殊」な輸送任務ぐらいでしか役に立たないという点を留意しておくべきだ。

 

※アイキャッチ画像の出典:icholakov / stock.adobe.com

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    いやこれ爆撃機見据えてるでしょう
    対外的に刺激しないために輸送機と言ってるだけで

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    アメリカが開発中の艦載型無人偵察機MQ-25/空中給油機RAQ-25のうち、RAQ-25の給油用搭載燃料が6.8トンの目標なので、FL-2とペイロードは同じくらいですが航続距離などはまだ未確定ですね。
    MQ-25シリーズはステルス性はスコープ外ですし、燃料と貨物では求められる要素が異なりますが似たような規模のものを飛ばす想定で考えているようです。

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    無人爆撃機の世界初の爆撃地はプログラム誤作動により東京か北京に…。

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    用途が判らない。
    前線への物資の輸送?
    当然ながら制圧できてないから飛行場は無いから、物資を投下するだけ?
    もっと高尚な目的がある機体なの?

    • みゆ
    • 2019年 10月 28日

    これ貨物じゃなくて爆弾だったらやばそうじゃない?絨毯爆撃だけど

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    搭載した荷物をどうやって降ろすつもりなんだろうか
    B-58みたいにポッドに入れて投下するつもりなんだろうか?
    それとも片道飛行が前提なんだろうか?

    • 匿名
    • 2019年 10月 29日

    アメリカが構想中の高脅威下での輸送や空中給油を行うステルス輸送機KC-Zに対抗して
    とりあえずでっち上げた感はありますね…

    • oominoomi
    • 2019年 10月 29日

    7300kmなら日本から東へ飛べばバンクーバーやシアトル、西ならモスクワまで届いてしまう距離です。
    シーハンターがようやく西海岸からハワイまでの自律航行に成功した、と言ってアメリカでは喜んでいるとこなのに、幾ら何でもこれはかっ飛ばし過ぎと思います。
    科学技術で世界最先端を行く国が、ハッキングで技術を盗んだり、合弁企業を作らせて技術移転を強要する必要はないはずであり、アメリカの水準を大きく越える話は眉唾物です。
    ただ日本はこの分野で研究に着手したばかりであり、米中に大きく遅れをとっていることは事実です。
    何とか挽回を期して欲しいものです。

    • 匿名
    • 2019年 11月 02日

    全翼機が機内スペースが大きいのはそうだろうけども、輸送機としてはその機内スペースを活用しようとすると重量バランスやら荷の安定やら面倒なことになるはず
    となると中心線付近にのみ積載となるが、機体の大きさから見た積載効率は寧ろ通常の輸送機より悪くなって搭載量が少ないってのはそういうことなんじゃないかな

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