軍事的報道

中国初の強襲揚陸艦「075型」が進水、驚異的な建造速度で米海軍を追い上げ

9月25日午前9時、中国海軍初の強襲揚陸艦「075型」が、建造が行われていた上海のドックで進水式を行った。

参考:重磅!我国两栖攻击舰首舰下水

ワスプ級強襲揚陸艦並、中国初となる強襲揚陸艦「075型」が進水

中国は米海軍のワスプ級強襲揚陸艦(満水排水量約40,000トン)と比べても遜色のない大型強襲揚陸艦「075型」1番艦の進水式が上海のドックで行われたと中国メディアが9月25日、一斉に報道を始めた。

中国海軍によれば通常、軍艦は進水式と同時に艦名の発表が行われるが、強襲揚陸艦「075型」1番艦の艦名は伏せられたままだ。

この艦は全長250m、全幅30m、速力23ノット、米国のエア・クッション型揚陸艇をコピーしたような「726型エア・クッション型揚陸艇」を3隻搭載し、1900人の海兵隊員の収容が可能で、約30機程度の回転翼機を搭載できるが、米海軍の強襲揚陸艦と決定的に異なるのは、中国には、この強襲揚陸艦に搭載可能なSTOVL型の戦闘機が無いということだ。

ただし、F-35BのようなSTOVL型ステルス戦闘機の開発も噂されており、将来的には米国の強襲揚陸艦のようにSTOVL型の固定翼機の運用まで視野にいれた設計を施している可能性が高い。

この強襲揚陸艦「075型」は1番艦を含め3隻が発注されていると言われており、衛星写真の解析から2番艦の建造が始まっていることが確認されている。

中国海軍は強襲揚陸艦以外にも、米海軍のサン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦によく似た2万5000トンクラスの「071型揚陸艦」を6隻保有しており7番艦と8番艦も建造中で、この驚異的な速度で拡張を続ける水陸両用戦力を運用するため中国軍は現在、中国版海兵隊にあたる「中国人民解放軍海軍陸戦隊」の規模を2万人から10万人規模まで増やそうとしている最中だ。

とにかく強襲揚陸艦「075型」の1番艦は、今年3月に中国のネットで初めて建造中の画像が出回ったばかりで、8月末にSNS上にアップされた画像では沢山の足場や、塗装の終わっていない艦体が確認できたのだが、その1ヶ月後に進水式を行うという猛烈な建造スピードが印象的だ。

西側レベルに追いついたとされる中国版イージス艦「055型ミサイル駆逐艦」は、今年4月に行われた中国海軍設立70周年を記念した観艦式で、初めて公式に公開されたばかりだ、2018年から2019年にかけて5番艦まで計4隻が進水(1番艦だけでは2017年に進水)し、計8隻の1次発注分が年内に全て進水しても不思議ではないスピードで量産されている。

出典:星海军事 / CC BY-SA 3.0 055型駆逐艦のイメージ

米国、ワシントンD.C.に拠点に置く戦略国際問題研究所(CSIS)は、中国人民解放軍海軍(以下、中国海軍)が、既に戦闘艦の総数において、米海軍の287隻を上回る、300隻もの艦艇を保有し、世界最大の海軍へ変貌を遂げていると結論づけた。

現在、中国海軍は、ドイツ、インド、スペイン、イギリスが保有する艦艇の合計よりも、多くの艦艇を保有しているが、この300隻の「質」に関して言えば、まだ問題も多い。

ここ数年で50隻以上も建造した「056型コルベット(1,300トン)」は、中国の沿岸地域で主に対潜任務を行うことを目的に建造された艦艇だ。やや大きめな「054型ミサイル・フリゲート(3,450トン)」は、外洋での航洋性は向上したが、複数の艦艇で構成される艦隊の防空面で貢献できるほどの性能はない。

中国海軍が保有する艦艇の約1/3を、この様な艦艇が占めているのが現実だが、強襲揚陸艦「075型」やミサイル駆逐艦「055型」の建造で見せている猛烈な建造スピードが、今後も維持されるのなら、量だけでなく質の面においても、米海軍を追い越すのは時間の問題だ。

もはや中国海軍を「二流」扱いすることは不可能で、世界でもトップクラスの能力と規模を兼ね備え、アジア最強の海洋国家と呼ばれる日も近い。

 

※アイキャッチ画像の出典:龙龑之ツイート

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 9月 25日

    2020年代には原子力空母の就航はほぼ確実で30年代には戦力化してるだろう。もっとも艦載機の戦力化がそうスムーズに行くのか疑問は残るが
    今はだいぶ大人しいが空母打撃群が数ユニットできた暁には確実に日本近海をウロついて圧力をかけてくるんだろうな

    • 匿名
    • 2019年 9月 26日

    ほんと厄介な国だよなぁ…
    ここまで来ちまったら、後は景気後退してメンテ出来ずに港で錆びまくりっていう
    ソ連コースを歩んで欲しいもんだが現状まだまだ元気だからなぁ…

    • 匿名
    • 2019年 9月 26日

    経済に陰りが見えてきたなかでこの大軍拡が将来的に自らの首を締めることになりそうだが

    • 匿名
    • 2019年 9月 26日

    軍拡はさせておいて経済を叩くというのが今のところアメリカや西側の選択のようですね。

    • 匿名
    • 2019年 9月 27日

    054A型は対空戦闘能力が向上してるので外洋向けとしてはまだまだという表現はどうなんだろ?つまるところ、米軍と比較すればまだまだだけど他の国(日本を含める)の海軍よりかは艦歴が若い上にアップデートも早いから艦の能力は他より高い。それに056型の運用は外洋向けというよりかはミサイル艇の後継なのでどっちかというと南沙や東シナ海のような沿岸警備向け、中国語のwiki
    を確認したり、ウォッチャーのtwitterが確認したりすると052D型は最低25隻、055型は8隻就役する形になる。300隻全体から見れば大したこともないように見えるが護衛艦の数は現在48隻なのであきづき型、こんごう・あたご型のようなミサイル駆逐艦が向こうは33隻(+052C型と追加の艦)もあることを考えれば見方は変わるだろう。加えて空母を二隻保有に加え、一隻建造し四隻ほど075型を建造してる状況は防空能力に脆弱性があると言えるだろうか?むしろ数も質も劣勢にも関わらず日本はミサイル艦の比率は高くない。今は不十分にせよ、すぐ数年で外洋能力の大幅な改善は避けられない。

    • LLLLL
    • 2019年 9月 27日

    日本のインフラも有るから偉そうには言えんが、大量に造るとある時期一斉に寿命も来る!
    その時中国は造り替える余裕が有るだろうか?
    殆ど海の底、と言う可能性もないではないが……。
    (´・ω・`)

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