軍事的報道

英国主導の第6世代戦闘機「テンペスト」にイタリアが参加を表明

英国が主導する第6世代戦闘機「テンペスト」開発プログラムに、イタリアが参加をするという報道が飛び込んできた。

参考:Italy joins Britain’s Tempest combat aircraft program

英国主導のテンペストへ、スウェーデンに続きイタリアが参加を表明

ロンドンで始まった総合防衛・セキュリティ展示会「DSEI」で、英国が主導する第6世代戦闘機「テンペスト」開発プログラムへの、イタリアが参加を発表するという報道が流れている。

補足:DSEIとは2年に1度、英国のロンドンで開催されている、世界を代表する国際的な総合防衛・セキュリティ展示会で、今年の11月、日本でも初めて「DSEI Japan 2019」が千葉県の幕張メッセで開催される予定だ。

第6世代戦闘機「テンペスト」開発プログラムに参加を表明した企業によって構成された「チーム・テンペスト」には、イタリアの防衛企業大手「レオナルド S.p.A」が名を連ねているが、イタリア政府としては独仏主導の第6世代戦闘機「FCAS」開発プログラムの方に興味があった。

出典: JohnNewton8 / CC BY-SA 4.0 パリ航空ショーで発表されたダッソーFCASのモックアップ

イタリアが「テンペスト」よりも、「FCAS」に魅力を感じていたのは、ドイツとフランス、スペインと参加国の潜在的需要が「テンペスト」よりも大きい=ビジネスとして成り立つという目論見があったからだ。

そのためイタリアは、独仏主導の第6世代戦闘機「FCAS」開発プログラムに「主導国(独仏伊という意味)」として参加を打診していたが拒否され、スペインと同じ、独仏主導のプログラムへ「合流」という補助パートナーの形での参加には難色を示していた。

その後、イタリアは「テンペスト」と「FCAS」、この2つのプロジェクトを統合させる方向に持っていくべきだと主張し、そうでなければ、この2つのプロジェクトは十分な市場を確保しないまま、不確実な輸出に頼ることになるため、この2つを統合し、よりオープンで開かれたプロジェクト(第6世代戦闘機開発)にする必要があると言っていた。

引用:BAE Systems テンペスト

それにも関わらず、英国主導の「テンペスト」開発プログラムへ参加を表明するということは、テンペストにスウェーデンが参加(正確に言えばお試し期間)を表明したことで、恐らく両プログラムがこの先、統合される可能性はないと判断したからではないだろうか?

どちらにせよイタリアの「テンペスト」参加表明により、欧州の第6世代戦闘機開発プロジェクトは、2つに分裂した状態で進められることが(ほぼ)確定したという見方もあるが、逆に参加国数が均衡=ブロジェクトの価値や力がイコールになったと言えるので、逆に両者が同じ立場で統合について話し合いが行える環境が整ったとも言える。

管理人としては、なかなか目の離せない展開だ。

 

※アイキャッチ画像の出典:pixabay

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 9月 11日

     フランスは制式空母を持ってる(小型だけど)けど、ドイツは持っていないし、しかも、F-35Bの導入の計画もない—F-35A/B/Cのいずれも導入しない(第2次世界大戦でも持っていなかった)って、NATO諸国の中では全くロ回出来ないドクトリン。
     普通に考えればフランス主導で、空軍機/制式を空母を想定した艦載機 って方向では? って思う(ユーロファイターからフランスが抜けたのも艦載機と、フランスのジェットエンジン製造会社)
     だけど、NATO諸国全体で考えたら、軽空母/強襲揚陸艦でF-35Bを運用、戦闘機はそれ以外の任務、つまりは地上基地からのマルチロール(空対空、空対地、空対艦)って感じでは?
    つまりはイギリスのドクトリンが多勢を占めてる

    • 匿名
    • 2019年 9月 11日

    EUからイギリスが抜けるのか抜けないのか、いやいや抜けてもNATOもあるし……とか。
    枠組みも絡んでなかなか香ばしい主導権争いですね。
    こういう案件で主と従が発生するならEUなんてやめちまえばいいのにと思わなくもない。

    • 匿名
    • 2019年 9月 11日

    そもそも海外展開する英仏で要求スペックが合致してるんでこの二国が組めば解決なんだけど
    まあ無理だよねっていう…
    仏独連合だとお互いの要求スペックが違うからまた空中分解するかどっちつかずの中途半端機体ができそう
    テンペストの方は最悪アメリカが手伝ってそこそこの形に収まるんじゃないかなぁ?

    • 匿名
    • 2019年 9月 11日

    ここは、両プロジェクトが合流し、そこにF3の開発をすすめる日本が参入するのが一番良いと思う。
    日英仏独伊スウェーデンの合作戦闘機、なかなか魅力的ではないか?

      • 匿名
      • 2019年 9月 12日

      それ、船頭多くしてナンチャラ~になる予感しかしないわ・・・。
      各国の要求項目がぶつかり合い利害調整で手間取って計画は遅延を繰り返し、予算は天井知らずで高騰を続けた挙句に誰も満足しない戦闘機が時間切れで性能未達のまま量産されるのが関の山だな。

        • 匿名
        • 2019年 9月 12日

        航続距離一つだけ見ても調整され得ないんですが。日本の南北距離がどれぐらいか知ってる?

      • 匿名
      • 2019年 9月 12日

      実際は開発国が多くなればなるほど揉めるんだよなぁ
      共同開発は大変だ

    • 匿名
    • 2019年 9月 11日

    フランスが自国製エンジンにこだわるから、
    統合は無理でしょ、
    イギリスだとロールスロイスの、
    エンジン使えるから現実的、
    両方エンジン使える機体なら統合は出来るけど、
    フランスのエンジン出力無いからね。

    • 名無しの少佐
    • 2019年 9月 12日

    EUの問題は宗教の違いが大きい
    カトリック圏のドイツフランススペインとプロテスタント系のイギリスと北欧はどうやっても相容れない
    イギリスの北アイルランド問題も宗教対立
    なのでイタリアのテンペスト参加は揉め事の種にしかならない
    イギリスは北欧と組むのが正解
    日本はエンジンを国産化前提で、イギリスと武装の共同開発で武器プログラム関係を統合するのは有りでしょう
    アメリカは日本がF-3独自開発の場合武器プログラムを提供しないだろうから
    次期ミーティングの共同開発もあるので日本はイギリスと共同開発し、エンジンやレーダー等は独自開発というスタンスが認められればの話ではある
    テンペストに乗っかるだけの共同開発は無いな

    • 匿名
    • 2019年 9月 12日

    第五世代飛ばした第六世代だから第五世代+αレベルを脱しないような気がする

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