軍事的報道

大量のミサイルで北朝鮮制圧?韓国、21世紀の戦艦「アーセナル・シップ」建造

韓国国防部は、今後5年間に渡る国防力の整備計画を盛り込んだ「国防中期計画」を策定したと発表した。

参考:軍, 5년간 국방비 291조원 투입…北 핵·미사일 대응에 34조

米国も建造しなかったアーセナル・シップの建造を行う韓国

8月14日、韓国国防部は総額290兆5,000億ウォン(約25兆3,700億円)を投じる「国防中期計画(2020~2024)」を策定したと発表し、その中でも目を引くのは、多目的大型輸送艦(大型輸送艦-Ⅱ事業)にSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)タイプの戦闘機運用能力を持たせることを明記したことだ。

これは、先月、朴漢基(パク・ハンギ)合同参謀本部議長と3軍の参謀総長による合同会議で、「大型輸送艦-Ⅱ事業」を盛り込んだ計画が承認されたと報道されていたので、特別目新しいニュースではないが「国防中期計画」に、多目的大型輸送艦はSTOVL型戦闘機運用能力を考慮し、国内建造を行うための研究・設計に着手すると明記されたと言う意味は重い。

出典:public domain 独島級揚陸艦

これまでにも、韓国の空母建造話は浮いては沈むの繰り返しで、実現性に乏しい計画だったが、今回こそは確実に「F-35B搭載型軽空母」を整備するだろう。

この他にも、目新しい計画が幾つかある。

1つ目は、韓国海軍が現在、イージス艦や駆逐艦で使用している米国製艦対空ミサイル「SM-2」を置き換える、国産の艦対空ミサイル開発を行うことが盛り込まれており、これは「SM-2」の後継艦対空ミサイル「SM-6」と同等レベルの性能を目指していると韓国国内では噂されている。

米海軍の艦対空ミサイル「SM-6」は、射程延長型の「SM-2ERブロックIV」に、空対空ミサイルAIM-120のシーカーを組み合わせたもので、共同交戦能力を利用することで水平線を超えた攻撃(迎撃)能力を持ち合わせている。

出典:public domain スタンダード・ミサイル6 (SM-6)

これはどういう事かと言うと、SM-6は目標に付近になればアクティブシーカー作動するが、目標付近までは中間誘導波によって誘導する必要があるため、中間誘導波の届かない遠方の目標(水平線を超えた目標)には攻撃が不可能だったが、共同交戦能力により、早期警戒機や戦闘機が目標を捉えていれば、イージス艦や駆逐艦の代わりに中間誘導が行えるので、水平線を超えた攻撃(迎撃)能力=射程延長ができるという意味だ。

さらにSM-6には、同じ目標に対して迅速な連続発射する能力を備えた「SM-6デュアルI」というバージョンがあり、これは弾道ミサイル迎撃のための新しいアプローチだ。

これまでの迎撃ミサイルは、同じ目標に対して迅速な連続発射や誘導を行うことが難しかったが、アクティブシーカーを搭載したことで可能になり、目標に対し、複数の迎撃ミサイルで対処が可能になっているため迎撃率が向上すると言われ、高い精度のアクティブ誘導により、SM-6は直撃方式ではなく、弾頭の爆発による爆風で模擬中距離弾道ミサイルの迎撃に成功し、中国の空母キラー、対艦弾道ミサイル迎撃に役立つと言われている。

出典:public domain

2つ目は、アーセナル・シップの建造だ。

アーセナル・シップとは、米海軍が研究を行った全く新しい艦種で、自衛にための兵器は最小限に留め、攻撃兵器を多量に搭載し攻撃に特化した「戦艦」に近いコンセプトで、有事の際には海上から陸上の目標を攻撃するというものだが、米国でも研究だけにとどまり、実際には建造されなかったものだ。

韓国は、対北朝鮮のために、このアーセナル・シップ(韓国名:合同火力艦)を導入すると「国防中期計画」に明記しているが、K11複合型小銃の二の舞臭い話だ。

この他にも、2023年までに偵察衛星を5基導入や、電磁パルス弾(EMP)やレーザー対空兵器の開発、F-15Kのアップグレードなどが明記されており、一度の記事で紹介するのは難しいほど、多くの装備導入や兵器開発計画が盛り込まれている。

ざっと眺めただけでも、非常に怪しげな計画が幾つかあり、一度、よく調べてみてから記事化しようと思う。

 

※アイキャッチ画像の出典:public domain アーセナル・シップ

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 8月 15日

    米海軍のアーセナル・シップは火器管制を外部のイージス艦などに任せて最小限の防御兵器とVLS満載、というコンセプトだったんですが、ネットワーク周りの不具合や損傷で火器管制不能になるとVLSからミサイル発射できなくなります。
    あと、開戦の第一撃くらいしか用途がないので、その後は僚艦に防衛してもらわないとダメというのもあります

    であれば、火器管制を持つ複数のイージス艦にVLSを分散配置した方が生存性が高まる、ということでキャンセルされました。

    韓国もその辺は理解しているはずなので、韓国版アーセナル・シップにイージスシステムに相当するレーダー、火器管制システムを搭載することになりますが、必要なシステムを自国開発できるのか疑問です。
    既存の米国製VLSを大量に搭載し、イージスシステムに手を加えて、と考えているのでしょうが、インテグレーションに必要な情報を米国が渡すかは当然微妙でしょう。

    • q
    • 2019年 8月 15日

    建造目的が対日本だから第一段階で東京を攻撃するって考えてるんでしょうね

    • 匿名
    • 2019年 8月 15日

    攻撃型空母も十分な数の駆逐艦もないならアーセナルシップもありかもしれない、大和型戦艦みたいなオチがつきそうだけど

    それはそれとして、強襲揚陸艦といいアーセナルシップといい、何処の誰に使う気なんですかね……?

    • 匿名希望
    • 2019年 8月 15日

    戦艦って艦種は、攻性の艦艇ではなく……どちらかと言うと、防性の艦艇だった筈……なんですが?説明が、おかしいかと。
    抑止力・実務両方の意味で、護る為の兵器なんですよね……戦艦は。駆逐艦やフリゲート同様……まぁ、護る対象は違いますけれど。
    アーセナル・シップは、空母や巡洋艦系同様の、攻める為の兵器……って、感が強いんですけれど?いや、積むミサイルの種別次第では、空母同様に、攻守の性質を入れ換える事も……可能では、あるんでしょうけれど。
    確か、イージス艦の麾下に入って……大量の防空ミサイルや、対潜装備を持ち歩く……増設用途の、防衛用アーセナル・シップ……みたいな計画も、思想の元祖側に在った筈……ですから。
    護衛空母や、その発展上に在る……ヘリ空母の様な、護る為の艦艇としての空母……も、存在しているには存在していますけれど。

      • 匿名
      • 2019年 10月 19日

      第二次世界大戦で航空機優位になって以降は、戦艦は空母機動部隊の対空・対艦防御、上陸作戦での艦砲射撃位しか用途がなかったが、大戦初期は連合国・枢軸国共に海上攻撃の主役だったはず。
      最後までそこにしがみついたのが大日本帝国海軍で、大和特攻などといった非現実的な作戦を実施した。
      ただ、戦艦は元々攻撃兵器なのは間違いなく、記事の説明は正しいと思います。
      逆に巡洋艦が攻撃の主役というのは、過去の戦史にも無く何のことやら解りません。
      現在でも、巡洋艦を保有している国では艦隊指揮・防御的運用が多いのでは。

    • Al
    • 2019年 8月 15日

    わざわざ一つのバスケットに卵を全部入れてくれるそうなので、標的になる日本としては、カンコクサンスゲーといっておけばいいでしょう。

    • 匿名
    • 2019年 8月 15日

    狭く開発が進んだ国土と大量のミサイルに狙われている環境を考えればありな気もします。平時の管理や守秘も楽ですし。あくまで移動できるミサイル基地としてですが。
    ただ居場所の秘匿や充分な護衛がないと戦時の活用は難しいですね。開戦第一擊とか、逆上陸時の一瞬の火力とかに活用するなら、多少手薄でもいいかもしれませんが。

      • 匿名希望
      • 2019年 8月 16日

      あ~、静音性の高い仕様の潜水艦も兼ねれれば……意外とアリな仕様、なんですか……言われてみれば。
      まぁ……計画だけは兎も角、ちゃんと形に出来るか?は、別にして。発想だけなら……悪くなかった、と。
      成る程、そういう視点も在るんですね。

    • 匿名
    • 2019年 8月 15日

    本当に名品だったことが一度もない韓国型名品武器開発の歴史にまた1ページですか。
    日本はある程度既存技術の蓄積で状況が見えてきてから開発を開始するけど、韓国はマジでどっかの誰かが出来るはずニダ言ったくらいで開始しちゃうからある意味すごいよね。
    そして後からやっぱりダメだから技術買うニダ貰うニダ言い出して拒否されると後頭部殴られたとか言ってる。
    いやいや、自分達で殴ってくれと言ってるようにしか見えないけどねって。

      • 通りすがりの名無し
      • 2019年 8月 16日

      名品→迷品、ですね。

    • 匿名
    • 2019年 8月 15日

    韓国も拡張性を無視してVLSの数を128セルも配置したイージス艦を建造した前例があるから
    アーセナルシップは韓国の理想とする船なのかもしれません

    • 匿名
    • 2019年 8月 15日

    アーセナルシップか…懐かしい響きだ…
    かつてのランドウォーリア計画も形を変えてよみがえってきたし
    この先どうなるんだろうねぇ

    • おっさん
    • 2019年 8月 15日

    北に対しての空母はあまり意味が無いのでは?
    それに対して今流行りの『打倒日本』には意味が出てくる。
    つまりそういう事なのでは?

    •  
    • 2019年 8月 15日

    アーセナル・シップは日本や中国相手にはあんまり意味を持たないでしょうが、
    対北朝鮮専用機と考えれば、そんなに悪いものでも無い様な。うーん・・・

    • 匿名
    • 2019年 8月 16日

    韓国版アーセナル・シップは単艦での防御兵装は減らしているか無いかと見ています。対空防御はイージス艦に頼るとして、対潜防御は大量のミサイルという荷物を積んでいたら厳しそうです。
    これだけ沢山のミサイルを積んでいたら致命傷でなくとも誘爆したら爆散することになるかと。

    管理人さま、他の怪しげな計画についても解説を楽しみにしております。

    • 匿名
    • 2019年 8月 16日

    軍部の中に重度の中二病患者がいるような気がしてきた。

    • 匿名
    • 2019年 8月 17日

    米軍の改オハイオ潜水艦こそがアーセナルシップだと思うのです
    154発のトマホークミサイルとかガクブルモノ
    特にINF条約が失効された今、核トマホーク満載なら
    凄く危険

    • LLLLL
    • 2019年 8月 17日

    強襲揚陸艦はヘリを後日装備にしても、だだっ広い甲板で行事くらいには使えるが、アーセナルシップでミサイルのほとんどを後日装備に何に使えますかねェ!?
    (´・ω・`)

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