軍事的報道

韓国、純国産ロケット「ヌリ号」初打ち上げに向けメインエンジン開発完了

韓国メディアは最近、来年打ち上げ予定の純国産ロケット「ヌリ号」に搭載する1段用75トンエンジン(KRE-075)認証プログラムが無事完了したと報じた。

参考:누리호 1단 75톤 엔진 인증 완료…내년 발사 준비 착착

韓国の純国産ロケット「ヌリ号」に使用されるメインエンジン開発作業が完了

韓国が開発中の純国産ロケット「ヌリ号」は3段式で地球を周回する低軌道に1.5トンまでの貨物を打ち上げることができる性能を持つよう設計され、2018年には75トンエンジンの性能検証用としてヌリ号とは別の試験用ロケット打ち上げに成功、2021年に衛星を搭載した状態で初めての打ち上げが予定されている。

今回完了した認証プログラムは、1段目に搭載される75トンエンジン(KRE-075)を実際の作動時間130秒よりも長い260秒間燃焼させてエンジンの完成度を測定する作業で、韓国航空宇宙研究院(航宇研)はこの作業を150回行い大きな問題なく終了、これは事実上75トンエンジン開発における地上の行える作業が全て完了したことを意味し、あとは実機に搭載され打ち上げを行うのを待つだけだ。

航宇研は国産の75トンエンジンは設計から認証までの全過程をたった80人という人数で10年以内に達成することが出来たと自賛しており、通常海外ではこの作業に13年以上かかるだろうと話している。

出典:Korea Aerospace Research Institute / KOGL Type 1 ヌリ号1段目に搭載される75トンエンジン(KRE-075)

ただしヌリ号に使用される全てのエンジンが認証プログラムを終えたわけではない。

基本的にヌリ号の1段目と2段目で使用される75トンエンジンは基本的には共通した仕様だが、ノズルの形状が別物で点火タイミングや燃焼条件も1段目とは異なるため、1段目とは別に認証プログラムを受け直さなければならず、3段目に搭載される7トンエンジンの認証プログラムと合わせて年内には完了すると航宇研は説明しているが、ヌリ号にとって技術的最大の課題は1段目に搭載される75トンエンジンのクラスター化(4基同調)だ。

ロケットエンジンのクラスター化はロケットの推進力を引き上げる手法として一般的だがエンジンの数が増えれば増えるほど同調させるのが難しく、2018年に打ち上げられた試験用ロケットではエンジンのクラスター化は行われず単発式で打ち上げが行われたため、韓国にとって未だ実証されていない未知の領域と言える。

さらに3段構成のヌリ号は打ち上げ中に燃焼し終わった部分を切り離さなければならないが、これも韓国にとって初めて挑戦する技術的課題なため1発でクリア出来るか分からない。

果たして来年予定されているヌリ号打ち上げまでに、このような技術的課題をどのように解決していくのか注目される。

 

※アイキャッチ画像の出典:Korea Aerospace Research Institute / KOGL Type 1 ヌリ号の打ち上げイメージ図

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 3月 16日

    そりゃあ、外国人を連れてきて国内生産、でメイドインコリアでしょう。
    性能試験はどこに目をつぶったのかな?

      • 匿名
      • 2020年 3月 16日

      国産でないことに目をつぶって「国産」と言っているのでしょう。

      • 匿名
      • 2020年 3月 16日

      どこに目をつぶったかはわかりませんが、両目をつぶっていただろうことは、なんとなくわかります。

    • 匿名
    • 2020年 3月 16日

    うろ覚えですが以前ロシアと組むことで衛星を打ち上げることをできたことはできたんですよね?
    成功率は3基中1基と記憶しております。
    ぜひ頑張ってほしいですね(話題作りを含めて)。
    でも失敗しても日本の責任じゃないですよ。

    • 匿名
    • 2020年 3月 16日

    技術として考えれば枯れた技術の一つクラスター化、アメリカのサターンから技術移転された話は聞かない
    ロシアからナロ号関係でどれだけ技術を盗めたかが鍵になるが、ロシアがアメリカ並みに技術を与えるとは思えんよw

      • 匿名
      • 2020年 3月 16日

      大穴で、北朝鮮からの技術。

        • 匿名
        • 2020年 3月 17日

        ありえますねー。
        核も欲しがっていますから。

    • 匿名
    • 2020年 3月 16日

    ナロ号の打ち上げの時だったが、それまで順調にロケットは高度を上げていて、アナウンサーが元気いっぱいで解説していたが突如空中爆発した。
    その瞬間の悲鳴とも聞こえるアナウンサーの声が忘れられない、たとえ意味は分からずともその心情は十分い伝わってきた。
    これから何回も同じように楽しませてくれるるかと思うと、否が応でも期待で胸が膨らむ。
    最初は推力不足で地面から離れることなく大爆発、二回目は推力バランスが崩れて大きくカーブして自爆指令。
    その他いろいろと楽しませてくれると思っている。

    • 匿名
    • 2020年 3月 17日

    ウクライナの30トン級エンジンの設計図から、75トン級のエンジン作れたんだから、それなりに頑張ったと思うな
    ただ、枯れたロケットエンジンをクラスタ化することはあっても、仕組み上、クラスタ化技術そのものが枯れることはないし、ましてや新規エンジンでは、大変なのはこれからでしょう
    (ロケットはエンジン以外も失敗する要素には事欠かないし)

    • 匿名
    • 2020年 3月 17日

    止めてくれ、どう見ても日本上空通るよな?
    北より劣るだろうからイージス艦、PAC3出動かな?

    • 匿名
    • 2020年 3月 17日

    管理人さんが書かれてる 実証されてない技術
    ・1段目のクラスター化での試験
    ・切り離し
    (・衛星を収めてるシュラウドを開ける、衛星の放出も・・・彼らの真の目的?であるICBMなら再投入時の弾頭の耐熱性も)
    以外にも大きな問題があります。
    それは2021年度の「打ち上げ予算」獲得です。  でもってムリです。

     2020年(つまりは2019年12月の国会で決まった)の予算ではヌリ号の位置づけはTOPでは無いですし、2020年の予算ではクラスター化されたエンジンの試験さえ予算化されていません(※)
    2020年の宇宙関係の予算の総額は6158 億ウォンで 、 2019年比で6.4%増 (5787 億ウォン )  
    内訳は
    ・3183 億ウォン 人工衛星関連 、アリラン(多目的実用人工衛星)-7Aの開発、-6の打ち上げ、小型衛星(中型って言ってる)4基の開発
    ・2331 億ウォン ヌリ号の75t 級エンジン(2基 ※) 7t級エンジン(1基)の性能を検証し 、 実際の発射に使用される飛行モデル(FM)を製作する 。
    ・329 億ウォン 例の月探査船関連
    ・102 億ウォン 輸出の促進  など

    リンク
    リンク
    なお、韓国航空宇宙研究院は2021年2月の打ち上げ予定をぶち上げてる・・・これはいつもの韓国の予算獲得(ウリが発言したんだから、その通りにシル)の方法だから、この日程そのものには意味はない

      • 匿名
      • 2020年 3月 17日

      ホント、ソレなんだよな。
      エンジン完成したら予算削るからなってのを現場の意見無視して平気でやるからな。
      政治の都合でさんざん振り回しておいて短期的に目標を達成できればお払い箱が確定してるんで今頃現場の技術者の大半は転職先を探してるはずだよ。

    • 匿名
    • 2020年 3月 17日

    これって確か、4基クラスタの後に9基クラスタ化するんじゃなかったか。
    更に最終的には、9基クラスタの補助ロケット2基を左右に着ける、つまり27基のロケットエンジンを同期させるとかいう、とんでもない計画だったはず。
    正直、4基クラスタの時点でグダグダして計画延期の連続、または計画破棄の未来しか見えないんだが…。

      • 匿名
      • 2020年 3月 17日

      アメリカのスペースX社のファルコンヘビーがこんな感じ(27基)ではありませんでしたか。
      すごい方法もあるもんだと思っていましたがK国さんも見習いましたね。
      ただしマネしても打ちあげられるかどうかはわかりませんが。

        • 匿名
        • 2020年 3月 18日

        ホントだ、ググったらファルコンヘビーも27基
        でやってるのね。
        アメさんは民間企業がこれやるんだから凄いですよね~。
        しかし、まともにロケット開発の実績が無い韓国がやるのは無謀すぎるとは思わんのかね。
        ホント、かの国のあの自信はどこからくるんだろうw

    • 匿名
    • 2020年 3月 17日

    KFXでの双発エンジン同調技術でさえアメリカにおねだりして無残にお琴割されたのに、4基のロケットエンジンの同調ができるか見ものではあるw

    • 匿名
    • 2020年 3月 17日

    純国産ではなく、ウクライナの技術です
    まあ丸ごとコピーじゃないだけ進歩ですけど

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