軍事的報道

フランスが米国を批判、NATOは米国製兵器の「集団購入」は義務付けられていない

フランスのマクロン大統領は、現状のNATOについて「脳死状態」だと発言しNATO加盟国から批判を浴びたが、今度はパーリー国防大臣がNATOは米国製兵器の購入を強要させるためのものではないと米国を批判した。

参考:‘Article 5, Not F-35’: French Minister Lashes Out at US for Forcing NATO Members to Buy Its Weapon

フランスの主張は欧州という大義名分で、米国に取って代わろうとしているだけ

フランスのパーリー国防大臣は、北大西洋条約(第5条)には、NATO加盟国に対する攻撃に対し集団自衛権を行使することを義務付けているが、米国製兵器を集団購入することは義務付けられていないと、米国の兵器購入強要の姿勢を批判した。

パーリー国防大臣は以前にも、北大西洋条約第5条は「第F-35条」ではないと発言したことがある。

彼はマクロン大統領の「脳死発言」にも触れ、NATOの原点について有益かつ健全な議論を求める呼びかけであると説明し、明日から始まるNATOの会議でこのような議題を論じることが可能だと話した。

マクロン大統領の「脳死発言」の意図は、NATO加盟国が協力し合えばNATOは効果的に力を発揮できるが、それぞれ身勝手な外交・国防政策を行うことはNATOにとって不利益しか産まないという意味だと言われており、究極的にNATO(欧州)は米国に頼って二次的な役割に甘んじるのではなく、自ら欧州の防衛と安全に責任を持つべきだと=米国からの独立を目指していると言える。

出典: JohnNewton8 / CC BY-SA 4.0 パリ航空ショーで発表されたダッソーFCASのモックアップ

米国製兵器を集団購入することは義務付けられていないという発言は、欧州には第5世代戦闘機がなく、第5世代をスキップし第6世代機としてフランス、ドイツ、スペインが共同開発を行う「FCAS」が完成するまでに、NATO加盟国へ第5世代戦闘機F-35Aを導入させようとする米国の動きを牽制する意図で発言したのだろう。

どちらにしてもフランスは自国の利益のため欧州と北米を切り離し、欧州のことは欧州でやると言いたいのだろうが、NATO加盟国の大半はこの意見に賛同することはない。

何故なら米国を欧州から排除したところで、欧州の大部分の国にとっては、その後釜に座る国(フランスやドイツなど欧州主要国)が外交政策や自国製武器を押し付けてくるだけで、米国がやっていることと何も変わらないからだ。

現在、欧州と米国はNATO加盟国が引き上げた国防予算の行方について揉めている。

米国は現在、NATO加盟国に対しGDP比2.0%以上の国防費支出を求めているが、本音はGDP比4.0%以上、要するに現在の2倍以上の国防予算を支出することを目標にしており、増加した国防予算が米国製防衛機器の購入に向かうことを期待していたが、その期待を打ち砕いたのがEUだ。

出典:Italian G7 Presidency 2017 / CC BY 3.0 it 欧州連合(EU)

EU加盟国は、数十億ユーロ規模の兵器開発基金を立ち上げ、EU加盟国同士による用途の似た兵器開発で協力することを目指しており、この基金にアクセスできるのは欧州企業に限定(一応、例外はある)されているため、基本的に基金を利用して開発される兵器プロジェクトには米国の防衛産業が参加できない。

EU加盟国の内、22ヶ国がNATOに加盟しているため、この基金に流れ込む資金の大半はNATO加盟国として増やした国防予算が原資と言え、米国にとってはNATOからEUに資金が流れることで、無闇に口が出せなくなってしまった。

米国は米軍の装備調達に欧州企業の参加を認めており、実際、BAEシステムズ社やサーブ社、ラインメタル社など欧州に拠点を置く防衛企業が米軍から契約を受注しているにも関わらず、欧州は米国の防衛産業を排除するのかと批判しており、EUが立ち上げた基金へのアクセスを要求している。

結局、米国もフランスも言っていることに変わりわなく、自国の防衛産業のために耳障りの良い声を奏でているだけだ。

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo/Tech. Sgt. Brandon Shapiro

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 12月 02日

    あのクソ低出力のフランスのジェットエンジンってなんなの? って思う。

      • しゅしゅ
      • 2019年 12月 02日

      ラファールのエンジンであるM88のこと?

      クレマンソー級に載せられる艦載機が目的だったから大型のエンジンではダメという理由が有る。

      まあそのエンジンを他国に使わせようとした辺りはフランスって感じだけど

    • 匿名
    • 2019年 12月 02日

    フランスは、あの低出力時代遅れエンジンを、typhoonに載せようとして、大揉めにさせた前科があるからなぁ…
    結局は、アメリカ追い出してフランス製兵器を売り付けて、大儲けしたいだけっていうw

    • 匿名
    • 2019年 12月 03日

    フランスは自国攻められたら即降伏すりゃエエやろ程度にしか考えてないからな。
    フランス製の装備はフランス降伏したら追加購入どころか部品すら買えなくなってゴミになるし、逆にフランス助けてもむっちゃ値上げされて足引っ張られるだけだと思うわ。

    • 匿名
    • 2019年 12月 03日

    >自国の防衛産業のために耳障りの良い声を奏でているだけだ。

    「耳障り」とは聞いていて気に「障る」ことなので耳障りが「良い」ことは有り得ません。
    きちんとした日本語をお使いになられて下さい。

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