軍事的報道

数年以内に正式配備? ロシア、世界で最も非常識な兵器「3M22ジルコン」の艦艇試射に成功

ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートは今年1月、マッハ9.0で作動する極超音速対艦ミサイル「3M22ジルコン」の試射したとNaval Newsが報じている。

参考:Russian Navy Test-Launched Tsirkon Hypersonic Missile For The 1st Time

ロシアが開発中の「世界で最も非常識な兵器」が艦艇からの試射に成功

極超音速対艦ミサイル「3M22ジルコン」は固体燃料ブースターで超音速に加速後、スクラムジェットに点火し極超音速まで加速する。到達速度はM8.0~9.0と言われミサイル本体の周囲にはプラズマを帯びたガスが発生し、所謂「プラズマステルス」と言われる状態となりレーダーによってミサイルの接近を探知することが非常に難しいとロシアは主張しているシロモノだ。

当初、低空を飛行する場合の射程距離は250kmから500km程度、高高度で飛行する場合は最大で750kmと言われていたが、ロシアメディアは最大射程を1,000kmまで延長することが出来る「新しい燃料(固体燃料なのか液体燃料なのは不明)」が開発されたと報じ、それを裏付けるようにロシアのプーチン大統領自らがジルコンの最大射程は1,000kmに達すると述べた。

このミサイルは対艦ミサイルと名付けられているが、実際には海上を移動する目標以外にも地上の目標攻撃にも使用することができ、すでに陸上からの試射は完了済みで艦艇からの試射が2019年後半に始まると言われていたが、今回のアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートによる試射で海上プラットフォームからのジルコン運用が可能なことを実証したことになる。

西側の軍事アナリスト達は極超音速対艦ミサイル「3M22ジルコン」のことを世界で最も非常識な兵器と呼んでいるが、恐らくこれは極超音ミサイルの小型化に成功した点を指しているのだろう。

マッハ9.0で作動する極超音速対艦ミサイル「3M22ジルコン」の全長は8m~10m程度と不確かな数値しか伝わってこないが、比較的新しい垂直発射装置「3S14UKSK」を利用して運用されるためジルコンの全長は最大でも9m程度になり西側の艦艇に搭載して運用されるミサイルよりは大きい。

しかし、3S14UKSKは3,000トン程度のフリゲートにも搭載されている汎用規格の垂直発射装置なのでジルコンが完全に実用化されれば、ロシア艦艇は特別な改造なしで極超音速ミサイルの運用能力を手に入れることになる。

これは極超音速ミサイルを実用化することが出来ていない西側にとって非常に厄介な事実だ。

ロシアはジルコンの正式配備は「数年以内」と明言しており、ロシアの全ての艦艇はマッハ9.0で作動する極超音速ミサイルで武装する状況、つまりは「非常識」な状況が生じるため「世界で最も非常識な兵器」と呼んでいるのだろう。

ただし、マッハ9.0で作動するジルコンが本当にプラズマステルス状態になるのかは不明で、ロシア特有の大げさなアピールである可能性もあり謎は多いが、ジルコンが正式配備へのステップを着実(?)に消化していることだけは事実のようだ。

 

※アイキャッチ画像の出典:alexyz3d / stock.adobe.com

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 2月 29日

    また嘘っぱちにハッタリミサイルか
    お前らにそんな技術力があるなら
    なぜ、エンジンの耐久性が無いんだ

      • 匿名
      • 2020年 2月 29日

      確かに!
      しかし、逆に言えば〜使い捨てエンジンには強い気もしますので…ハッタリじゃない可能性も( ̄▽ ̄;)

        • 匿名
        • 2020年 2月 29日

        こんなにいろいろあってどこまでかんばれるのか。
        なんかk国さんと似てますね。

          • 匿名
          • 2020年 2月 29日

          嘘の規模の大小の違いかな。

    • 匿名
    • 2020年 2月 29日

    ロシアが吹聴するプラズマステルスのオカルトはPAK-FAの開発時から聞き飽きた感がある

      • 匿名
      • 2020年 3月 01日

      日本の防衛装備庁もプラズマステルスアンテナの研究を行っているので、プラズマステルスも使い方次第だと思います。

    • 匿名
    • 2020年 2月 29日

    電子密度の平方根に比例するプラズマ周波数に対して、入射された電波は

    ①プラズマ振動周波数より低い電波の場合、金属の様に単純に反射する。
    ②プラズマ振動周波数と同じ場合、電波はプラズマに吸収されるか、周波数の異なる電波に変換される。
    ③プラズマ振動周波数よりも高い場合、プラズマを透過する。

    といった振る舞いをする様です。
    言い換えるとステルスとして使えるのは、②のピンポイントの筈です。
    レーダーの広帯域化など、プラズマ・ステルスを無効化するのは比較的簡単な様に思えます。

    あとARHを選択していた場合、その周波数に対してプラズマ・ステルスを③の無効にする必要があるでしょうから、ARHとは相性悪そうです。

      • 匿名
      • 2020年 3月 01日

      仰る通り、ARHを行う局面は終末誘導時に限っても、プラズマ・ステルスが無効となるので普通のミサイルとして艦艇側のレーダーに捕捉されます。超高速であることに対応ができれば迎撃は可能となります。

      一方、低高度で発射された場合は、海上の見通し線をはるかに超えた距離ですからNIFC-CAのようなキルチェーンを構築し、ターゲットの艦艇が移動することを考慮しなければなりませ。その場合、電波による指令・誘導をミサイルが受けられるようにしなければなりません。プラズマ・ステルスの②が有効になっていると指令・誘導用の電波受信に一定の悪影響が生じることが考えられます。地上の不動目標と異なり、海上の艦艇は発射時から数分間分の移動だけでかわされます。もっとも弾頭に核を装填であれば数十キロのズレは無視できるため、核弾頭の場合は有効と考えることができます。

      また、プラズマ発生ということは、かなりの高温状態であるため遠距離から赤外線センサーで捕捉可能となります。

        • 匿名
        • 2020年 3月 01日

        ジルコンがロシアの主張するとおりの極超音速を発揮する場合、1秒で3kmも移動する計算になる
        ジルコンのを射程1000km、平均速度を秒速2.5kmとした場合、400秒で着弾する。
        30ノットで移動しても6kmしか移動出来ない。超高速ミサイルは、中間誘導の必要性を低減させる

          • 匿名
          • 2020年 3月 01日

          マッハ9だけで十分脅威だけどそこはもはや誰も突っ込まないのね

          • 匿名
          • 2020年 3月 02日

          >30ノットで移動しても6kmしか移動出来ない。

          標的を仮にジェラルド・R・フォード級航空母艦として、艦全長337mに対して誤差6km以上となると命中の確率は充分に低いと見えるが如何?

          飛翔速度だけが突出していても、肝心の終末誘導を行わなければ高確率の命中は実現できない

            • 匿名
            • 2020年 3月 02日

            >標的を仮にジェラルド・R・フォード級航空母艦として、艦全長337mに対して誤差6km以上となると命中の確率は充分に低いと見えるが如何?

            終末誘導の視界内に入るのなら、どちらも大差ない。

            • 匿名
            • 2020年 3月 03日

            終末誘導は不可欠に賛成です。
            マッハ9では勿論従来より高い精度の終末誘導が必要です。

            マッハ9となるとミサイル先端の温度は途方もなく高くなります。
            (マッハ5でも温度は2000~3000℃との実験結果があるため、マッハ9は文字通り途方もなく高いとします)
            ※赤外線誘導はシーカーの冷却が追い付かないのでまず不可能としておきます。

            アクティブレーダーホーミングの選択肢はプラズマ・ステルスを③の無効にするが必要となります。
            対抗策はミサイルレーダー、GPS/グロナスからの信号や指令用電波をジャミングするになります。
            ミサイルにジャイロ搭載の可能性も排除できないので標的とされた艦船は可能な借りスピードを上げて移動ということで回避できると考ます。

    • 匿名
    • 2020年 2月 29日

    照準はどうするのか、プラズマに囲まれているならレーダーも赤外線も将不可能だろうし衛星などからの誘導もできないはず、慣性航法では艦船などの移動目標には使えない。

      • 匿名
      • 2020年 2月 29日

      プラズマ周波数をレーダーの周波数より低くしたら、レーダー波は透過するのでレーダーを使えますよ。
      その周波数を使用する敵側のレーダーも透過するので、ステルスとしては機能しないけど。

        • 匿名
        • 2020年 3月 01日

        標的のレーダーが使っていないような高い周波数域、例えばミリ波とかなら条件を満たすかも。
        ミリ波の実験用機材で、ロシア製のを使ってバラック機組む話しも耳にするから、ロシアもミリ波に強そうだし。
        ただし、ミリ波だと減衰し易くなり探知距離を期待出来ないのが難点なので、可能性は低いかな?

    • 匿名
    • 2020年 2月 29日

    昔からロケット技術は曲がりなりも世界有数ですから
    なんとなく作っちゃいそうな気もするけど現物を見ないとなんとも言えませんねぇ…

    • 匿名
    • 2020年 2月 29日

    ロシアのロケット技術には定評がある。
    スペースシャトルは退役し西側の宇宙飛行士がソユーズのお世話になっている現実。

      • 匿名
      • 2020年 2月 29日

      それ全然違う。
      経済性と成熟された技術なだけで開発力とか先端技術の問題じゃない。

      ロシアの冶金技術やロケット設計力は侮れないものですが、苦手とする誘導・電子妨害への対抗・ネットワーク技術がなければ本ミサイルは完成し得ない筈。
      だからといって対応しない訳にいかないのが、今のところ本ミサイル最大の効果ですな。

    • 匿名
    • 2020年 3月 01日

    技術と生産手段に優れた相手に競争を仕掛けて何度自滅したか……

    • 匿名
    • 2020年 3月 01日

    もともとロシアのミサイルが性能の割には大ぶりなのは、小型化する技術が劣っていたから。
    それを逆手にとり、大型ミサイルなりの機能を追及したのが最近の極超音速シリーズですが、
    技術ってのは同じ性能を狙うとおおかた同じような解にたどり着くはず
    西側から見て疑わしい高性能は、やはりブラフと見ていい

    • 名無し
    • 2020年 3月 01日

    サムネで煙がニンニクに見えた。
    きれいな形をしているってことは、そんだけ燃焼がスムーズだということ。加工や組立時の精度が高い。
    あるいは、本当にニンニクを元にフォトショップしたかも。

      • 匿名
      • 2020年 3月 01日

      僕にはブロッコリーに見えました(笑)。
      あちらさんはもっと画像処理技術を磨かれてはいかがかでしょうか。

        • 匿名
        • 2020年 3月 02日

        本当に当たるのコレ?

          • 匿名
          • 2020年 3月 03日

          それですよ、それ。
          >当たらなければどうということは無い

    • 匿名
    • 2020年 3月 02日

    ここまで邪神ストラマが出てこないジェネレーションギャップ。

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