軍事的報道

新型コロナのせい? 韓国政府には開発費不足に陥った「KF-X」を救う財政的余力がない

韓国メディアは11日、韓国防衛産業界の象徴というべき次期戦闘機「KF-X」プログラムへの懸念が高まっていると報じている。

参考:한국형 전투기는 태평양을 건널 수 있을까 [박수찬의 軍]

開発予算不足と10年掛かる段階的な性能向上がKF-Xの行く手を遮るか?

第4.5世代戦闘機に分類される韓国の次期戦闘機「KF-X」は8兆ウォン以上の開発費が投じられる韓国最大の兵器開発プログラムで、このままスケジュール通り開発が完了すれば韓国が120機、開発パートナーのインドネシアが50機調達して運用を開始する予定で機体の量産費用まで合わせると20兆ウォン(約1兆8,000億円)にも達する。

現在、2021年4月までにKF-Xの試作機を完成させるため作業が進められているのだが、2つの問題がKF-Xの行く手を遮るかもしれない。

1つ目は相変わらず態度がハッキリしないインドネシアの問題だ。

インドネシアのKF-X開発費未払い問題は発生から2年が経過しようとしているのに支払再開へ向けた交渉は何の進展もなく、遂にKF-X開発は資金不足に直面することになった。韓国政府とKF-Xを開発している韓国航空宇宙産業(KAI)は不足した開発費を双方が負担する案も出たが、政府は新型コロナウイルス「COVID-19」に対応のための資金を確保するため国防費削減にまで手をつけなければならないほど追い詰められており、海軍や空軍の大規模な装備調達計画を延期するのではないかと噂されているほどだ。

そのため政府に資金不足したKF-Xの開発費を負担する余裕は無いと言っても過言ではない。

一方の韓国航空宇宙産業も昨年度の利益が1,983億ウォン(約180億円)しかなかったため数千億ウォンも不足した開発費を追加負担する余裕は全くなく、誰がインドネシア分の開発費を負担するのか決まっていない。

出典:KAIが公開したYouTube動画のスクリーンショット

2つ目はKF-X開発の特徴であった段階的な性能向上が仇になってしまった問題だ。

韓国のKF-Xは開発に着手したのが遅れたため普通に開発を行えば老朽化の激しいF-4やF-5の退役に間に合わない問題を解消するため、欧米の戦闘機開発を参考に限定的な能力しか備えていないKF-Xの開発を先行させることで2026年頃には量産を開始する。これでF-4やF-5が抜けた穴を補いながら段階的な性能向上を施し、2030年以降に計画されていた全ての能力を備えたKF-Xに仕上げるという寸法なのだが最近になって空軍が不満を漏らし始めた。

周辺国の中国や日本は第5世代戦闘機よりも優れた第6世代戦闘機を2030年頃に完成させる予定なので、限定的な能力しか備えていない第4.5世代戦闘機のKF-Xで対抗するのは難しく段階的な性能向上に10年も時間を掛けている余裕はないと言い出したのだ。

この問題はインドネシアが既に能力が実証されたF-16Vやラファールなどに興味を示していること決して無関係ではないというのが韓国メディアの主張だ。

要するにインドネシアがF-16Vやラファールに興味を示すのはKF-Xが完成しても直ぐに実戦投入できるほど能力が完成されていないためで、この問題はKF-Xの海外受注にも悪影響を及ぼすだろうと指摘している。

結局、韓国メディアは2026年頃に量産するKF-Xの完成度を最大限高めるため搭載兵器のKF-X統合を急げと言っており、欧米の戦闘機開発を参考にして取り入れた段階的な性能向上は30年前の古い考え方なので改めなければならないと結論づけた。

果たしてKF-Xはスケジュール通り初飛行や量産にたどり着けるだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:KAIが公開したYouTube動画のスクリーンショット

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    結局KFXは大空に飛び立つことなく博物館で実物大の精巧模型として来館者を楽しませることになるでしょう

      • 匿名
      • 2020年 4月 13日

      それはいい、もしそうなれば模型飛行機の実物を見たい
      もちろんネット越しでw

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    現実的に考えればF-4やF-5は能力向上型のFA-50で置き換えてしまうのがってことなんだろうけど
    何もできないくせに自尊心(笑)だけは並外れて高い民族だから無理なんだろうな
    ガリウム砒素系と同程度の能力に限定すればより小型の窒化ガリウム素子のAESAレーダーは作れるだろうし
    それならFA-50の機種周りを若干いじれば載せられるとは思う
    どのみち高出力の窒化ガリウムAESAなんてF404/414系の出力電力じゃ賄えないんだし身の丈にあった物で
    まぁそれができるなら朝鮮人をやっていないんだろうけどw

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    元々この計画は無理なところがありました。
    コロナは良い言い訳になりますね。
    (でもちょっと残念です。)

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    >果たしてKF-Xはスケジュール通り初飛行や量産にたどり着けるだろうか?

    やるんじゃないかな。
    理由は2つあり、日本のF-2後継機開発への対抗上なにかしらの次世代機の開発は止められない、KF-X海外輸出で外貨を獲得したい、であり本来の韓国の国防という主目標から逸れた方向性で進むと見られる。
    機体は、予算不足からくる妥協の産物で性能不足、品質劣悪となることが予想され、K-2戦車、K11複合型小銃と同様致命的な欠陥を呈する結末が予想できる。(政権が変わらない限りにおいて)

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    インドネシア離脱とコロナウイルスで自尊心を傷付けない体(てい)で計画中止出来る絶好のチャンス到来だよ。

    アメリカ製ウエポン使える目処も立たないのだから今止めた方が賢明だと思うけどね。

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    T-50はLMに開発時の契約でガッチガチに押さえられてるので自主改修は不可能に近い

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    もう滅茶苦茶
    だがそこがいい

    •  
    • 2020年 4月 13日

    ・インドネシアの防衛費はそもそも少ない
    ・輸出実績を作りたい韓国がインドネシアの支出の85%を保証すると持ち出した

    ・しかしKFKはインドネシアが思ってたほど安くも無い
    ・KFKは性能が全く未知数。常識的に考えて大した物にならない
    ・F-35は売ってもらえないが、韓国と違って実物があるラファールやグリペンは買える

    これらに気付いて、インドネシアが決定を翻しただけでしょう

      • 匿名
      • 2020年 4月 13日

      技術移転についての視点が抜けてるかな。
      ・ジェット戦闘機関連技術を習得したかったインドネシアに
      韓国が技術移転込みの共同開発を持ちかけた
      ・T/FA-50を見て「このレベルを自国で作れる様になりたい」と思ったインドネシアが話に乗った
      ・韓国に「T/FA-50を作る技術」なんか無いと知ったインドネシアが離脱を視野に技術者引き上げ支払い滞納
      …ってとこでしょうか。

        • 匿名
        • 2020年 4月 13日

        T-50のアビオはLM
        だけど、FA-50のアビオは韓国製と吹聴してましたからね。
        FA-50のはイスラエル製かな?
        (少なくともパルスド・ドップラー・レーダー、兵装関係のアビオ=搭載されてるミサイルから、はイスラエル製)
        (韓国語ニュース)
        ポラメ事業(K-FX)の夢、T-50はロッキードが開発したけど、/FA-50は韓国の独自開発  2015-10-07
        リンク1
        KAI、独自開発のOS / W搭載のT-50初飛行に成功 2010.12.23
        リンク2

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    スケジュールどおりに行くかと言われれば、?だけど止めるにやめれない状況だと思う

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    冷静に考えれば、F-15KやF-16の整備と近代化改修が最優先なのだが、それが出来ないから朝鮮人なんだろうな。

    • 匿名
    • 2020年 4月 14日

    国産ロケット開発で辿った過ちがまたここに!
    だから途中で根本的な見直しするなっていう。

    • 匿名
    • 2020年 4月 14日

    日本と同じ、F-35と国産機の二本立てなのだから
    国防上の懸念はF-35の性能があれば本来なら十分なはずで、国産機の方は海外技術のツギハギではなく
    技術蓄積をしながら、じっくり作れるだろうに、ホントせっかち。パリパリ(早く早く)文化ってやつは。
    韓国のロケット開発(ナロ号)の失敗と、腰を据えた再開発(ヌリ号・とりあえず順調)に似ている気がする。

      • 匿名
      • 2020年 4月 16日

      ヌリは・・・検証してない項目が多すぎると思います。
      (この前のはダミーの7t・2段目を搭載しての、1段目の発射だけ)
      今後の計画は 3段(A)小型の衛星での試験打ち上げ:75t + 75t + 7t
      3段(B)1t以上の衛星、月探査船:75t*4 + 75t + 7t
      (ヌリの75tの推力が低いのでクラスターは必須)だけど、
      以下の検証はできていません
      ・1段目(75t)の切り離し & 2段目の点火(75t)
      ・2段目(75t)の切り離し & 3段目(7t)の展開
      ・フェアリングの開放 & 衛星の射出 & 衛星のエンジンの点火
      ・1段目のクラスター(75t*4)の地上燃焼試験 & 発射
      以下略

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