軍事的報道

米国、日本のF-15J近代改修仕様「Japanese Super Interceptor」を45億ドルで承認

米国務省は10月29日、日本が運用中のF-15Jを「Japanese Super Interceptor(JSI)」仕様へのアップグレードパッケージ販売を45億ドル(約4,900億円)で承認した。

参考:Japan – F-15J Modernization

米国務省が、F-15Jの改修仕様「Japanese Super Interceptor」販売を承認

航空自衛隊が運用中のF-15Jは、これまで幾つかの近代改修を行った102機(単座68機、複座34機)の「J-MSIP」と、改修を行っていない110機(単座98機、複座12機)の「Pre-MSIP」に分類され、防衛省は「J-MSIP」タイプのF-15Jを対象に、さらなる近代改修を行うことを決定(注:中期防衛力整備計画)した。

出典:航空自衛隊

既に2機分の改修費用が平成31年度予算に計上済みで、この2機は2023年7月までに引渡されるとAviation Weekが以前、報じていた。

今回、米国務省が承認した内容は、98機のF-15Jを「Japanese Super Interceptor(JSI)」にアップグレードするため、AN/APG-82(V)1を103基(5基のスペアを含む)、Advanced Display Core Processor II (ADCP II)Mission System Computerを116基(18基のスペアを含む)、AN/ASQ-239(DEWS)電子戦/妨害システムを101基(3基のスペアを含む)、さらに関連するソフトウェアやサポート、トレーニングが含まれている。

F-15JSIに搭載されるレーダー「AN/APG-82(V)1」は、米空軍の近代改修を受けたF-15Eが搭載しているもと同じで空対空モードと空対地モードを備えている。そのためF-15JSIは、単なる迎撃機ではなく「マルチロール機」としての能力を獲得することになる。

ADCP IIも、近代改修を受けたF-15Eが搭載しているものと同じで、1秒あたり870億回の命令処理能力を持った世界最速のミッションコンピュータだ。恐らくADCP IIは、米空軍が新たに導入を予定しているF-15EXも、このADCP IIを搭載するものと思われる。

出典:Public Domain AN/ASQ-239電子戦/妨害システムを搭載するF-35A

AN/ASQ-239電子戦/妨害システムは、F-35が採用している最新の電子妨害装置で、地上と空中の脅威を検出し無力化することができる。AN/ASQ-239をF-35以外で採用するのは、恐らくF-15EXと日本のF-15JSIが初めてではないだろうか?

※ご指摘通り、F-15向けのALQ-239 DEWSでした。

Japanese Super Interceptor(JSI)という仕様は、恐らくサウジアラビア向けのF-15SAや、カタール向けのF-15QAと類似点(AN/APG-82(V)1やADCP IIを採用)はあるものの、AN/ASQ-239はF-15SAやF-15QAには提供されておらず、特に今回のパッケージにはコックピットの改修(いわゆる大型のワイドディスプレイの搭載)や、新型のヘルメットディスプレイ、赤外線捜索追尾システム(IRST)の改良などが含まれていないため、この部分は日本が独自に改修を行うものと見られる。

出典:ボーイング 米空軍が導入予定のF-15EX

以上のことから、日本のF-15JSIは、米空軍が導入するF-15EXに近い能力を持ちながら、日本独自の改修と国産空対空ミサイルAAM-4Bや英国と共同開発中のJNAAMを採用した、唯一無二の機体構成になる可能性が高い。

2023年7月のF-15JSI仕様機引渡しまで、少し長いと感じるかもしれないが、あと「4年」で日本のF-15Jが大きく生まれ変わる。

ここは、大人しく待つしか無い。

 

※アイキャッチ画像の出典:1000words / stock.adobe.com

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コメント

    • しゅしゅ
    • 2019年 10月 30日

    4900億円。つまるところ一機あたり50億。

    4世代機を4.5世代機にアップデートと考えれば安いかな?
    気になるのは更新ペースかな?

    3
      • 匿名
      • 2019年 10月 31日

      いい加減にPre処分して新しい機体なり買えよ…

        • しゅしゅ
        • 2019年 10月 31日

        preはF-35への置き換えが決まったような?

        すぐに入れ替えとはいかないので時間は掛かってしまいますが

        2
        • 匿名
        • 2019年 10月 31日

        preはf-35で代替するんじゃなかったかな?
        追加購入分がそうだったはず。
        にもかかわらずB型が含まれているのがちょっと不安ですね。

        1
        • 匿名
        • 2019年 10月 31日

        そのPre-MSIP仕様のF-15Jの後継機が、現在調達中のF-35Aなのだけど?

        1
    • 匿名
    • 2019年 10月 30日

    一機当たり50億近くかかるのか…
    内容的にも改修と言うより変身の域に達してる
    ここまで来ると新造した方がマシに思えるが機体数制限があるから仕方ないか

      • 匿名
      • 2019年 12月 13日

      買ったばかりの63V1はどうすんだろうね

      3
    • 匿名
    • 2019年 10月 30日

    DSCAの資料を読む限りF-35のASQ-239ではなく
    輸出向けF-15E+に採用されているALQ-239 DEWSでは?

    • 匿名
    • 2019年 10月 30日

    F-15Eは結局マルチロール化するにあたって原型機から相当設計を見直したって話だけど、C型の親戚のJ型がマルチロール化できるのか?という疑問はありますね……
    レーダー機器の陳腐化とエンジン寿命以外はJ型はまだまだ飛べるだろうから、改修は素直に嬉しいですね

    • F-15大好き
    • 2019年 10月 30日

    運動性が良くないF-35が増える中、運動性の良いF-15を改良して残すのは、いい事だ。
    Pre-MSIPも機体寿命の尽きるF-2から剥ぎ取った装備で、近代化できないかな。

    • 匿名
    • 2019年 10月 31日

    なんかやっとこさ現代空軍として通用するぐらいの体裁が整いそうな感じだなぁ
    10年ぐらい前のF-Xは決まらねぇ、主力のF-15はアナログメーターだらけの旧式機、F-4がまだ飛んでるって
    絶望感が半端なかったぞ

    • 匿名
    • 2019年 10月 31日

    F-35Aは最新ロットでは90億円程度でしたっけ?
    改修を行っていない110機(単座98機、複座12機)の「Pre-MSIP」をどっかに売りつけて、アメリカ空軍のF-15EX(実現されるのなら)を購入・・・まあ、夢物語かな?

    • 匿名
    • 2019年 10月 31日

    前回の63v1へ換装する改修でも同じくらい費用がかかってたから驚かないが
    またコックピット改修やらないみたいだな
    記事では日本が独自にやるのでは?な書き方だけど
    わざわざ国内開発するとは思えんし改修なし確定でしょう

    • 匿名
    • 2019年 11月 02日

    中古車に金をつぎ込む道楽親父のように思えてしまう。
    手頃なのを買っちゃまずかったのか?

      • 匿名
      • 2020年 2月 04日

      手頃なの(F-35A/B)は買ってる
      ただ、F-35Aは高高度戦闘に向かないから、F-3を開発する事にした訳で…

      1
    • 匿名
    • 2020年 6月 07日

    2020年3月、防衛装備庁が「F-15の能力向上」について三菱重工業と契約したようです。
    本件について公表されましたね。
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    • papa
    • 2020年 8月 20日

    初期型の一部をブルーインパルスに転用すれば良いのに。

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