陸上自衛隊が装備している『12式地対艦誘導弾』を改良し、射程を延長する方向で防衛省が検討に入ったと産経新聞が報道している。
果たして、中国海軍の055型ミサイル駆逐艦に対抗出来るか?
産経新聞によれば、現在装備している『12式地対艦誘導弾』の射程は200km程度で、これを400km程度にまで延長するという話だ。
これは近年、中国海軍の艦艇や装備の近代化が進み、搭載される対地攻撃用の巡航ミサイルや、艦隊防空能力の向上が著しく、これを打ち破るためにも中国艦隊が手の届かない、遠方からの攻撃能力を高める狙いがある。

出典:陸上自衛隊12式地対艦誘導弾 重装輪車両に搭載された誘導弾発射筒
現在、中国海軍が装備する艦対艦(対地に転用可能)巡航ミサイルは、「CJ-10」の亜種、射程が800kmの「YJ-100」を搭載しているとされている。
これに対し『12式地対艦誘導弾』の射程延長版の400km程度では、中国海軍の艦艇から一方的に攻撃されるだけ、手が届かないという可能性もあるが、東シナ海から太平洋へ出ていこうとする中国海軍の艦艇は、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通過するため、この様な動きへの牽制には一定の効果があると見られる。
恐らく、今回の本命は『12式地対艦誘導弾』の射程延長版をベースに開発されると言われている『哨戒機用新空対艦誘導弾』の方だ。

出典:海上自衛隊 哨戒機P-1
これは海上自衛隊の哨戒機「P-1」に搭載する、91式空対艦誘導弾(射程150km)や、ハープーン(射程120~140km程度)の後継となる空対艦ミサイルで、『12式地対艦誘導弾』の射程延長版をベースに開発されるため、射程は同じく400kmになると見られる。
現在、中国海軍が装備する艦対空ミサイルは2種類あり、射程が200kmあると言われている長射程艦対空ミサイル「HHQ-9A」と、西側兵器のSM-2に相当する射程100km程度の艦対空ミサイル「HQ-16」を装備している。
艦対空ミサイルのHHQ-9A(長射程・低空目標は苦手)と、HQ-16(中射程・低空目標が得意)の組み合わせで、中国海軍の宿願であった艦隊防空の多層化が実現し、西側レベルと遜色がなくなった。
そのため、中国艦隊を叩くため哨戒機に『哨戒機用新空対艦誘導弾』を搭載すれば、これまでは長射程艦対空ミサイル「HHQ-9A」の射程内へ飛び込まなければならなかったが、今後は最大射程400kmという、「HHQ-9A」が届かない遠方から、一方的に攻撃することが可能になるだろう。

Attribution: 星海军事 / CC BY-SA 3.0055型駆逐艦のイメージ
今後、中国海軍の主力となる水上艦は「055型ミサイル駆逐艦」だ。
米国のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦をも上回る、基準排水量12,000トンの大型艦で、これは中国版イージス艦といわれた、前級052型駆逐艦から進化・発展した、正真正銘、中国海軍の最新鋭駆逐艦で、1番艦の「南昌」が中国海軍設立70周年を記念した観艦式で初披露された。因みに現在、同型艦を5隻も建造中だ。
この艦には、2種類のアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESA)を搭載し、1つ目はType346Bと言われるSバンドとCバンドのデュアルバンドAESA。2つ目は、XバンドのAESAで詳細は不明。055型にはXバンドAESAが搭載されているので、Type346BのCバンド部分は削除されている可能性が高い。
恐らく、レーダー性能は米海軍のAN/SPY-1と同等か、一部の性能は上回っている可能性すらある。
果たして『12式地対艦誘導弾』の射程延長版が、「055型ミサイル駆逐艦」の迎撃を掻い潜って、命中させることが出来るのか?
非常に気になる点である。
※アイキャッチ画像の出典:陸上自衛隊12式地対艦誘導弾
単体の攻撃の
能力も気になるけど飽和攻撃を命令出来ない
指揮の方が足かせかも…
開発するだけ無駄
どうせ開発完了するころには中国側がCEC相当のシステムを完成させて防空圏が延長、ミサイル発射母機ごと破壊されるに決まっている
高速滑空誘導弾の開発も進めてほしい。
高度50Kmまで打ち上げれば500Km先まで届く、滑空機
なのでエンジンが不要で金属の使用を最小限に抑えればレーダーにも見つかりにくい。
しかも軌道を自由に変更できるので対空ミサイルでも撃ち落としにくい、
音や赤外線を出さず命中するまで存在に気付かれない対艦・対地ミサイルになる。