韓国メディアが、韓国海軍が導入を予定している韓国型軽空母(実質的には強襲揚陸艦)の要求性能について報じている。
韓国型軽空母を大型輸送艦と偽らなければならない理由
韓国海軍は、韓国型軽空母建造(事業名:大型輸送艦-Ⅱ)を進めるため、空母設計に必要な技術や仕様を研究するための提案依頼書を配布し、今後、競争入札の形式で概念設計の受注業者が決定されるという。
今回、この要望書に盛り込まれた内容について韓国メディアが報じており、大まかにだが、韓国海軍が描く軽空母の実力と、不都合な韓国の事情が見えてきた。
まず、この軽空母にもっとも要求されるのは、短距離離陸・垂直着陸が可能な第5世代戦闘機「F-35B」運用能力と、高度な省力化技術の採用だ。

出典:public domain ワスプ級強襲揚陸艦6番艦「ボノム・リシャール」
韓国海軍にとって固定翼機を運用する空母建造は初めなので当然、運用ノウハウを持っていない。
F-35Bの排気熱に対応するため飛行甲板の耐熱化はもちろん、狭い飛行甲板で発艦や着艦を統制する誘導・管制技術や、韓国海軍にとって初となるデッキサイド式エレベーターの採用、駐機位置、整備スポットの位置など飛行甲板のレイアウトは、航空機運用効率に直結する問題なので、多くの研究と検証が必要となる部分だ。
さらに韓国では徴兵適齢期の人口減少に伴い、韓国軍が総兵力削減方針を打ち出しており、これに対応するため韓国海軍も艦運用に必要な人員を減らす必要があるため、今以上に高度な省力化技術採用は避けて通れない。
これ以外にも注目すべき点は、提案依頼書に海兵隊員や車両、武器、弾薬等を収容、艦尾に上陸用舟艇が収容できるウェルドックの検討記載があることから、韓国型空母は純粋な空母としてではなく、強襲揚陸艦に近い能力を併せ持っている艦という予想が成り立つ。

出典:public domain エア・クッション型揚陸艇
ただし韓国メディアは、水陸両用作戦で使用されるエア・クッション型揚陸艇は、地対艦ミサイルの性能向上で活動が制限を受け必要性が低下しているという点と、そもそもエア・クッション型揚陸艇を使用しなければならないほどの「大規模な上陸作戦」自体が非現実的だと指摘している。
韓国メディアによれば、大規模な上陸作戦は仁川上陸作戦(1950年)以降行われておらず、地対艦ミサイルの登場で、高価な強襲揚陸艦が上陸可能な海岸線沖合にまで接近し、70トンを超える貨物搭載が可能なエア・クッション型揚陸艇で戦力を送り込むという従来の作戦概念は「効果」を失いつつあり、イージス艦の強力な防空システムで敵地対艦ミサイルの脅威を排除し、小型上陸用舟艇によって戦力の分散を図った方が、安全で成功率が高く、万が一、1隻や2隻の上陸用舟艇が撃沈されても被る損失を最小化できると説明している。
そのため韓国型軽空母はエア・クッション型揚陸艇ではなく、小型上陸用舟艇と2028年までに戦力化される水上航行速度が向上(13km/h→20km/h)した新型水陸両用車を搭載して運用することになる。
ここで疑問点が出てくる。
過去に行われたノルマンディー上陸作戦や、仁川上陸作戦のような大規模な上陸作戦は非現実的=行われる可能性が低いと言っておきながら、なぜ排水量が3万トン以上と言われる韓国型軽空母に揚陸機能を求めるのか?
上記のような小型上陸用舟艇と新型水陸両用車を使用した小規模上陸作戦を実施するだけなら、可能性が低い大規模上陸作戦に備え建造した独島級揚陸艦2隻を転用すれば済む話で、韓国型軽空母から揚陸機能の取り除けば、より小型に韓国型軽空母を設計することもできるし、排水量3万トン以上大きさを維持したまま揚陸機能の取り除けば、固定翼の艦載機運用も可能な仏空母「シャルル・ド・ゴール」とほぼ同じ規模の中型空母を建造することも理屈的には可能なはずだ。

出典:public domain 仏空母「シャルル・ド・ゴール」
恐らく韓国が揚陸機能にこだわるのは、純粋な空母を建造すると中国や北朝鮮の反発し、韓国の政治・外交に負担になるからで、韓国型軽空母事業の正式名称が「大型輸送艦-Ⅱ」と呼ばれているのも、このような政治的な意図があるためだ。
韓国政府関係者も韓国型軽空母建造を「大型輸送艦-Ⅱ」と称しているのは「周辺国に配慮した結果で実質的には空母だ」と韓国メディアに本音を漏らしているので、恐らく間違いないだろう。
本来なら日本が空母改造を決定した「いずも型護衛艦」のように、韓国も「純粋な空母」を建造したいというのが本音だが、米国の要請で弾道ミサイル迎撃システム「サード」の国内配備を受け入れた韓国に中国が見せた反発と経済制裁、F-35A導入を進める韓国に北朝鮮が浴びせた罵詈雑言に近い批判と新兵器試射が、トラウマになっているのだろう。
以上のような理由から韓国型軽空母は、実際には使用される可能性が非常に低い揚陸機能をつけた大型輸送艦に偽る必要があるため、排水量3万トン以上という大きさの割に、航空機運用能力においては、日本のいずも型護衛艦とあまり変わりがない、無駄の多い設計になる可能性が高いだろう。
ただし、韓国が対外的配慮を捨て去れるのなら、韓国型軽空母は純粋な空母として設計されるかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:public domain 独島級揚陸艦
>エア・クッション型揚陸艇
これは韓国が買ったライセンス生産の台数が「4台」だけだからですね。
なので、独島艦、馬羅島で終わりです。
強襲揚陸艦は、その名目だと予算が獲得しやすいからでは?
(それではなければ予算が獲れないとも言えます)
竹島(独島)の防護、日本の奪回作戦からの防護って名目
竹島(独島)の防護、日本の奪回作戦からの防護って名目
↑
これは自分も思った。 あとは何でも日本に張り合いたがる国なんで見栄の為にも作りたがってる可能性。
君らこんなの作ってる場合?必要?優先順位違うでしょって感じ
海自が海外で「LPD揚陸艦」に分類されるおおすみ型を「輸送艦」として建造してますから、対外的アピールという意味では類似してますね。
いずも型のF-35B対応改修も「多用途運用護衛艦」ですから、呼称は重要です。
おおすみ型は上陸用ヘリ運用には機能不足でLCACと人員輸送に主眼を置いているので、輸送艦の位置付けで間違ってはいないのですが、韓国ほどあからさまではないですね。
いずも型改修後、新造した「多用途運用護衛艦」がDDMになるのか、「空母いぶき」のようにDDVになるのか、DDHのままか、はちょっと気になりますが
まあ日本は世界の通例からすればかなりおかしな艦種名を付けてる訳ですが、これは対外アピールというより国内向けのカモフラージュ、かつ予算対策と思われます。
実際、「みうら」型の分類記号は正直にLSTとなっており、海外の人から見れば「輸送艦」ではなく「戦車揚陸艦」です。
そして「おおすみ」型はその代艦として予算措置が行われたから「輸送艦LST」をそのまま引き継いでいる訳で、艦種の名称や記号を変更すると予算要求に際してそこを追及されやすくなるのです。
これは「はるな」型「くらま」型DDH(ヘリコプター駆逐艦)の後継たる「ひゅうが」型、「いずも」型にも同じ事が言えます。
訂正=「くらま」型→「しらね」型
そもそも旧海軍時代から「揚陸艦」を「輸送艦」と呼称し続けているので、今更な気もしますがね
1等輸送艦=駆逐艦ベースに機関を半減して大発を搭載、艦尾のスロープから揚降。現代だとアブサロン級的な性格か
2等輸送艦=戦車揚陸艦
過去の事例を鑑みれば、あちらに合理的思考や行動を求めことの虚しさは、誰もが認めるところです。
あれこれと考えてみるのはいいのですが、今回もくだらないオチのような気がします。
攻撃型イージス艦とかみたいなそもそもの役割解ってる? って言いたくなる面白艦船が出来るんだろーなぁ。楽しみですね。
どのみちお決まりの色々と盛り込んでどっち付かずの性能で使い物にならなくなるオチになると思う。
一番使えない装備がKorean乗組員ですからね。
アメリカがF35Bを売ってくれる保証は無いのにね…
>省力化が必要
毎回手抜きで余計に手間と予算を掛けるという矛盾
どちらにしても北朝鮮では無く対日本を意識して建造するのだから、間違えない程に『韓国は敵国』です。
いや、韓国は日本を敵国と認識している。
まぁ、作るので有れば是非あらかじめ 漂流した時に供えて船体各部にフックなどを付けておく事をお勧めします。
いつもの貧乏性から来る、「空母機能も強襲揚陸艦機能も、どっちも詰めとけ詰めとけ」という理由もありそう
取り敢えずF-35Bが飛べれば、満足だろうね。
その前に、売ってもらえるのか?
更に重整備はどうするのか?
そもそも、完成するまで国家として存在しているのか?
イージス艦の強力な防空システムで敵地対艦ミサイルの脅威を排除?
違うでしょ。
盛り込み過ぎなんだよな
ヘリ空母なら、軽空母サイズでも両立出来るかも知れないけど、
固定翼機(VTOR機込み)だと専用施設で場所を取るから、ドック付きだと米原子力空母クラスの大きさじゃなきゃ無理じゃね?
(後、エアクッション挺が的になる状況じゃ、水陸両用車も的になるんじゃね?)
台風で折れるのと転覆か座礁するのどれが早い?
トップヘビー造船国で空母作れるわけないだろ
対北朝鮮には不要だから日本に対抗したいだけ
そんな他国に配慮する国じゃないでしょ?
本来なら空母と強襲揚陸艦が欲しいけど予算が足りないからどっちの機能も持たせようとしてるんでは?
そもそも独島艦がそういう船だし攻撃型イージスとか言ってみたりK11複合銃作ってみたりとか全部のせ大好きじゃん
過去の戦訓が無いからとにかく機能盛り込んだほうがいいという考えなんでしょ
私もこの考えに1票。韓国人になって周囲全て敵国と考えてみると、どれだけ予算あっても足りずに作る船は重武装多機能化に向かうのは頷けます。まぁ世界初とか他にはない、みたいなキーワードが大好きと言う理由も50%はあるでしょうけれど。
空母では海兵隊員を寝泊りさせるスペースが足りなすぎ、
強襲揚陸艦では船速を高め辛い>合成風力が低い>艦載機があまり武器を積めない
どちらも盛り込もうとした場合、場合によっては最悪どちらもまともにこなせない
なんて事が起きるカモね?
韓国、2033年ごろ軽空母の進水可能…F35Bの代わりにF35Aを追加で20機導入へ
リンクさてさて・・・