軍事的雑学

軍事的雑学|空中空母の先駆け!B-36爆撃機に搭載された戦闘機XF-85“ゴブリン”!

今回は完全に管理人の趣味全開のテーマです。XF-85“ゴブリン”について書いてみます。

前代未聞の10発機!B-36爆撃機「ピースメイカー」

そもそもXF-85“ゴブリン”って何?と言うことで簡単に説明すると、米国空軍のB-36爆撃機「ピースメイカー」の話からになりますが、興味ある方はお付き合いください。

米国空軍のB-36爆撃機は、そもそも第二次大戦中に、対ドイツ戦を行っていた英国が陥落する場合を考えて作られた爆撃機です。英国がドイツに占領されると、米国本土から大西洋を渡って直接攻撃しようと言う発想です。しかし当時は空中給油が存在しない時代なので、爆弾の他に、大西洋を往復するための燃料が必要になります。検討した結果、ちょっと無理だよね~となったので、要求性能を下げて開発されたのがB-36爆撃機です。

要求性能を下げたと言っても、約4.5tの爆弾を搭載して、約6,500km(B-29の倍)の作戦半径を持つというモンスターです。

当然開発は難航、第二次大戦が終結してしまい、多くの軍用機開発計画が整理されていく中、B-36爆撃機の開発は続行され、1946年8月に初飛行、その後、量産されました。大きさを見ると完全にB-29が小型機に見えるほど巨大なB-36の機体が・・・

B-36自体も、とて興味深い飛行機です。

レシプロエンジン6発に、ジェットエンジン4発という前代未聞の10発機!レシプロエンジンの取りつけ方も、いわゆる推進式で、日本海軍が開発した局地戦闘機の震電と同じ方式。総馬力数はざっくり日本の零戦30機分相当

戦争が終結したにも関わらず、これほど巨大な爆撃機の量産・配備を進めたのは、核兵器の運搬目的

しかし核兵器の空軍独占が面白くない海軍は、大型化するジェット機に対応するための大型空母「ユナイテッド・ステーツ」の建造に踏み切ります。

この空母に核兵器搭載可能な大型艦上攻撃機A-3「スカイウォーリアー」を配備して、海軍への核攻撃付与を目指しますが、巨額の予算問題や、陸空軍から反対され中止に追い込まれます。この当時の国防長官ジェームズ・フォレスタルは、空母建造を推し進める海軍と、それに反対する陸空軍の板挟みにあい辞職し、その後、悲惨な最後を迎えます。

その後、朝鮮戦争で大型空母の必要性が高まり、海軍は大型空母「ユナイテッド・ステーツ」の代わりとなる、新しい大型空母を建造し、その1番艦を「フォレスタル」と命名しました。なんとも皮肉な話ですね。

追記:米空軍が唯一撃沈したことがある空母として、この「ユナイテッド・ステーツ」が挙げられます。もちろん皮肉ですけどね。

ロマン溢れるシステム!戦闘機搭載爆撃機=空中空母?

完璧に脱線した!話を戻します。

B-36を開発していた当時、空中給油なんてものは存在していないので、約6,500kmの作戦半径はいいけど、これをどうやって護衛するのか?こんな長距離を飛行できる戦闘機なんて存在しません。

そこで考えられたのが、何ともロマン溢れるシステム!

小型の戦闘機をB-36に搭載すればいんじゃね?敵機による迎撃が予想される空域に近づくと、搭載した護衛戦闘機を発進させて、その空域を離れたら護衛機を再び収納して基地へ帰投。言ってしまえばロマン溢れる「空中空母」ですよね!(笑)

その為に開発されたのがXF-85“ゴブリン”です。大きさは丁度、零戦の半分程度と本当に小さい!一応試験では1度だけ母機への帰還に成功していますが、結局、母機への帰還が困難、小型過ぎて性能不足のため計画が中止されてしまいます。

写真でも分かる通り、パイロットが乗っているので、機体の大きさがよく分かると思います。ほんと、おもちゃみたいw

だが、それが良い!

空中給油の技術が確立してなければ・・・

XF-85“ゴブリン”は失敗してしまいましたが、米空軍は、爆撃機の戦闘機携行というコンセプトを、まだまだ諦めません。

今度は「XF-85“ゴブリンは、爆撃機の中に収納しようとしたから失敗したんだ!」と、ここで発想を転換して「今度は、収納せずに爆撃機にくっつければ良いんだ!」と、ロマンを拗らせていきます。(笑)

面白おかしく書きましたが、要するに戦闘機の航続距離を延長するために、爆撃機にくっつければ良いだろうという話。

もう、言葉はいりません。ただ見ていただければ・・・

胴体下にくっつけてみたり・・・

主翼端に戦闘機をくっつけてみたり・・・

そして、今度は「敵戦闘機による迎撃の可能性が高い空域に近づくからダメなんじゃね?」と、さらに発想を進化させて、「目標の近くまで爆撃機で戦闘機を運んで、この戦闘機に攻撃させればいんじゃないか?攻撃が終わった後、また爆撃機が戦闘機を回収して帰投すれば、全ての問題がオールクリア!」と考え・・・

XF-85“ゴブリン”の失敗を活かし、機体を完全に収納するのではなく、コックピットと機体の一部だけを機体内に収納して、残りの部分は爆撃機の外に出しっぱという乱暴な方法を採用します。

一応、試験は成功し、当初の目的の攻撃任務から、偵察任務に用途を変更し、正式に発注され実働部隊で運用してみましたが、やはり母機との接合が危険だと言うことになり、U-2偵察機の登場もあって、計画は中止になりました。

そして戦闘機の航続距離延長は、空中給油の技術が確立されたことで解決し、この様なロマン溢れる手法は消え去ったと言う話です。

本当に今見ると、バカバカしいとしか言えませんが、もし空中給油の技術が確立されてなければ、もしかしたら、こんな感じの戦闘機が現代の空を飛んでいたのかもしれませんね。

そしてXF-85“ゴブリン”の話と言っていたのに、全く違う話になってしまいましたが、これはこれで良いかとw

次は何の記事を書こうか、うーん悩む・・・

 

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 3月 05日

    空軍が核兵器独占したい→弾道ミサイル派VS爆撃機派の結果産まれそこなったXBー70ヴァルキリーとか?(ネタ)

    •  
    • 2019年 3月 05日

    なんか男心をくすぐるガジェットみたい。

    • けんじ
    • 2019年 3月 06日

    飛行機じゃないけれど、昔、サブマリン707という漫画に空母の下に潜水艦を仕込んでいたよ。

    • 匿名
    • 2019年 3月 08日

    管理人さん毎度面白い記事をありがとうm(_ _)m
    次のネタ、ツインマスタングなんてどうでしょう?

    • 匿名
    • 2019年 3月 08日

    D-21という無人偵察機があった。
    SR-71の子機といった感じの機体。
    実際にはB-52から発射されて運用された。

    • 匿名
    • 2019年 3月 10日

    昔、ガンドライバーという漫画で超大型飛行船から複葉機が出撃するってネタあったなぁ。

    元ネタこれだったのかなぁ。

    • 匿名
    • 2019年 5月 13日

    ツポレフTB-3とi-16の組み合わせの方が先駆けじゃないかな? 宮崎アニメ
    に出てきそうな機体同士なのが凄いよ

    • おっさん
    • 2019年 8月 19日

    ここからトマフォークに発展したとか?

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