軍事的雑学

軍事的雑学|もし空中給油機がなければ、空母は存在していないかも?

空中給油機はといえば、結構地味なイメージがしますが、実は作戦の範囲を広げる重要な支援航空機なんですよ。

一番最初にイメージ出来るのは、戦闘機や攻撃機などに空中で給油すること。これは作戦時間を伸ばすと言う意味で非常に重要です。

あまりにもそのまま過ぎて拍子抜け?

管理人もそう感じています。w

空中給油機はなぜ必要か?

では、本題です。空中給油機の価値を最大限高める使用方法とは、何でしょうか?

それは、戦闘機や攻撃機の最大性能を発揮させてあげられることです。

Wikipediaなんかで、戦闘機や攻撃機の仕様なんかを見ると、最大離陸重量という言葉が出てきます。これは言葉通り、最大離陸重量で定められた重量以内なら、仕様で定められた滑走距離内で離陸が可能になるということ。

逆を言えば、最大離陸重量で定められた重量をオーバーすれば、仕様で定められた滑走距離以上の滑走が必要だったり、そもそも離陸が不可能ということ。

意外と知られていませんが、戦闘機や攻撃機が、燃料を満タンに積み込み、胴体や主翼下の全てのハードポイントにミサイルや爆弾、増槽などを携行したら、何と最大離陸重量をオーバーするんです。

そのため作戦に合わせて調整する必要があるんです。

例えば、出撃基地からそう離れていない場所への爆撃任務だったと仮定します。この任務を達成するには爆弾が10発必要で、攻撃機1機に最大5発搭載できるとします。幸い目標は非常に近いので燃料を満タンにする必要がなく、必要な燃料と爆弾5発を搭載しても最大離陸重量内なので、この任務には攻撃機が2機で十分ということになります。

しかし次の任務は、遠方の目標に対しての攻撃で、任務にはやはり爆弾10発が必要です。今度は燃料を満タンにする必要があるので、最大離陸重量内に重量を収めるには、攻撃機1機に最大3発までしか爆弾が搭載できません。そうなると今回の任務には4機の攻撃機が必要になります。

ここで空中給油機の出番です。

攻撃機1機に爆弾を5発搭載して、燃料を少なくし最大離陸重量内に重量を収めます、そして離陸後に給油機から空中給油で燃料を満タンにします。そうすれば遠方の目標に対しても、攻撃機2機で事足ります。残りの2機は他の任務に回せるので、非常に効率的で、戦力を使う事ができるようになるのが空中給油機、最大の特徴です。

分かって頂けたでしょうか?

艦載機にとって空中給油機は神

もう一つ例をあげると、空中給油機は空母から飛び立つ艦載機にとってまさに救世主、陸上機は艦載機に比べて比較的長い滑走距離がとれますが、艦載機は滑走というよりカタパルトによって、ぶん投げられ飛んでいくので、陸上機よりも最大離陸重量がシビアです。

そのため艦載機は、空中給油を前提に作戦を行うのが当たり前になっています。もし空中給油が存在しない世界なら、空母の作戦効率は非常に低くなり、もしかすれば空母は廃れていたかもしれません。

それほど空中給油機の存在は、現代の軍事航空作戦において重要なものになっています。

と、このまま締めようかと思いましたが、艦載機の話がでたので、ついでにもうひとネタw

空中給油って2つの方法があるんです。

1つ目は、フライングブーム方式と言って、給油される側は、空中給油機と速度を合わせて飛行すれば、あとは空中給油機側の乗員が勝手に給油してくれると言うもの。しかも給油スピードが早い。設備が大掛かりになり、給油機には給油専門の乗員が必要になるなど、カネがかかる。F-15やF-16、F-22など米国製空軍機が主に採用している方式です。

2つ目はプローブアンドドローグ方式と言って、給油される側の眼の前に垂らされたホースに、給油用のパイプを差し込んで給油するタイプ。これだと専用の空中給油機でなくても給油機の代わりができ、給油専門の乗員は不要。F-18やF-35Cなど米国製海軍機が主に採用している方式です。

なぜ米海軍がプローブアンドドローグ方式を採用したかと言うと、限られた艦載機しか収容できない空母では、F-18がF-18から給油を受けたり出来るよう、専用機が不要な方式を採用しています。

うーん、空中給油機も知れば知るほど奥が深いw

簡単にですが、空中給油機についてまとめてみました。以上です。

追記:空中給油が存在しない世界なら、空母の作戦効率は非常に低くなり、もしかすれば空母は廃れていたかもしれません。という意味は、空中給油が存在しなければ、空母からの発艦重量を超過するので、航続距離を取れば搭載兵器が少なくる or 兵器搭載量をとれば航続距離が短くなる ⇒ 解決するためには、空母をより大型にして滑走距離を長くする必要がある ⇒ 空母建造と運用費用がより高騰したら、費用対効果の面から廃れていたかもと言う意味です。

 

※2012年3月12日情報更新

軍事的雑学|日本が導入する「イージス・アショア」って何だ?前のページ

軍事的雑学|ステルス戦闘機「F-35」は勝手に整備も出来ない?次のページ

関連記事

  1. 軍事的雑学

    軍事的雑学|中国が空母にステルス戦闘機を搭載?ステルス戦闘機「J-31」の長所と短所

    中国共産党の機関紙「人民日報」が、将来、空母の艦載機として中国が開発し…

  2. 軍事的雑学

    K11複合型小銃の復讐? 韓国、M16を凌駕する6.8mm弾使用の次世代韓国型小銃を開発

    韓国のS&Tモチーフと豊山は10日、5.56mmNATO弾を使用する米…

  3. 軍事的雑学

    軍事的雑学|韓国のF-35整備問題、「日本に技術的従属を強いられる」と警告する韓国議員

    米国は韓国とのFMS方式によるF-35購入交渉時、技術統制及びオーバー…

  4. 軍事的雑学

    ロシア製戦闘機を買うと損をする? SU-30SMを導入したベラルーシの後悔

    ベラルーシ空軍はMiG-29BMの後継機として、多用途戦闘機「SU-3…

  5. 軍事的雑学

    韓国と共同開発中の「KFX」から撤退? インドネシア空軍がF-16Vを32機購入すると表明

    10月28日、インドネシア空軍の参謀総長は会見で、米国のロッキード・マ…

  6. 軍事的雑学

    2019年ミリタリーニュース10選、日本の空を守る「F-15JSI」と次期戦闘機「F-3」

    早いもので2019年も、あと数時間で終わりを迎えるが、今回は航空万能論…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 2月 04日

    なるほど。すごい分かりやすいし面白かった。

    >管理人さん
    あっちのブログの韓国人同士の会話、アンカー使うかツリー表示してくれませんかね?
    ちょっと分かりにくいので・・・

    • 匿名
    • 2019年 2月 08日

    個人的にはKC-46ペガサスが開発炎上、大幅遅延になったことが驚きです。イマドキ空中給油機で問題多発、日程が大幅遅延になるとは、という感じです。
    このボーイングといい、F-35のロッキードマーチンといい、いったいどうしちゃったんですかねぇ。。。。

    • 匿名
    • 2019年 2月 16日

    逆。
    空中給油機は飛行空母としての側面がある。それも迅速に配置できて、十人くらいで動かせる使い勝手とコスパに優れた軽空母。
    空中給油機がない世界だと、むしろ空母が多い世界になる

    • 名無し
    • 2019年 3月 12日

    給油機が無ければ陸上機の戦闘行動半径も遥かに狭まるんで
    移動できる空母の有用性はより増すだろ。

    • 匿名
    • 2019年 4月 16日

    空中給油機は空軍の使うのかな?海軍は大きい給油機もってないし。
    空軍の給油機から給油したら燃料代はどっちの経費になるのかな?

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    空飛ぶスナイパー? ロシアの戦闘機「Su-57」は米軍の航空支配を効果的に破壊す…
  2. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
  3. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  4. 軍事的雑学

    打つ手なし? ドイツ軍兵士は一般的な乗用車を「プーマ歩兵戦闘車」と思い込まされ訓…
  5. 軍事的雑学

    ようやく本領発揮、世界最強の戦闘機F-22Aが「神の視点」を味方に提供
PAGE TOP