軍事的雑学

イスラエルが開発した「異次元」の戦闘システム、開発中の装甲戦闘車「カルメル」公開

イスラエルは現在、主力戦車「メルカバ Mk 4」にも応用可能な技術を搭載した、新しい装甲戦闘車のプロトタイプを公開し、世界に驚きを与えている。

参考:IDF UNVEILS ITS FUTURE ARMORED FIGHTING VEHICLE: THE CARMEL 

戦闘はゲームと何も変わりがない時代がやってくるかもしれない

イスラエルは、世界の主流な要求とは異なる独自色の強い主力戦車「メルカバ」シリーズを開発し続け、現在は2004年から配備が始まった「メルカバ Mk.4」を運用中だ。

メルカバ最大の特徴は、強固な防御力で人的資源(人口が少ないという意味)の少ないイスラエルにとって、人命の損失は短期間で補充がきかず、損失はそのまま戦力の低下に繋がるため、同世代の主力戦車よりも防御が強固な主力戦車(装甲車も)を独自に開発し運用を続けてきた。

現在、開発中の「Mk 4 Barak」にもAIやVRヘッドセットなどを導入し、戦車運用に関する業務を簡略したり、360度の視界を確保するなど先進性を高めているが、今回、公開された3つの装甲戦闘車「カルメル」のプロタイプと比べれば、その先進性も霞んでしまうかもしれない。

出典:イスラエル国防省がアップしたYouTubeのスクリーンショット

エルビット・システムズが開発したプロタイプは、車体に搭載された数多くのカメラから提供される映像を合成し、ステルス戦闘機F-35のために開発された「ヘッド・マウント・ディスプレイ」を通じて、装甲車の周囲360度を見渡すことができ、大型のタッチ式ディスプレーにより装甲戦闘車の全てをコントロールすることが出来る。

出典:イスラエル国防省がアップしたYouTubeのスクリーンショット

ラファエルが開発したプロタイプは、5面の大型ディスプレーを繋ぎ合わした超巨大ディスプレーに、拡張現実技術を用いて必要な情報を的確に表示させることで判断の効率を上げ、AIによる搭載兵器の制御で「自律的」な任務の遂行が可能になっている。

出典:イスラエル国防省がアップしたYouTubeのスクリーンショット

イスラエル・エアロスペース・インダストリーズが開発したプロタイプは、巨大なパノラマスクリーンを装備し、XBOXのコントローラーを使用して操作を行い、さながらテレビゲーム感覚で戦闘を行うようになっている。

この3つのプロタイプに共通するのは、乗務員を従来の3人から2人に減らし、AIを活用することで車両管理や戦闘行為を補助し、乗務員にかかる負担を減らしているという点で、多くの乗組員が必要な水上艦や潜水艦で進む省力化が、戦闘車両にも求められる時代が到来したのかもしれない。

さらに付け加えるなら、イスラエルの軍人で、主力戦車「メルカバ」シリーズの生みの親として有名なタル将軍曰く「戦車が戦場で生き残るには(戦車長、砲手、操縦手、装填手)最低4名の乗員が必要である」という理念の元、自動装填装置の採用を頑なに拒んできたイスラエルが、ここまで思い切った戦闘車両システムを開発するとは本当に驚きだ。

動画を見た限り、さながらゲームセンターにある大型ゲームマシーンと見間違えてしまうほど、従来の戦闘車両とはかけ離れているのだが、これを実戦経験豊富なイスラエルが開発したと言われれば、それ以上の批判が出来なくなる。

多くの方が、戦闘車両が「これでいいのか?」と思ってしまいたくなるだろうが、このプロトタイプについてイスラエルは、米軍を含めた多くの国が興味を持っていると主張し、将来、開発される戦闘車両に装甲戦闘車「カルメル」のコンセプトが採用される可能性を示唆している。

 

※アイキャッチ画像の出典:イスラエル国防省がアップしたYouTubeのスクリーンショット

関連記事

  1. 軍事的雑学

    レア映像!中東での実戦任務に「ビーストモード」状態のF-35Aが出撃

    アラブ首長国連邦に配備された米空軍のF-35Aが、ビーストモードと呼ば…

  2. 軍事的雑学

    50発射撃すると爆発する韓国のK11複合型小銃、開発の失敗を認め「開発中止」提案

    韓国が国内技術だけで開発し「名品武器」と、散々自慢していた「K11複合…

  3. 軍事的雑学

    軍事的雑学|伝説のステルス攻撃機「F-117」が米国で訓練飛行を再開!事実上の現役復帰か?

    2008年に全機退役したが、2017年中東地域に再配備され、一時的に任…

  4. 軍事的雑学

    ステルス戦闘機F-22、製造ライン再開・再調達に約644億ドル(約7兆円)必要

    米議会は米空軍に対し、F-22の製造ラインの再構築及び、近代化を施した…

  5. 軍事的雑学

    極超音速飛行が第6世代機の必須条件に?革命的な「極超音速エンジン」のテストに成功

    英国のリアクション・エンジン社は、超極音速空気呼吸エンジン「サーブル・…

  6. 軍事的雑学

    次世代小銃は発砲音も閃光もなし?米陸軍、ステルス小銃を開発

    米陸軍は最先端技術を用いて、小銃発砲時の騒音と閃光を無くし、敵に気づか…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 8月 06日

    僕が一つだけ言えるのは、XBOXのコントローラーは予備をたくさん搭載しておいたほうが良いということだけです。
    接点復活剤も忘れずに積みましょう。

      • 匿名
      • 2019年 8月 06日

      素晴らしい着眼点です(*^^*)

      • 匿名
      • 2019年 8月 06日

      先に書かれていたw
      皆思うところは一緒か

      • 匿名
      • 2019年 8月 09日

      そんなに壊れやすいんか。
      ゲームのコントローラーがココムなくなったけど、
      そういうのに引っ掛かる時代が来るのかね。

      というかバーチャロンやなぁ(じじぃ)

    • 匿名
    • 2019年 8月 07日

    ゲーマーが軍部から熱い眼差しを受ける日は遠くない…

      •  
      • 2019年 8月 14日

      アイアンドーム

      • 匿名
      • 2019年 8月 29日

      百万のニート戦士を擁する我等が国は世界最強!

    • 匿名
    • 2019年 8月 07日

    二人だと撃破された時の被害も少ないし、少人数化は人的資源を守る最短ルートだとは思う

    • 匿名
    • 2019年 8月 07日

    確か米国の一部兵器もゲーム用コントローラーで操作可能でしたね。艦船だった気が…
    ゲーム感覚で命のやり取りをする、そんな時代になってしまったんですかね

      • 匿名
      • 2019年 10月 19日

      単純に今まで使われていた武器のコントローラーよりxboxのコントローラーが使いやすかっただけやぞ

    • ならリモコンにせば良かろに
    • 2019年 8月 08日

    もう少しがんばりましょう

ポチって応援してくれると頑張れます!

最近の記事

関連コンテンツ

PAGE TOP