軍事的雑学

軍事的雑学|狙われたら最後?ASM-3を超える最強対艦ミサイル「ブラモス」が“最凶”へ進化

ロシアの“ロシースカヤ・ガゼータ”によると、ロシア・インドが共同開発した超音速巡航ミサイル「ブラモス」を改良して射程を500km以上にすると報道しています。

参考:Скорость крылатой ракеты BrahMos увеличат до 500 километров

十分に恐ろしいブラモスが最凶へ進化する?

ロシア・インドが共同開発した「ブラモス」とは、ロシアが開発した「P-800オーニクス」を元に開発された、世界最速の超音速巡航ミサイルです。

水上艦、潜水艦、陸上、航空機等、あらゆる場所から、水上・陸上の目標を狙うことが可能。

ブラモス最大の特徴は、マッハ2.8というとんでもない速度で飛んでいきます。

出典:public domain 超音速巡航ミサイル ブラモス

そのため推進方式は、固体燃料ロケットによる初動加速後、ラムジェットによる推進に切り替わり、最大射程は300km前後と言われています。

命中率も非常に優秀で、目標への着弾誤差は1m以内。

このブラモスを、射程を500kmまで延長し、速度をマッハ4.5まで改良すると言っています。

恐ろしい・・・ もはや最凶と言っていい。

ただ、日本だって負けてはいません。同じ様な性能のミサイルを開発する方針です。

3月に防衛省が、空対艦ミサイル「ASM-3」をベースに射程を400km以上に延長する形で、新型ミサイルを開発すると報道がありました。現在の「ASM-3」は射程200km程度、マッハ3.0程度の性能ですが、これを長射程化(400km以上)する計画です。

ただ残念なのは、ブラモスとは違い速度アップにつていは言及されていないこと。

 

もはやロシアもインドも国際的な規制を守る気がない

今回報道のあったブラモスの射程延長型より恐ろしいミサイルが開発中です。

ブラモスⅡ(ブラモス ブロック2とは別物)と呼ばれる現在、ロシアとインドが開発中のブラモスのステルスバージョン。これはブラモスを、ただステルス形状に変更しただけではなく、もはや別物だと思っていい。

Attribution: Shiv Aroor / CC BY-SA 2.5 IN Brahmos-IIの縮小モデル

射程は450km、速度はマッハ5.0を超えると言われていて、最大でマッハ7.0に到達するとか・・・ あくまで開発段階の情報なので、詳細は不明です。2020年までにテストが行われるようです。

恐ろしすぎる・・・

これさえあれば、ブラモスの改良版なんて必要なくない?

ただ、このミサイルは「ミサイル技術管理レジーム(MTCR)」という規制に引っかかる可能性が高い。大量破壊兵器の運搬手段である、ミサイル技術やそれに付随する技術について輸出等を規制する枠組みで、具体的に言えば、射程300km以上、弾頭500kg以上のミサイル、技術、装置、材料の輸出を規制しています。

このMTCRに、ロシアもインドも(日本も)加盟しています。

要するに、日本がASM-3の改良版を独自の技術で改良(射程300km以上)するのであれば問題なし。しかし輸出は無理。

ブラモスはロシアの技術を元にインドと共同開発したため、“ミサイル技術やそれに付随する技術について輸出等を規制”というMTCRに引っかかる為、射程が300km以内で開発し規制を回避していました。

しかし今回のブラモスの射程延長型や、ブラモスⅡは、完全にMTCRの規制に引っかかります。

一応、ロシアはMTCRを守る気があったようで、ブラモスⅡの射程を290kmに制限を主張、インドはMTCRを守る気がなく、射程延長(450km)を主張し対立している的な話もあったようですが、ここに来て、今回のブラモスの射程延長型の開発報道・・・

きっとINF条約廃棄が関係しているんでしょうね。

 

ブラモス級の対艦ミサイルは発射されたお終いか?

一旦、規制の話は忘れて、このミサイルが、どれほど凄いのかを見てみます。

マッハ5を時速6,000km(計算しやすいよう端数を切り捨て)とすると、10分1000km、1分100kmも飛べる事になります。

ブラモスⅡ(射程450km、マッハ7.0)なら、大体3分半程度で目標に着弾。

ブラモス改良型(射程500km、マッハ4.5)なら、大体6分程度で目標に着弾。

ASM-3改良型(射程400km、マッハ3.0)なら、大体7分程度で目標に着弾。

こう見ると、射程を延長しただけのASM-3改良型が、目標到達まで遅いように感じますが、十分恐ろしいです。

最近、日本がF-35用に導入すると報道が出た、ステルス巡航ミサイルの「Joint Strike Missile(JSM)」は、亜音速でしか飛行できません。JSMを最大射程280kmギリギリで発射した場合(マッハ0.8で計算)、約17分程度で目標に着弾。

あくまで発射した瞬間に、最大速度まで加速するというあり得ない条件で計算しているので、実際には着弾まで、もっと時間が掛かります。それでも亜音速の巡航ミサイルに比べ、ブラモスやASM-3に狙われると、どれだけ対処する時間が短いかが、なんとなく分かると思います。

出典:海上自衛隊 護衛艦ちょうかい

もしレーダーで、このミサイルを探知しても、交戦機会は1回が限界でしょうね。もし迎撃に失敗すれば、こんな超高速で迫ってくる目標を「ファランクス(有効射程1.5km)」で叩き落とせるとは思えない(笑)

もはや個艦防空や、艦隊防空レベルでは対応不可能な次元で、空母を随伴させるか、基地からの航空支援で、艦隊を中心に1000km範囲を警戒・防空し、発射される前に発射母機(航空機・水上艦)を叩かないと、長射程化していく超音速対艦ミサイルは防げないような気がします。

本当に恐ろしい時代です。

 

※アイキャッチ画像の出典:Attribution: Anirvan Shukla / CC BY-SA 3.0 ブラモスと、小型化されたブラモスM

軍事的雑学|スペア部品が足りずF-35が飛べない?トルコ外しで部品供給体制に問題が発生!前のページ

2月のF-2墜落事故に続き、航空自衛隊のF-35Aステルス戦闘機1機が訓練中に消息を経つ次のページ

関連記事

  1. 軍事的雑学

    ロシア陸軍、主力戦車T-90の最新バージョン「T-90M Proryv」を実戦部隊に配備

    ロシア陸軍は主力戦車「T-90」の最新バージョン「T-90M Pror…

  2. 軍事的雑学

    F-22再生産を支持した豪州、今度はステルス爆撃機「B-21 レイダー」購入を検討か?

    オーストラリアメディアは、米国のロス商務長官がオーストラリアへのB-2…

  3. 軍事的雑学

    軍事的雑学|韓国の打算!韓国次期イージス艦へ最新型「SPY-6」レーダーを導入する迷案

    米国は、この状況を打破するため韓国と日本、両国向けに製造されているAN…

  4. 軍事的雑学

    ドイツ軍の軍事機密が流出、売却処分したパソコンに防空システムの情報が残ったまま?

    ドイツメディアは16日、ドイツ軍の機密情報が入った中古のノートパソコン…

  5. 軍事的雑学

    護衛艦「まや」も搭載可能? 米海軍、極超音速ミサイル「SM-6 Block IB」2024年迄に実用…

    イージスシステムを搭載した護衛艦「まや」は3月19日、ジャパンマリンユ…

  6. 軍事的雑学

    これが噂のライトニングキャリア!米海軍、F-35B編成で空母化した強襲揚陸艦「アメリカ」公開

    強襲揚陸艦「アメリカ」は東太平洋上で、13機以上のF-35Bを搭載を搭…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 4月 09日

    対艦ミサイルの進化に防空システムの進化が追いついてない。対空レーザーが実用化されるまでは早期警戒機、又は早期警戒ヘリを搭載した航空機運用艦が無いと、長射程の超音速対艦ミサイルを保有する国には対抗できなくなりつつある

    1
    • 匿名
    • 2019年 5月 25日

    いい事づくしのような話だけど、ミサイルの誘導部分が温度に耐えられるのだろうか?

    • 匿名
    • 2019年 6月 08日

    てか、当たるのか?

    • 匿名
    • 2019年 6月 17日

    多分衛星で誘導するのよね?
    そうなると宇宙での戦闘が恒常的になるのか

    • 匿名
    • 2019年 10月 23日

    記事によって文体が違うので、執筆者は複数人居るね?
    それと屡々残念な誤植があるし、筆が走って主語述語が合わない所がある。
    でも、いつも深い内容で毎日UPされているので楽しみにしています。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    再掲載|英海軍の闇、原潜用原子炉の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  2. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
  3. 軍事的雑学

    リチウムイオン電池採用艦!日本のそうりゅう型潜水艦11番艦「おうりゅう」就役に世…
  4. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  5. 軍事的雑学

    空飛ぶスナイパー? ロシアの戦闘機「Su-57」は米軍の航空支配を効果的に破壊す…
PAGE TOP