英米/日米が進める「クロスデッキ(空母を共同使用)」に対してオーストラリアは、もっと広い意味での「クロスデッキ」戦略を進める必要があると主張している。
参考:Marine F-35 cross-decking with HMS Queen Elizabeth proves operational tactic
オーストラリアが提唱する米国との「クロスデッキ」化は、オーストラリアしか得をしない
英海軍の空母「クイーン・エリザベス」は同国空軍から派遣されるF-35B部隊だけでなく、米海兵隊所属のF-35B分遣隊を受け入れることで米国と調整を進めており、英海軍の艦隊司令官であるジェリー・キッド副提督(中将相当)は「英米はもはや相互運用について話し合っているのではなく、これまでに見たことがない次元の統合(英米両軍)について話し合っている」と語った。
更に副提督は、このような統合はこれまで「前例」がなく、このような統合を実現できる2つの国の組み合わせは「英米以外」にないと付け加えた。

出典:Dave Jenkins – InfoGibraltar, File:HMS Queen Elizabeth in Gibraltar – 2018 / Dave Jenkins / CC BY 2.0 クイーン・エリザベス級空母
日本も航空自衛隊がF-35Bを調達し飛行隊の編成が完了するまで、海上自衛隊の空母化された「いずも型護衛艦」に、米海兵隊から派遣されたF-35B部隊を受け入れることになっている。
このような複数の国が空母を共同使用することを「Cross Deck(クロスデッキ)」と呼び、オーストラリも、英米/日米のクロスデッキ化に続くべきではないかという意見が出てきた。
このような同盟国間での空母共用は合理的な選択肢であり、大規模な戦争(もしくは紛争)に発展するまで「無条件」に米軍が介入するとは限らなくなってきた現状を考えると、米海兵隊と英日海軍との空母相互運用は万が一の際の保険=米軍介入を促進する効果が期待できるとオーストラリアは見ている。
要するに軍事的側面からみて、地域の安定を維持するためのコスト負担なしに米軍が介入する保証は得られないと言いたいのだろう。

出典:Public Domain 真珠湾に到着したキャンベラ級強襲揚陸艦
オーストラリアには、スキージャンプ台を備えたキャンベラ級強襲揚陸艦(満載27,800トン)を2隻運用中だが、STOVLタイプの固定翼機(=F-35B)の運用能力を持っておらず、そのためもしF-35Bの発着艦能力を持っていたとしても、F-35Bを十分に運用するだけの支援設備(航空燃料や弾薬を備蓄するためのスペースがない)がないため出撃回数に制限がつく。
過去、オーストラリアはキャンベラ級強襲揚陸艦を改修(飛行甲板の構造や耐熱強化、燃料や弾薬の備蓄庫増設など)しF-35Bの運用能力を獲得するためには、1隻あたり約5億豪ドル(約370億円)が必要になるという検討結果が存在するため、恐らくキャンベラ級強襲揚陸艦を改修する可能性は殆どなく、どうしてもF-35Bを運用する空母が欲しいなら新規で建造したほうが安い。
このようなコストの問題からオーストラリアは、もっと広い意味での「クロスデッキ」戦略を進める必要があると主張している。
これはオーストラリア自体がアジア地域に隣接しているため、国自体を「空母」として定義し米軍と共同使用する「クロスデッキ化」を進め、オーストラリア空軍も米空軍の航空作戦を支援することで、地域の安定を維持するために貢献すべきだという意味で、米国は、米海兵隊が駐留するための施設(港湾施設)をオーストラリアのダーウィン港から約40km離れた場所に建設することで両国が合意しており、このような案件自体が豪米のクロスデッキというわけだ。

出典:Public Domain F-35B
しかし、既存のダーウィン港を使用できれば、新施設建設にかかる費用約3億豪ドル(約220億円)自体が必要ないわけだが、オーストラリア(実質的に売却を決定したのは準州ノーザンテリトリー)はダーウィン港の管理権(99年間賃貸)を5億600万豪ドル(約400億円)で中国企業の嵐橋集団に売却済みで、中国の息がかかるダーウィン港を利用するのは不味いという意味だ。
ダーウィン港はオーストラリア北部にある港湾施設の中で唯一、大型艦が接舷できる桟橋をもっているため商業的にも軍事的にも価値の高い拠点だ。
準州のノーザンテリトリーは、大金に目がくらみ管理権を中国企業に売却してしまったが、米国は約3億豪ドルもの費用を投資する羽目になったというのが事実で、米国から見ればオーストラリアは米国以外=中国ともクロスデッキ化をし、双方から投資を引き出しているに過ぎない。
この辺りの事情を踏まえれば、オーストラリアが提唱する国自体を「空母」として定義し米軍と共同使用する「クロスデッキ化」が、地域の安定を維持するためのコスト負担だと受け取るかは非常に微妙だと思われる。
※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊
流石オーストコリアと言われるだけはあるな
新たにアメリカ海兵隊用の港湾を作るんだし
普通にF-35Cを導入してキャンベラ級に載せる
オーストラリアは空軍基地をアメリカ空軍に提供するだけで良いよね?
オーストラリアは、政府も、州も、アメリカと中国の間でコロコロしてるコウモリ、韓国みたいなもの、オーストコリアだからなあ。
ノーザンテリトリー準州の人口は25万人、内、ダーウィンの人口が12万人、
嵐橋集団は25年間で2億豪ドル(約160億円)の投資も約束してるが、やらんだろうね。
賃貸料が4億円/年、投資が約6.4億円/年・・・まあ、人口、政治資金(前の準州知事、落選した)とか、アンドリュー・ロッブ前貿易・投資相(嵐橋集団の顧問に就任してた 年俸7千万円)にとっては大金、売り払っても無問題だったんだろう。
中国による汚染度って意味では地下資源の開発会社、南部のシドニー、キャンベル(不動産)の方がむちゃ酷い
まあ、余り切迫した危険が無いから、ノンビリしてるね。
キャンベラ級の甲板を耐熱処理するだけでも、クロスデッキに使えると思うが。
燃料や弾薬は装甲トラックに保管とか。
予算の関係で頓挫したけど、もともとキャンベラ級に必要な改修をしてF-35B搭載の話しはあったのだから、
F-35Bを買わないまでも、クロスデッキ化の為にキャンベラ級を改修すればいいだけ。
空母持ってないとか突っ込む話しではない。
そもそもキャンベラ級の舳先に変な飾り付けてるのが最高に馬鹿
蛙喰いと交渉すればいいのに……
冷戦華やかなしり頃、中ゾヌが唱えた「日本列島不沈空母」を今頃持ち出すとかいかれている
金はともかく自動車すら自作できない非工業国が母艦機能を代替できるはずないでしょ