日本関連

ベル「水陸機動団にAH-1Zが最適」、陸上次期戦闘ヘリ選定へアピール

MAST Asia 2019に参加しているベル・ペリコプターが、陸上自衛隊の水陸機動団にとって、AH-1Z ヴァイパーが最適であるとアピールした。

水陸機動団を創設した日本には、AH-64EではなくAH-1Zが最適か?

6月17日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕したMAST Asia 2019は、海洋及び航空安全保障に関連した防衛装備・技術に関する展示・論文発表を行うシンポジウムで、欧米などで防衛装備を製造する企業、約70社が参加している。

因みに、MAST Asiaは、日本で開催される唯一の国際防衛見本市だったはずだが、ロンドンで開催されていた総合防衛・セキュリティ展示会「DSEI」が、2019年11月、日本の幕張メッセで「DSEI Japan」を開催する予定だ。

MAST Asia 2019に参加しているベル・ペリコプターのアジア・太平洋担当者のJohn Woodbery氏は、新しく創設された、日本版海兵隊の水陸機動団が実行する水陸両用作戦において、AH-1Z ヴァイパーが最適であるとアピールした。

AH-1Z ヴァイパーは、水陸両用作戦用のために作られた世界で唯一の「海上攻撃ヘリ」だと主張したが、実際には、英国向けのAH-64D、WAH-64は空母や揚陸艦に搭載し水陸両用作戦に使用出来るよう、防蝕処理が施されており、海上での長期に及ぶ作戦に使用可能なため、AH-1Z ヴァイパーが世界で唯一の「海上攻撃ヘリ」というのはオーバーだ。

出典:public domain ブレードを折り畳んだ状態のAH-1Z ヴァイパー(奥のヘリはUH-1Y)

元々、AH-64Dよりも機体が小型な上、狭い艦艇での使用を考慮しブレードを半自動的に折り畳む事ができるため、収容スペースは比較的小さく、空母化される「いずも型護衛艦」や、一回り小さい「ひゅうが型護衛艦」での運用に最適だ。

John Woodbery氏は「陸上自衛隊が、どのバージョンを導入するのか発表するのは時期尚早だが、陸上自衛隊と緊密に連携し、ニーズにあったバージョンを用意できることを楽しみにしている」と話した。

防衛装備庁は2018年5月、陸上自衛隊向けの次期戦闘ヘリ導入に必要な情報提供を求める公告を行っている。

出典:public domain AH-64E ガーディアン

世界中に導入可能な攻撃型ヘリは幾つかあるが、日本が導入を考えているのは、恐らく、米陸軍が採用しているAH-64E ガーディアンと、米海兵隊が採用しているAH-1Z ヴァイパーのどちらかだ。

以前、AH-64D(諸事情あり)を導入していた経緯もあって、通常ならAH-64の最新バージョンである、AH-64E ガーディアンの可能性が高いが、日本版海兵隊の水陸機動団が誕生し、今後は水陸両用作戦への対応が必要になるため、AH-1Z ヴァイパー採用の可能性が非常に高い。

米海兵隊と共同訓練を行うにも、同一機種の方が、何かと都合がいいこともある上、AH-64E ガーディアンよりも価格が安い。

情報提供を求める公告を行ってから、ほぼ1年が経過しているので、そろそろ次期戦闘ヘリ導入へ、何かしらの動きがあっても良い頃だろう。

 

余談だが、防衛装備庁による情報提供の求めに応じ、悪魔的天才、モフェット博士が開発したマッハ2.0で飛行可能で、パイロットが乗り降りする際、いちいち「プシュー」という効果音が入る、あのヘリコプターが・・・

これ以上、機体名を言うのは野暮というものなので、あとは読者の想像力にお任せする。

今回、あのヘリコプターが原子力潜水艦と直接交戦し、撃沈してしまうという離れ業を収めた動画を紹介するので必ず見て欲しい。

どう見ても、弾道ミサイルが・・・というのは気づいても、絶対に口に出してはいけない、CIAが監視している可能性がある。

 

※アイキャッチ画像の出典:public domain AH-1Z ヴァイパー

米海軍フリーダム級を踏襲? 三井E&S、海上自衛隊向け「新型哨戒艦」のデザイン公開前のページ

防衛装備庁、XF9-1用「推力偏向ノズル」モデル公開!来年にもテスト予定次のページ

関連記事

  1. 日本関連

    三菱電機とレオナルドUKが戦闘機用レーダー技術の実証機開発で合意

    三菱電機とレオナルドUKは18日に開幕したファンボロー航空ショーで「戦…

  2. 日本関連

    バイデン氏の大統領就任後、日本のインド太平洋戦略は存続可能か?

    バイデン氏の大統領就任式が予定されている来年の1月20日以降、果たして…

  3. 日本関連

    UAV技術の拡散阻止は不可能、日本企業が不正輸出した部品は中東で無人機に化ける

    日本企業が軍事用途のドローンにも転用可能な電子制御モーターを不正輸出し…

  4. 日本関連

    米英はミャンマー軍の資金源断つため制裁を実施、日本のODAは事業継続で資金源化

    ミャンマーメディアは26日、ミャンマー軍が経営している企業と関係を維持…

  5. 日本関連

    スーダンの在留邦人退避、統合幕僚長が陸上輸送も選択肢の一つと言及

    スーダンの在留邦人退避について自衛隊の吉田統合幕僚長は20日「各国が自…

  6. 日本関連

    大胆な新デザイン!海自向け「次世代潜水艦コンセプトモデル」に海外も注目

    6月17日、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「MAST Asia …

コメント

    • 匿名
    • 2019年 6月 23日

    WAH-64「せやろか?」

    • 匿名
    • 2019年 6月 24日

    youtubeの動画でいずもにAH-64Dを載せているのを見ましたね。
    あんな感じで米軍のAH-1Zも載せたりして運用のし易さなんかを検討してるんでしょうね。

    • こんばんは
    • 2019年 7月 05日

    いやー懐かしい!

    1
    • 匿名
    • 2019年 9月 01日

    早くバイパー採用してアパッチを売り飛ばして欲しい。というかMi28MNがほんまに400キロで飛ぶなら、それでもエエし、ベル412改造戦闘ヘリを次期ヘリがらみで復活でも良いし、トルコの次期戦闘ヘリでも良い。

    • 匿名
    • 2019年 10月 09日

    攻撃ヘリは戦車に強い。しかし携帯式防空ミサイルにやたやすくやられてしまう。自走高射機関砲にもやられる。
    こう考えると、必要なのはステルス性だ。音、可視光線、赤外線、電磁波に対するステルス性。
    これが無ければ攻撃する距離に近づく事さえできない。

      • 名無し
      • 2022年 6月 23日

      ステルス性はあくまでオマケくらいでいいのでは?
      攻撃ヘリが威力を発揮するのは制空権取れた戦場なのだから、もちろん生存性は確保した上でだけど保守点検でコスト食うステルスに拘泥しちゃ必要数すら揃えられなさそうですし。

    • 匿名
    • 2020年 5月 16日

    海兵隊部隊作るんだし、ヘリ必須だし早く決定したいところ。輸入でもいいと思う。
    AHー1Zだとは思うけどロングボウどうすんだろうか。

    • ハヤタ
    • 2020年 5月 28日

    イーグルじゃないけど中古の転売もありでしょ

    • バトルフィールド
    • 2021年 5月 30日

    防衛庁の買い揃えるのに失敗したアパッチと、今回のヴァイパーならどちらが性能が良いのですか?

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  2. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  3. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  4. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  5. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
PAGE TOP