今回は英空母「クイーン・エリザベス」のカッコいい動画を見つけたのでご紹介します。
スキージャンプ勾配でF-35Bを運用する利点
英空母「クイーン・エリザベス」と艦載機のF-35Bの運用シーンは非常にカッコいい。特にスキージャンプ勾配から発艦シーンは見もの。F-35Bのリフトファンの扉が開いて、エンジンノズルが下を向くシーンなんて、F-35Bが生き物のように見えます。
動画の前半は、英空母「クイーン・エリザベス」とその艦載機のF-35Bのシーンですが、後半は米海軍の揚陸艦と海兵隊のF-35Bの運用シーンで、違いがよく分かります。
F-35BはSTOVL(短距離離陸垂直着陸機)対応なので、ぶっちゃけて言えば、空母側の支援が全くなくても発艦と着艦が可能です。しかし米海兵隊のF-35Bと、英海軍のF-35B、実は運用方法に違いがあって、同じF-35Bでも発揮できる性能に違いがあるのをご存知ですか?
米海兵隊は、F-35Bを揚陸艦から短距離離陸&垂直着陸で運用していますが、英空母「クイーン・エリザベス」ではF-35Bをスキージャンプ勾配で発艦させているので、海兵隊のF-35Bより、発艦時の最大離陸重量が大きいはず。さらに発艦時の燃料消費も押さえられます。

出典:HMS Queen Elizabeth concludes fast jet trials with F-35sのキャプチャー
一説によれば通常の短距離離陸にくらべ10%~15%ほど最大離陸重量を引き上げられると言われています。
発艦方法の違いで、海兵隊のF-35Bより、英海軍のF-35Bの方がより沢山の武装や燃料を搭載して発艦できることになります。
F-35Bの性能を最大限引き出す空母「クイーン・エリザベス」
そして着艦方法にも違いがあります。
米海兵隊のF-35Bは揚陸艦に垂直着陸します。英海軍のF-35Bは空母「クイーン・エリザベス」に短距離着艦をします。この違いは、帰投する際に必要になる燃料の量に差が出るのと、持ち帰れる武装と燃料の量に差があるだろうと言う話。

出典:HMS Queen Elizabeth concludes fast jet trials with F-35sのキャプチャー
米海軍の正規空母で運用している艦載機ですら、着艦時の重量制限のために空母への帰投前に燃料を捨てるか、搭載してある兵器の一部を投棄しなければいけない時期や機種が存在します。
代表的な所で、F-14はAIM-54最大6発搭載して発艦すれば、帰投時には2発捨てなければ着艦出来ませんでした。そのため6発搭載することはほぼ無かったそうです。

出典:wikimedia commons public domain
F/A-18の初期型、A/B型、C/D型をレガシーホーネットと呼びますが、その後継機として、機体サイズを大きくしてまでF/A-18E/Fが開発されたのは、複数の欠点解消を狙った中に、帰投時の重量制限緩和があって、F/A-18E/Fは帰投時に燃料や搭載兵器の投棄をしなくてもよくなったそうです。
それほど限られた面積に強制的に着艦するのは、様々な制約があるので、当然F-35Bが垂直着陸する場合、相当身軽でないと厳しいと予想されます。しかし英海軍のF-35Bは、空母「クイーン・エリザベス」に垂直着陸ではなく、短距離着陸をするので、帰投時の重量制限が大分マシだろうと言う事。
日本の「いずも」空母は中途半端にやれば残念なことに・・・
結局、英海軍のF-35Bの方が、性能を最大限発揮させていると言いたかっただけなんですが、英空母は5万トンの船体に、スキージャンプ勾配までつけてるんだから当然と言えば当然。米海軍の揚陸艦は空母ではなく、あくまで揚陸艦。
フルで性能を発揮したF-35が欲しければ空母を持っていけばいいだけなので、単に考え方、用兵の違いと言えばそれまですがw

出典:海上自衛隊ホームページ
しかし、日本が護衛艦「いずも」を空母化するという話。いずもは揚陸艦ではないので、F-35Bに最適化させるのは、スキージャンプ勾配ぐらいは設置したほうが良いと思います。
空母化と言っておきながら米海軍の揚陸艦のようにSTOVL運用すれば、かなり制限がつくと思う。海兵隊のF-35Bは上陸支援が目的で、制空戦闘などは海軍のF-35Cがやればいいし、だからこそF-35BをSTOVL運用しても問題がない。
しかし日本には固定翼機を通常運用できる大型空母を持っていない以上、単に「いずも」の飛行甲板を耐熱仕様に変えて、船首にあるCIWSを撤去し、完全な全通甲板にしましたでは、中途半端な気がします。
これが揚陸艦に改造するならそれでも良いとおもいますけど・・・
取りあえず練習台で、
日本で使用できる最適な形で建造するのが良いね。
空母の離発着は非常に難しく、長年空母を運用している米海軍でさえ、現在でも悲惨な事故がおきています。(人命の軽い中国でさえ、いきなり空母への離発着訓練で事故が多発したため、基本的な訓練からやり直しているようです。実際、最近は空母への離発着訓練をしていないですしね)
このため、短距離発進、垂直着陸ができるF-35Bが無ければ、おそらく自衛隊は空母保有を考えなかったと思います。スキージャンプ台があれば、離陸時の積載量は増えるでしょうが、いずも自体は本来、対潜ヘリ用ですから、ヘリの離発着に邪魔なスキージャンプ台を付ける改造までするかは疑問です。やっぱり、練習台として使える程度の改造に留めるんじゃないでしょうか?
DDHの本務はあくまでも護衛隊群の中枢艦として対潜水艦戦に当たることだから、せっかくのヘリコプター運用能力を削ってスキージャンプを設けようとは思わないでしょうね、海自は。
いずもは、あくまでも本格的な「強襲揚陸艦」に向けてのテストベッドだと思います。
2号艦のPoW売却の噂あったよね
日本が買ったらなあ・・・
スキージャンプ台は艦のバランスの問題で不可能に近いらしいです。あとソナーが邪魔になるらしい
いずもは自ら潜水艦狩りに行く訳じゃないのに、どうしてソナーいるんだろ?
艦隊のDDやヘリに任せちゃいかんのかな。日本のF35の運用はレーダーピケットだろうけど、ソナーはずしてスキージャンプつければ滞空時間がぐっと延びるんでない?
日本の海上自衛隊はアメリカ海軍といづもを共同運用を考えています!
いずもにスキージャンプ台付けて新造したのがマンガ「空母いぶき」に出てくる「DDVいぶき」でF-35Bを15機搭載
艦隊構成はイージス駆逐艦2隻+汎用駆逐艦2隻+潜水艦1隻+補給艦1隻とアメリカ海軍の空母打撃群の半分だけど、現在の日本のイージス駆逐艦の25%を艦隊防衛に要求するなら、イージス駆逐艦を3隻か4隻くらいは弾道ミサイル防衛用に追加新造しないと運用が回らないだろうね。