軍事的雑学

英陸軍、次世代のカモフラジュージ技術を施したチャレンジャー2を公開

英陸軍、ロシア海軍、トルコ海軍の気になる軍事ニュースをまとめて紹介したい。

次世代のカモフラジュージ技術を施した戦車チャレンジャー2

英陸軍は先月27日、戦場で装甲戦闘車輌の生存率を向上させるため次世代のカモフラジュージ技術に関する研究開発(Multi-Coloured Camouflage Scheme project)に取り組んでおり、その成果を適用した戦車「チャレンジャー2」を公開した。

参考:Soldiers help develop next-generation tank camouflage

今回発表された次世代のカモフラジュージ技術は人間の目や各種センサーからの低観測性は勿論、無人航空機(UAV)等が採用しているAIを駆使したターゲティングシステムにも効果があると英陸軍は説明しており、陸軍のアーマーセンターで実施されたフィールドテストの結果によれば、兵士や各種センサーによる近距離(400m~1,500m)での認識や検出力を劇的に減少することに成功したと主張している。

出典:英陸軍

恐らく英陸軍の開発した次世代のカモフラジュージ技術=装甲戦闘車両への迷彩塗装は敵の視覚だけでなく、可視光を含む電磁スペクトルの複数の帯域で効果を発揮するマルチスペクトル(複数波長)に対応したもである可能性が高いが、具体的な数値を挙げて効果を説明している訳ではないので「既存の技術に比べてどれほど優れているのか」については不明だ。

ロシア海軍の新型電気推進魚雷は既に実戦配備が進んでいる

ロシア海軍の原潜は旧ソ連時代に開発された潜水艦用魚雷「Type 53」の発展型にあたるUSET-80KM重魚雷(一液系推進剤にオットーフューエルIIを使用したもの)を使用していたが、構造が複雑で製造にもメンテンスにも手間がかかり西側の魚雷と比較して性能が旧式化しているという問題を抱えている。

参考:В Вооруженные Силы РФ поступили первые серийные образцы новых электрических торпед

この問題を解決するためロシアは新型魚雷を開発に取り組んでいると言われていたが詳しい情報が一切なく、ようやく昨年「新型魚雷が海軍のテストに合格して配備が始まっている」と戦術ミサイル武装公社(KTRV)のボリス・オブノソフ局長が明かして注目を集めたが新型魚雷の仕様については何も情報を明かさなかった。

出典:KTRV TE-2

しかしオブノソフ局長は今年1月、メディアの取材に対して「ソ連時代にも電気推進魚雷を開発・製造したことがあるが余り性能が優れていなかった。しかしロシア初の電気推進魚雷は低ノイズ、射程距離、深度、ホーミングシステムによる目標探知範囲の点で西側モデルの魚雷よりも数段優れており量産モデルがロシア海軍に配備されている」と語り、ロシアの新型魚雷が電気推進を採用したタイプだと初めて明かした。

オブノソフ局長の口からは電気推進という以外の情報は明かされなかったが、米メディアはロシアの新型電気推進魚雷はKTRVが開発した「TE-2(速度45ノット/射程24km)」かライバルモデルの「UET-1(速度50ノット/射程50km)」のどちらかだろうと推測しており、ロシア海軍が2018年にUET-1を73基発注したという報道があるため「2020年に配備が始まったという事実とも概ね合致するUET-1の方がロシアの新型電気推進魚雷である可能性が高い」と指摘してる点は非常に興味深い。

参考:The Russian Navy Has Gotten Its First New Electrically-Powered Torpedo Since The Cold War

米メディアはUET-1にどの様な誘導オプションが搭載されているのかは不明が、ロシアは一般的な対魚雷攻撃をかわすための対策(音響デコイや電子的なジャマーなど)に影響を受けない高度な航跡(ウェーキ)ホーミング技術をもっているため、このようなロシア特有の技術と製造やメンテンスが容易な電気推進の魚雷が組み合わさればロシア海軍に大きな恩恵をもたらすだろうと警告している。

余談がトルコでも国産の潜水艦用重魚雷の開発が進んでいる。

トルコが開発中の潜水艦用重魚雷「AKYA(巡航速度40ノット/最大射程15km)」は一般的な533mmの直径をもつ電気推進式の重魚雷で、光ファイバーケーブルを使用した有線誘導とアクティブ/パッシブ方式の音響誘導に対応しており、注目すべきは航跡ホーミングにも対応している点だろう。

参考:Turkish navy has successfully test-launched new AKYA torpedo from TCG Gür S-357 submarine

トルコ海軍は国内で開発した潜水艦用重魚雷「AKYA」の最終試験を実施中で今月25日、潜水艦からAKYA試射に成功したと発表した。

現地メディアによれば量産モデルが出てくればドイツからの輸入に頼ってた潜水艦用重魚雷を国産のAKYAで置き換えると言っており、トルコの潜水艦関連技術は確実に自立に向かって前進している。

 

※アイキャッチ画像の出典:英陸軍

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 2月 01日

    戦車に魚雷ね、強いて共通すると言えば、敵に察知されにくいことが重要という点
    速力さえ上がれば静粛な電池式のほうが有利だもんね

    3
      • 匿名
      • 2021年 2月 01日

      昔から一撃離脱が最も優れた戦い方だと本で読んだ
      機動力、隠匿力、そして最後に打撃力
      捕捉されない事が肝要なんだろう

      4
        • 匿名
        • 2021年 2月 01日

        つまり、学生時代から機動力とステルス能力を鍛えてきた俺らボッチは最強ということか・・・

        11
          • 匿名
          • 2021年 2月 01日

          攻撃力と防御力がゼロでは…

          21
            • 匿名
            • 2021年 2月 03日

            ぼっちに攻撃力はいらんが、あらゆる攻撃から耐える防御力は必要だな

            1
    • 匿名
    • 2021年 2月 01日

    かっこいい!

    7
    • ソソソナス
    • 2021年 2月 01日

    日本も置いて行かれないように着実に技術開発を継続すれば良いのでは?

    4
    • 新・にわかミリオタ
    • 2021年 2月 01日

    トルコのやる気は、目を見張るものがあるな。
    誰も頼れないってのもあるだろうけど

    21
    • 匿名
    • 2021年 2月 01日

    カモフラージュ技術が完成した頃に英陸軍から戦車が消滅してそうだな

    15
      • 匿名
      • 2021年 2月 01日

      絶対に見つからない戦車の完成ですな

      9
    • 匿名
    • 2021年 2月 01日

    メタルギアソリッドから20年以上経ちますが、いつになったら光学迷彩が普及するんだろうか。

    3
      • h
      • 2021年 2月 01日

      可視光で迷彩効果が出れば光学迷彩じゃないですか。透けて見える事が重要な訳じゃない。

      8
        • 匿名
        • 2021年 2月 02日

        うっすら透けて見えるステルス迷彩じゃないと私の心は満たされないのでダメです

        2
    • ソソソナス
    • 2021年 2月 01日

    光学迷彩は赤外線や二酸化炭素でばれると聞きましたが

    2
    • 匿名
    • 2021年 2月 01日

    ポーランドのコンセプトモデル戦車「PL-01」みたいなもんかと思った。
    あれに英BAEシステムズが関わっていたし。

    3
    • にわかミリオタ
    • 2021年 2月 01日

    ロシア関連で言えばポセイドンは現在どうなってんだ?まだ試験中なのかな?ツィルコントいいかなりの驚異になりそう。経済は以前停滞なんだけどなぁ。

    1
    • 匿名
    • 2021年 2月 01日

    有機ELで覆えばいいのに

      • 匿名
      • 2021年 2月 02日

      サムソン製のwにしてもお高くて割りに合わないだろ

        • 匿名
        • 2021年 2月 02日

        プリント式の液晶なら可能かもね
        光学迷彩とまではいかなくても、周囲に応じて迷彩のパターンや色を変えることはできるようになるかも

        1
    • 匿名
    • 2021年 2月 01日

    これプラモデル的にはどうなんですかね?
    モデラー泣かせの迷彩柄に見えるんですが。
    こんなん筆で描くのは無理ですよね?w

      • 匿名
      • 2021年 2月 02日

      デカール別売一択@アズテックパターン

      1
    • 匿名
    • 2021年 2月 02日

    魚雷の射程はミサイル以上に環境で射程が変わるからな
    例えば89式長魚雷も最大深度&中速で撃てば10海里未満の射程しか無い
    どの環境がでその射程なのかがとても気掛かり

    3
      • 匿名
      • 2021年 2月 02日

      特にロシアは。海水の塩濃度や水温は、攻守両面で物理的な障壁になる。

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