軍事的雑学

V仕様のF-21や、ロシアのSu-35に、F/A-18E/Fはインドで勝利できるか?

ボーイングは、現在、同社が製造する戦闘機で唯一、米軍向けに生産が行われているF/A-18E/Fの輸出に関する見通しについて語った。

F/A-18E/Fが、350機以上を販売できる可能性

ボーイングの副社長、Thom Breckenridge氏は、同社が製造する戦闘機で唯一、米軍向けに生産が行われているF/A-18E/Fの見通しについて、主要な6つの国や組織に対しF/A-18E/Fを提案中で、計350機以上を販売できる可能性があるとし、さらに複数の国とF/A-18E/Fについて協議中だと付け加えた。

ボーイングが話した「主要な6つの国や組織」とは、カナダ、スイス、ドイツ、フィンランド、インド海軍、インド空軍のことだ。

出典:pixabay レガシーホーネット

カナダでは、CF-18(レガシーホーネット)の後継機として、F-35Aを導入予定だったが、本当に色々(政治的にもビジネス的にも)あって白紙化し、再度、後継機選定を行っている最中で、F-35A、F/A-18E/F、ラファール、グリペン、ユーロファイター・タイフーンの5機種が提案されている。

ボーイングは、ボンバルディアに対しカナダ政府から違法な補助金を受け取っているため、公正な競争を阻害していると米国際貿易委員会に提訴し、カナダ政府を激昂させた過去があるので、F/A-18E/Fは他の機種に比べて評価が低いだろう。

スイスとフィンランドでも、レガシーホーネットの後継機として、カナダと同じF-35A、F/A-18E/F、ラファール、グリペン、ユーロファイター・タイフーンの5機種が提案されているが、最近、スイスからグリペンが撤退するという報道が出た。

ドイツでは、トーネード攻撃機の後継機として、F-35A、F/A-18E/F、ユーロファイター・タイフーンが提案されていたが、既に、F-35Aが候補から脱落している。

インドの状況は、上記の国とは違い複雑だ。

100機以上の戦闘機をライセンス生産し調達する計画があるインド空軍に対し、ロッキード・マーティンは、F-16 ブロック70(通称V仕様)を「F-21」と改名して提案しており、インド企業と協力して、現地に工場を作り、インド向けの生産だけでなく、第三国に対し、インドで生産したF-21を輸出を行っていもいいと提案している。

これに対しボーイングも、ロッキード・マーティンがF-21の発表を行った翌日、最新型のF/A-18E/F ブロックⅢを生産するための工場をインドに建設すると発表した。この発表はインド空軍向けのF-21に対抗する意味もあるが、50機程度の艦載機調達を計画しているインド海軍へのアピールともとれる。

インド空軍に対して現在、F-21、F/A-18E/F、ラファール、グリペンE、ユーロファイター・タイフーン、MiG-35、Su-35が提案されており、インド海軍の艦載機には、ラファールとF/A-18E/Fが候補に挙がっていると言われている。

並み居るライバル機を蹴落とし、最終的な勝者になれるか?

果たして、ボーイングのF/A-18E/Fは、並み居るライバル機を蹴落とし、最終的な勝者になれるだろうか?

出典:public domain F-35A

カナダの再選定の候補にF-35が含まれおり、2015年の選挙で10年振りに政権を奪回し、F-35導入を白紙化した自由党とトルドー政権は支持率を下げているため、案外、次の選挙で保守党が政権に返り咲けば、F-35導入がすんなり決定されるかもしれない。

スイスとフィンランドは、伝統的にボーイングの戦闘機を導入してきた国だが、欧州でもF-35Aの導入が確実に増えている中、「伝統的」という理由だけでF/A-18E/Fが選ばれるという保証はない。

ドイツでは、難敵のF-35Aが既に脱落しているが、F/A-18E/Fとタイフーンを比べた場合、同じ第4.5世代のカテゴリー属しているため両機に大きな違いがなく、既に導入済みのタイフーンを導入した方が、運用面で見た場合、有利だろう。

インドの状況は、更に混沌としている。

ボーイングは、インドでの現地生産を発表しただけで、8000万ドル程度の値札をぶら下げるF/A-18E/Fには、ライバル機と比べ、これと言った強みがない。

ロッキード・マーティンが提案しているF-21は、現地生産だけではなく、第三国へのF-21輸出が可能という点で、条件だけ見れば一番有利に見える。

ラファールはインド空軍が導入済みという実績と、空海軍で同一機種を運用するメリットがあるが、以前、導入したラファールの価格が1機200億円を超え「詐欺だ」という批判も根強い。ロシア製戦闘機の運用実績が豊富なインドにとって、MiG-35やSu-35の導入は、依然として有力な候補に映るだろう。

残念ながらグリペンEと、ユーロファイター・タイフーンに関しては、上記機種に比べると魅力に欠けるかもしれない。

 

ボーイングは、F/A-18E/Fを計350機以上を販売できる可能性があると話すが、管理人から見れば、その可能性は、あまり高いものでは無さそうだ。

 

※アイキャッチ画像の出典:pixabay

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 6月 22日

    インドF-21の生産はインド国内で行って輸出が自由、と言ってもAESAレーダーやP&W F100やGE F110エンジンまでアメリカの規制なしに自由に輸出できる協定になってるんでしょうか。
    アメリカの仮想敵国はもちろんのこと、トルコや韓国あたりが自国独自開発の戦闘機の部品取りに欲しがりそうな感じもしますが

    • 匿名
    • 2019年 8月 05日

    え~。
    F-21ってクフィルじゃなかったっけ(すっとぼけ

    • 匿名
    • 2020年 9月 01日

    そういえば昔、ノースロップもF-18Lの販売可能性を2000機と見積りましたが、実際の販売数は見積りを2000機下回りましたね。

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