軍事的雑学

軍事的雑学|米国も恐れる中国の空対空ミサイル「PL-15」、J-11B戦闘機への搭載が可能に!

中国の環球時報(Global Times)が、米国が恐れていた中国空軍のJ-11B戦闘機(殲撃11B・Su-27)に、中国が開発した長射程の空対空ミサイル搭載が可能になったと報じています。

参考:China’s most powerful air-to-air missile equipped on warplanes

中国が開発した長射程の空対空ミサイル「PL-15」の脅威

中国人民解放軍空軍(以下、中国空軍)のJ-11B戦闘機に、中国が開発した長射程の空対空ミサイル「PL-15」が搭載されている映像を中国中央テレビが放送しました。2018年11月、中国が開発したステルス戦闘機の「J-20」が、PL-15を搭載しているのを公開しましたが、J-11B戦闘機がPL-15を搭載しているのは、これが初めて。

これは2015年に「PL-15」が初めて公開されたと時、米太平洋空軍司令官だったハーバート・カーライル大将が、非常に危険な兵器だと懸念していた空対空ミサイル。

中国が開発した長射程の空対空ミサイル「PL-15」は、米国のAMRAAMと比較しても遜色ない性能、一部ではAMRAAMの性能を上回り、射程だけで言えば、欧州のミーティアに匹敵すると言われています。

アクティブ・フェーズドアレイレーダーを備える「PL-15」は、有視界外から発射可能で、マッハ4に達するほどの高速なスピードで接近し、狙われた航空機は回避は困難だと。

Attribution: ILA-boy, File:ILA 2010 Samstag 125.JPG / ILA-boy / CC BY-SA 3.0 MBDA社が開発した「ミーティア」空対空ミサイル

前世代の「PL-12」と比べても、大型化した「PL-15」は搭載レーダーによる探知距離延長、対ジャミング環境下での高い抵抗力を持っていると言われ、このミサイルは遠距離から空中給油機や、早期警戒機など優先度が高い標的への攻撃に使用されるだろうと予想されています。

問題は、この高性能な空対空ミサイルを運用できるプラットフォームが当初、ステルス戦闘機「J-20」に限られていたのですが、搭載される電子機器の性能が落ちるJ-11B戦闘機でも運用が可能になってことで、脅威がより高まったと言っています。

出典:pixabay J-11Bの原型機SU-27

ただし、J-11B戦闘機に搭載されるレーダーや火器管制システムでは、「PL-15」の性能を活かすことが出来ない(最大射程を活かせないと言う意味)が、目標データを代わりに送信してくれる早期警戒機のような航空機からの支援さえあれば、何の問題もないと。

現在、「PL-15」を搭載できる戦闘機は、ステルス戦闘機のJ-20(6機+20機程度?)、単発戦闘機のJ-10B(約50機+)、海軍の空母で運用されるJ-16(50程度機?)の3機種に限られ、機数も少なかったのですが、ここにJ-11B(110機)が加わり、「PL-15」の運用が本格的になったと言え、中国戦闘機からの有視界外・長距離攻撃の脅威が現実のものになったと考えられます。

 

J-11Bに搭載で、いよいよ本格的な運用が可能になる?

もう少し分かりやすく説明すると、「PL-15」という長射程の空対空ミサイルはあっても、現実的に運用できる戦闘機がないというのが中国の悩みでした。

Attribution: emperornie, File:J-20 fighter (44040541250) (cropped).jpg / emperornie / CC BY-SA 2.0 ステルス戦闘機J-20

もともと「PL-15」は、ステルス戦闘機のJ-20に搭載(胴体下部のウェポンベイに4発携行が可能)するため開発されましたが、肝心のJ-20量産が未だに20機程度、しかも搭載されている「WS-15エンジン」の問題で中々量産が進まない状況。そのためJ-20での「PL-15」の本格的な運用は、まだ先の話。

捕捉:J-20の「WS-15エンジン」問題は、解決の方向に向かっているとの情報もあるが本当なのかどうかは未知数。2025年までに200機量産するともいわれています。

単発のJ-10Bにも「PL-15」が搭載されているのが確認されていますが、J-11Bと同様で、搭載されたレーダーや火器管制システムで「PL-15」の能力を活かすのは難しい上、作戦半径が約500km程度と小さいため、「PL-15」を有効に活用をするのは、J-11Bよりも難しいと思われる。

Attribution: mxiong, File:Chengdu 10.jpg / CC BY 2.0 戦闘機J-10

海軍の空母で運用されるJ-16は、「PL-15」が運用出来たとしても機数が少なく、そもそも搭載される空母が、未だに実験の域を越えないので戦力になるのか未知数。中国で建造中の国産空母を完成し、完全な運用状態に入るのはまだ先の話。

搭載機器は旧式ではあるが、双発機で作戦半径も1500kmと大きく、既に110機以上のJ-11Bが実戦配備されているため、J-11Bに「PL-15」を搭載出来るようになると、本当の意味で「PL-15」の有視界外・長距離攻撃が機能し始めることになると言う意味。

空対空ミサイル「PL-15」の射程は200kmは越えないだろうと言われていますが、中国ではさらに射程の長い(400km程度)空対空ミサイルを開発すると言われています。日本が空対艦ミサイル「ASM-3」の射程を200kmから400km以上に延長するための開発を行うと言っているのも、中国空軍の戦闘機による有視界外・長距離攻撃能力強化が原因になっているのかもしれません。

※アイキャッチ画像の出典:Pixabay

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 3月 27日

    やはり中国の脅威は日増しに高まっていると言えますね。
    こういった兵器開発に湯水のごとく金、人材、技術あるいは人命をも注ぎ込めることはかの国の独裁体制の利点の一つです。

    • 匿名
    • 2019年 4月 02日

    射程距離が伸びて来ている今は
    対地攻撃も広義の防衛になっちゃうよね!
    犠牲者を出してから反撃開始してれば
    取り返しの付かないダメージを受ける
    可能性が高まってる!

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