軍事的雑学

尖閣諸島も作戦半径内!中国、正式にステルス戦闘機「J-20」配備を宣言

中国空軍がステルス戦闘機「J-20」を、台湾空域を管轄する東部戦区空軍機関に、正式に配備されたと中国メディアが報じた。

参考:China deploys J-20 stealth fighter ‘to keep tabs on Taiwan’

2030年代までに中国は第5世代戦闘機を700機から800機保有か?

7月28日、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国人民解放軍空軍(以下、中国空軍)がステルス戦闘機「J-20」を台湾空域を管轄する東部戦区空軍機関への配備を完了し、台湾海峡及び、日米による軍事活動に対し対処していく事を明らかにした。

これは以前、Google EarthがJ-20の配備を捕捉していたという記事と内容が一致する。

今年の2月、中国空軍はJ-20の実戦配備を発表するも、何処へ、何機配備したのか明らかにしなかったが、Google Earthが中国安徽省、芜湖湾里空軍基地に配備されているJ-20の姿を捉えていた。

引用:Google Earth 芜湖湾里空軍基地の格納庫前に半分姿を現したJ-20ステルス戦闘機3機が捕捉された。

3月4日に撮影された芜湖湾里空軍基地の衛星写真には、格納庫から姿を現したJ-20が3機、写っている。

芜湖湾里空軍基地は、安徽省蕪湖市の漢江地区にある軍用空港で、中国人民解放軍空軍、第3戦闘機師団の第7航空連隊と、第9航空連隊が駐留している基地だ。ここに駐留している第9航空連隊は、中国空軍の中でも精鋭部隊と知られ、最新鋭のSu-30MKKが配備されている部隊だ。

この基地には、Su-27SKを複製したJ-16Bや、大型爆撃機のH-6の配備も確認されている。

これまでJ-20が配備されていたのは、中国内陸部にある甘粛省酒泉市や、河北省常州市に配備され、主にパイロット養成などに使用されていた。

今回、これが沿岸部の芜湖湾里空軍基地に移動してきた理由は、この地域に配備されている部隊は、中国軍の中で唯一、祖国統一を任務として課されており、これは台湾侵攻を意味し、日本との対立が激しい尖閣諸島も作戦地域に収めているため、日本に対する牽制の意味もあるだろう。

出典: emperornie / CC BY-SA 2.0 2機のJ-20戦闘機

中国空軍には、試作機の8機を除くと、20機~50機(数字に幅があるのは諸説あるため)のJ-20が引き渡されていると言われている。

現在、J-20の生産ラインは3つあると言われ、各ラインが月1機程度の生産スピードでJ-20を生産している。このような緩やかなスピードで生産しているのはロシア製エンジン「AL-31」を使用しているためで、国産の性能が安定し始めた「WS-10」への置き換え、将来的には開発中の「WS-15」を搭載し、2025年には年間生産数を150機程度に引き上げるという見方もある。

もし、このような見方が正しい場合、2030年代までに中国は第5世代戦闘機を700機から800機保有することになるかもしれないが、米国は、2030年までに第5世代戦闘機(F-22やF-35)を1,500機程度を調達している予定なので、中国の驚異的な生産力でも、米国に追いつくためには、さらに多くの時間が必要になるだろう。

中国がS-500を受取り、J-20を大量生産に入るまで残された時間は多くない

今回、J-20が配備された基地の位置を見ると、台湾は勿論、日本の南西諸島(尖閣諸島を含む)や、朝鮮半島の一部までがJ-20の作戦半径に収まることになる。

航空万能論GF管理人が白地図専門店の地図を加工して制作した地図

ただ、現在、基地化を進めて米国と対立している南シナ海は作戦半径の範囲外だが、これも拠点となる基地を少し南へ移動させるか、空中給油機を併用すれば、大きな問題にならないだろう。

中国はロシアから防空ミサイル「S-400」を受取り済みで、現在、第二陣の「S-400」受取りが進行中だ。

米国は、今年生産が始まったロシアの防空ミサイル「S-500」も、中国が導入すると見ており、中国東部沿岸部をステルス戦闘機「J-20」、防空ミサイル「S-400」&「S-500」で固められれば、もはや手を出すのは難しく、日本としても南西諸島空域での優位性を中国に握られる可能性がある。

これに対抗するためには、沖縄、宮古島、石垣島にそれぞれ、地対空ミサイル「パトリオット」を配備するしかないが、自衛隊の駐屯に反対という意見もあるため、実現には時間が掛かるだろう。

出典:海上自衛隊

こうなると、海上配備(イージス艦)ぐらいしか手がなくなるが、日本にはイージス艦が8隻(艤装中を含め)しかなく、弾道ミサイル警戒任務もあるため圧倒的に数が足りない。

個人的な意見だが、日本が独自に長射程(500km以上)の地対空ミサイル(弾道ミサイル用ではなく航空機や巡航ミサイル迎撃用)を開発し、既に基地のある沖縄(反発はあるだろうが・・・)にまとめて配備し運用すれば、新たに駐屯基地を設ける必要がなく、イージス艦に比べ運用コストもお安いのではないだろうか?

但し、一箇所にまとめて配備した場合、抗堪性に難があるという問題点があるが、ロシア製防空ミサイルに比べ、射程が短い西側標準の防空ミサイル「パトリオット」では、南西諸島をカバーするのは難しいので、何らかの対策が欲しいところだ。

中国がS-500を受取り、J-20を大量生産に入るまで残された時間は多くない。

 

※アイキャッチ画像の出典: Alert5 / CC BY-SA 4.0 J-20

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コメント

    • ミン
    • 2019年 7月 31日

    このままでは尖閣諸島が取られるのは、時間の問題ですね。数年後したら中国海軍が尖閣諸島を上陸して海上自衛隊はなすすべもなく、中国海軍が圧勝するでしょうね、

    • 匿名
    • 2019年 7月 31日

    中国18兆円 日本5兆円
    これだけ軍事予算に差が出てしまった今
    ミサイルの性能と数をあげて島をハリネズミにして対処する以外
    連中の野心の決壊を抑える手段はない
    自衛隊もわかっててもう始めてるけど
    歩みが遅い

    • 匿名
    • 2019年 7月 31日

    中国では数の優勢が強さの証だからこういう行動に出るのは理解できる、しかしそのエンジンで大丈夫か?
    将来的に高性能で長寿命のエンジンに換装する予定なんだろうが、そのエンジンが出来上がるかが問題。
    その時にそれに合った機体を作ればさらに高性能になるが、今の機体は完全に資金の無駄遣いになる。
    今のJ20では F-3の前では射的の的以下の存在になり下がる。
    ジェットエンジンは簡単に進化できるものではない、基礎的な素材技術と加工能力が無ければいくら金をかけても先へ進むのは難しい。
    中国でロケットが普通に打ち上げに成功しているのは全て旧ソ連の技術、自前で設計したロケットは殆ど失敗している、極限技術を先に進めるのは本当に難しい。
    これからは土地バブル崩壊で経済が委縮し国内で暴動がさらに多発して治安維持に今でさえ防衛費と同額を支出してるのに、さらに金をかけなくてはならなくなるから、軍事費にそれほど回すことは出来なくなるだろう。

    • 匿名
    • 2019年 7月 31日

    取り敢えずは時間稼ぎのために、中国経済を潰していくことですね。

    • 匿名
    • 2019年 7月 31日

    超射程ミサイルを集中配備しても、センサーを散りばめなければ水平線下がザルですけどね
    既に中SAMは配備開始してますし、A-SAMも開発中ですから、順当に地上配備型も開発してアップデートすれば良いだけの気がしますが
    A-SAMとE-2DをCECでリンク出来れば完璧なんだけど、許可下りるのかが、F-3開発ともリンクする大問題かと思う

    • イチロー01
    • 2019年 8月 01日

    残念ながら日本には世界最高性能の潜水艦があり、海面上にどんな航空機や船、最新のミサイルがあっても関係ない。海の底からくる攻撃にはどんな兵器も防御できない。しかも、どこにいるかもわからない。不可能であるがもし把握できても攻撃する兵器が世界に存在しない。

    • 匿名
    • 2019年 8月 01日

    沖縄にイージスアショア配備
    これはもう時間の問題

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