軍事的雑学

中国、第5世代戦闘機「J-20」の弱点を「ステルス処理」した排気ノズルで克服か?

軍事情報誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」もJ-20の「新型エンジン(鋸歯状のステルス処理)」について報じているので、J-20のステルス性能向上は事実である可能性が高い。

参考:Images show J-20 fighter fitted with new engines

J-20の弱点と言われてきた機体後部のステルス性能

新型エンジンを搭載した第5世代戦闘機「J-20」の写真が中国のネットに出回っており、この新型エンジンの詳細は不明だが中国が開発した「WS-15」の派生型と見られ、これまでJ-20が装備していたエンジンと違いは、排気ノズルのステルス化だ。

新型エンジンはステルス性能を高めるため、ロシアの「SU-57」が搭載しているエンジン「Izdeliye30」と同じように、鋸歯状のステルス処理を施した丸形の短ノズルを装備していると見られ、これまで「J-20」の弱点と言われてきた機体後部のステルス性能を向上させると見られる。

補足:鋸歯状のステルス処理を施した丸形の短ノズルの写真は、こちらのサイトで写真を見ることができる。新型歼20首飞:尾喷口呈锯齿状,新国产发动机,新国产发动机

中国では、この新型エンジンを搭載した「J-20」の登場によって、完全なステルス性能を持つ「第5世代戦闘機」を手に入れたと主張しており、軍事情報誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」もJ-20の「新型エンジン(鋸歯状のステルス処理)」について報じているので、J-20のステルス性能向上は事実である可能性が高い。

この事実は当然、日本にも影響を与えだろう。

今年7月、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国人民解放軍空軍がステルス戦闘機「J-20」を台湾空域を管轄する東部戦区空軍機関への配備を完了し、台湾海峡及び、日米による軍事活動に対し対処していくだろうと報じており、中国安徽省にある芜湖湾里空軍基地に配備されたJ-20は、南西諸島(尖閣諸島を含む)空域の大半を作戦半径に収める事ができると言われているが、最も懸念すべきはJ-20の「数」だ。

航空万能論GF管理人が白地図専門店の地図を加工して制作した地図

中国は2025年までにJ-20の年間量産数を「150機」程度まで引き上げることを目標にしており、もし事実なら、2030年までに中国は第5世代戦闘機を700機から800機保有することになり、日本にとっては悪夢でしか無い。

2030年までに、米国は第5世代戦闘機を1,500機程度は保有しているが、日本は147機のF-35が全てで、2030年代中に次期戦闘機「F-3」の調達が始まったとしても、大量配備されたJ-20に数の面で対抗するのは不可能だ。

もちろん、中国との武力衝突は限りなく非現実的なシナリオだが、日本に対する軍事的プレッシャーとして見る場合、非常に大きな力を発揮するだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典: Alert5 / CC BY-SA 4.0 J-20

ロシア、トルコ向けに「カスタマイズ」した第5世代戦闘機「SU-57T」を提案か?前のページ

日中韓の戦車と比較? 台湾が導入するM1A2T「エイブラムス戦車」は最強次のページ

関連記事

  1. 軍事的雑学

    F-35AかF-35Bか結論出ず? 韓国、空母建造の影響でF-35追加導入先送り

    韓国空軍の次世代戦闘機(F-35)調達のための二次事業は、F-35Aを…

  2. 軍事的雑学

    マッハ4.0以上で飛行可能なステルス迎撃機、年内にも「MiG-41」開発に着手か?

    ロシア航空機製作会社「MiG」の局長は、PAK DPを呼ばれている長距…

  3. 軍事的雑学

    世界最大の米海軍超えを達成した中国海軍!空母を筆頭に艦艇300隻を有する大海軍へ変貌

    米国、ワシントンD.C.に拠点に置く戦略国際問題研究所(CSIS)は、…

  4. 軍事的雑学

    日本が韓国への軍事情報提供を中止? 韓国、半年前から「情報報復」が始まっていた

    韓国の正義党の金議員は、日韓秘密軍事情報保護協定が無用である理由として…

  5. 軍事的雑学

    輸出交渉は最終局面? 韓国、アラブ首長国連邦に国産の「戦術弾道ミサイル」を輸出か

    韓国政府がアラブ首長国連邦(UAE)に韓国が開発した戦術地対地ミサイル…

  6. 軍事的雑学

    軍事的雑学|搭載出来るエンジンがない?トルコの第5世代戦闘機「TFX」開発に問題発生!

    トルコが開発している第5世代戦闘機TFXが、エンジン開発に協力していた…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 11月 04日

    F-35といいJ-20といいラプターのようにノズルの排気効率落としてまで低RCS化するより
    丸型ノズルのまま低IR化する方がいいという判断でしょうか。

    1
      • 匿名
      • 2019年 11月 04日

      F-22のノズルは低RCS化は目的じゃないんじゃなかったか?
      低RCS狙ったのはYF-23の方でしょ

    • 匿名
    • 2019年 11月 04日

    現実的なことを言えば、軍事力の増強はアメリカのように経済力の増強が伴って初めて脅威になるのであって、軍事力の増強のみであればそれは北朝鮮やロシアを見ればわかる通り、自国の選択肢を狭めるだけでしかありません。しかしもう、中国の経済的な躍進を歓迎する世界にはならないでしょう。

      • 匿名
      • 2019年 11月 04日

      それは今まさに脅威に晒されている日本や東南アジア諸国、あるいは太平洋でのイニシアチブを奪われつつあるアメリカの視点での話で、遥か遠くのヨーロッパやアフリカは中国で儲けられればそれで万々歳でしょう。モンゴル帝国よろしく中央アジアを越えてヨーロッパを侵略するならともかくも……
      NATO軍はロシア軍を恐れても、人民解放軍はどうなろうと構わないのでは?

        • oominoomi
        • 2019年 11月 04日

        イギリス・フランスは近年南シナ海に軍艦を派遣し、アメリカのFOPに協調して中国への示威行動を行っています。

        • 匿名
        • 2019年 11月 05日

        その理屈では、近年の成長低下の説明にはなりません。

    • 名無し
    • 2019年 11月 04日

    >>2030年代中に次期戦闘機「F-3」の調達が始まったとしても、大量配備されたJ-20に数の面で対抗するのは不可能だ。

    ゴミの山になる運命にしか見えないが。

    • 匿名
    • 2019年 11月 04日

    幾ら中国の軍事費が豊富だからと言って、J-20を年産150機製造できる余裕が有るのかねぇ?
    もしも、それが事実なら15年程で2000機以上のJ-20を保有出来る事になるので、日本どころか米軍相手でも勝てる空軍力を得る事になるのだが、それだけの軍事費の負担に中国が耐えられるのだろうか?

    1
    • 匿名
    • 2019年 11月 04日

    ノコギリ刃状のノズルと言うと、ボーイング787エンジンナセルのシェブロンノズルをイメージしてしまいますが、こちらは騒音低減の効果があり、うるさいことで定評のあるF414エンジンでも3デシベルの騒音低減が見込めるようです。
    J-20の新型エンジンは尾翼でエンジンノズルを隠すことで熱源を軽減する、ノコギリ刃ノズルで騒音を低減する、の二つが大きいように見えますが、前者はアメリカのF-15などでも定番の手法ですね。

    • 匿名
    • 2019年 11月 04日

    カナード翼があるのに完全なステルス性能を持つ「第5世代戦闘機」?
    エンジンの赤外線探査への対策はしてるのかな?

      • 匿名
      • 2019年 11月 05日

      カナード翼を動かさなければステルスは維持できますよ、カナード翼を動かせばステルス性能が崩れるだけであって動かさなければ問題なしです、接近されたらカナード翼を動かして機動力を良くして格闘戦をするのではないでしょうか?ある意味バランスの取れた戦闘機ですね。今頃格闘戦闘なんてないと言いますが戦争ではゼロではないです。

      • oominoomi
      • 2019年 11月 07日

      軍事ジャーナリストの小川和久氏によると、J-20が試験飛行した当時、人民解放軍の装備担当の将官にエンジンのパワー不足とカナード翼の問題を指摘したところ「次は強力なエンジンを手に入れますから、カナード翼も無くなりますよ」とあっさり認めた事に驚いた、ということです。
      この話が事実なら、中国軍としても「出来ればカナードなど無い方が良い」と考えているのではないでしょうか?

    • 匿名
    • 2019年 11月 05日

    F-22のベクターノズルは、空気が薄い高空域での操縦蛇の利きが悪くなる事の対策では?

    • 匿名
    • 2019年 11月 05日

    全く心配ない。
    トランプの経済制裁で中国と韓国は維持が難しくなり鉄屑と変わる。
    無駄な金を今の内にドンドン使ってくれ。

    • 匿名
    • 2020年 1月 19日

    いや…ノズルの前にカナード翼をだね…(略

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    再掲載|英海軍の闇、原潜用原子炉の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  2. 軍事的雑学

    ようやく本領発揮、世界最強の戦闘機F-22Aが「神の視点」を味方に提供
  3. 軍事的雑学

    打つ手なし? ドイツ軍兵士は一般的な乗用車を「プーマ歩兵戦闘車」と思い込まされ訓…
  4. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  5. 日本関連

    海外メディアも注目、横浜で護衛艦「いずも」の空母化工事が始まる
PAGE TOP