軍事的雑学

ニーズが高まるディフェンスメディア、最も影響力があるのはWar Zone

Defence Blogは26日「世界の安全保障環境が活発な紛争、兵器開発、国防費の増加を通じて変化を遂げる中、軍事ニュースメディアのネットワークが政府、防衛産業、そして公な議論における情報の流れを形作っている」と述べ、最も影響力があるディフェンスメディアTop10を発表した。

参考:Top 10 most influential military news sites

活動を通じて痛感したことは「当該国の情報はグローバルメディアよりも現地メディアで確認した方がいい」という点だ

海外では安全保障政策、防衛問題、防衛産業の動向を扱う専門のディフェンスメディアが幾つも存在し、多彩な視点から興味深い情報を発信して多くの読者を獲得しているものの、日本人にとっては難解な専門用語や聞き慣れない制度・政策が沢山出てくるため読み解くには慣れが必要だが、そもそも日本人にとってはニッチな話題(武器システムのスペックや技術が主要テーマになることは稀)が多いため、わざわざディフェンスメディアにアクセスする人は少ないかもしれない。

出典:Сухопутні війська ЗС України 

このディフェンスメディアについてDefence Blogは26日「世界の安全保障環境が活発な紛争、兵器開発、国防費の増加を通じて大きな変化を遂げる中、軍事ニュースメディアのネットワークが政府、防衛産業、そして公な議論における情報の流れを形作っている」と述べ、SimilarWebのデータに基づいて「最も影響力のある軍事ニュースメディア=ディフェンスメディアのTop10」を発表した。

訪問者数に基づいたTop10はWar Zone(月893万人)、Military.com(月564万人)、Army Recognition(月370万人)、Defense News(月153万人)、Breaking Defense(月116万人)、Defence Blog(月間100万人)、Defense One(月85万人)、Naval News(月77万人)、Janes(月49万人)、GlobalSecurity.org(月24万人)で、Military.comは軍事ニュースメディアの側面と米軍人の退役軍人向けの福利厚生に関する情報も発信している稀有な存在だ。

出典:War Zone

War Zone、Military.com、Defense News、Breaking Defense、Defense One、GlobalSecurityは米国、Army Recognition、Janes、Naval Newsは欧州に拠点を置くディフェンスメディアで、Defence Blogは共同創設者で編集長を務めるディラン・マリャソフ氏がウクライナで教育を受けて学位を取得したため「ウクライナに拠点を置くディフェンスメディア」と紹介されることもあるが「正式な拠点」は良くわからない。

どちらにしてもGlobalSecurity.org以外のディフェンスメディアが書く記事は「様々な主要メディア」に引用され、GlobalSecurity.orgの情報は軍事関連のデータベースとして機能し、学術機関やアナリストに引用されることが多く、Defence Blogは「情報競争が伝統的な戦場とデジタル上の戦場の両方で激しくなる中、これらのディフェンスメディアは信頼できる軍事報道の基盤として機能し、オープンソース情報、組織の知識、リアルタイムのグローバル監視に結びついている」と述べている。

出典:Defense News

2020年のナゴルノ・カラバフ紛争以降、遠い世界の話だった「紛争」や「戦争」が身近に感じられるようになり、特にウクライナとロシアの戦争は「二度と起こることはない」「費用対効果が悪すぎる」「今どき流行らない」と言われていた「消耗戦を主体とした国家間の大規模戦争」に発展し、中東で勃発した一連の紛争や戦争と合わせて日本人の生活にも影響を及ぼし、戦いの火種は南アジアや東南アジアにも飛び火し、トランプ政権の復権も世界の安全保障環境をより混沌としたものにしてしまった。

ここまで安全保障政策、防衛問題、防衛産業の動向が注目を集める時代がやって来るとは、これほど早く無人機やドローンが伝統的な戦力構造に食い込んでくるとは、信じられないテンポで従来の常識が上書きされていくとは、このブログでさえ非常に多くの読者に読まれるとは想像もしていなかったため、この分野の話題でおふざけがやりにくくなってしまった。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

因みに管理人は上記のディフェンスメディア以外に、米国のAir&Space Forces Magazine、US Naval Institute、Aviation Week、英国のUK Defence Journal、Shephard、スペインのInfodefensa、ルーマニアのDefense Romania、ポーランドのDefence24、ロシアのРоссийская газета、豪州のDefence Connect、アルゼンチンのZona Militar、アフリカのMilitary Africa、各国の主要メディアやシンクタンクなども観察しており、活動を通じて痛感したことは「当該国の情報はグローバルメディアよりも現地メディアで確認した方がいい」という点だ。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Jana Somero

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コメント

  • コメント (6)

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    • 朴秀
    • 2025年 6月 27日

    >この分野の話題でおふざけがやりにくくなってしまった。

    34
      • マサキ
      • 2025年 6月 28日

      ユーチューバーも言っていたけど、登録者数が増えるほど、昔の様に自由に発言が出来なくなった、と。
      人気がでると、そういう足枷もでてくるのよね。

      3
    • たむごん
    • 2025年 6月 27日

    エイプリルフールネタ、自分は楽しく拝見しました。

    大規模戦争は、軍事技術の進歩を速めると言われてきたわけですが、この3.4年程度でそれを目にするとは思いもよりませんでした。

    12
    • ななしのシロウト
    • 2025年 6月 27日

    このサイトは事実を丁寧にまとめてくれて、コメント欄の品質維持にも配慮してくれるので、自分のような知識のない者には大変勉強になります

    33
    • ななし
    • 2025年 6月 27日

    ウクライナ紛争がまさにそれだよね
    既存の軍事系インフルエンサーより現地とコネがある新興系インフルエンサーが大人気に
    新興系は情報ソースを明かさない代わりにソース有りでは語れないようなリアルが大ウケ
    信憑性に疑問は残るけどその辺りは外部からの検証を持って信頼性を担保するという形で
    そもそも軍事系情報にソースなんてあるわけないよね、国家機密漏洩罪だ

    11
      • nachteule
      • 2025年 6月 27日

       そんな訳ないでしょう、公開して良い話とダメな話がある訳で広く普及している物なら全然オープンに出来る。そうでなければ世の中にある軍事情報の大半が仮想戦記や漫画みたいなフィクションですと言う話になる。ツベとかブログとかで元隊員が一線超えてうっかり漏らして怒られて非公開か修正版出すのはザラにある。

       米国とか元隊員が書いた書籍なんかいくらでもあるけど、国として何処までの情報出して良いか判断するセクションがあるし、公式ツベで出している所は軍事機密だってカットが入ったりぼかしが入ったりで対応もしている。出せる物と出せないものがあるだけで全てが禁止のわけがない。

      4

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