軍事的雑学

軍事的雑学|テンペストは本当に開発出来るのか?欧州の第6世代戦闘機計画の怪しい話!

今回は欧州の第6世代戦闘機開発について、最近の動きをまとめてみました。

テンペストプロジェクトの近況

過去、ユーロファイター・タイフーンを共同開発した欧州では、2つの陣営に分かれて、第6世代戦闘機の開発が進行中です。

1つは、英国が提唱するテンペストプロジェクト。

この計画は、イタリア、スウェーデン、オランダが興味を示していますが、正式にこの計画に参加を表明した国はありません。

ただし企業レベルでは、イタリアのレオナルドS.p.A社が参加を表明し、プロジェクトを主導するBAEシステムズを中心に、航空電子機器を担当するイタリアのレオナルドS.p.A.、兵器システムを担当するMBDA、エンジンを担当するロールス・ロイスなどが「Team Tempest」を結成。

3月19日、イングランド南西部、航空ショーで有名なファーンボローで「Team Tempest」参加企業に加え、多くの軍需企業関係者を招いて、テンペストプロジェクトの将来について話し合いを行いました。

この会議の主催した英国の国防省は、テンペストプロジェクトへの初期投資額は20億ポンド(約2900億円)程度になるだろうと発言し、テンペストプロジェクトは英国の国家安全保障、英国の防衛産業にとって不可欠なプロジェクトだと話しました。

しかし、その英国ですらテンペストプロジェクトへの投資を正式には決定していません。

インドや日本にも積極的に声を掛けていますが、反応はイマイチです。

 

FCASプロジェクトの近況

もう一つの計画は、ドイツとフランスが計画する「Future Combat Air System(以下、FCAS)」プロジェクト。既に概念研究への着手、試作エンジンの開発に取り掛かっています。さらにこの計画に、スペインが正式に合流を表明し3ヶ国での共同開発が行われる見込みです。

英国のテンペストプロジェクトに比べ、幸先のよいスタートを切ったように見えるFCASプロジェクト。実はドイツ・フランス両国の武器輸出ポリシーの違いから、空中分解するかもしれません。

2018年に発生した、サウジアラビア人ジャーナリスト殺害事件で、サウジアラビアへの武器輸出を全面的に凍結したドイツ。それが原因で欧州で共同開発した武器に採用されているドイツ製部品がネックになり、サウジアラビア向けの輸出が全面的にストップしています。既にドイツ製部品を他国の部品に変更し輸出できるよう取り組みが始まっています。

これは事実上、欧州防衛産業界からのドイツ外しです。

ドイツ国内からも、一度外されたドイツ製部品を、もとに戻すには長い時間が掛かるので、このままでは・・・ という声もありますが、ドイツ政府は輸出禁止を解除する気配がありません。

それにも関わらず、ドイツのメルケル首相の後継者と言われる、ドイツキリスト教民主同盟党首のカレンバウアー氏が、フランスとドイツが結束して“欧州の空母”を建造し、欧州の防衛力を高めるべきだと主張しています。

もう、何がなんだかw

このような状況で、FCASプロジェクトを進めるのは無謀と言えます。


 

テンペストプロジェクトとFCASプロジェクトの統合を狙うイタリア

さらにイタリアが、何やらコソコソ動いています。

そもそもイタリアは、FCASプロジェクトに興味を示していましたが、何故かドイツとフランスからお声が掛からず(いわゆる主導国への参加を拒否され、FCASプロジェクトへの補助的立場(スペイン)での参加は気に入らないという意味)拗ねています。そのためテンペストプロジェクトへ接近中です。

FCASプロジェクトの方が、大きなビジネスチャンスはあるが、ドイツやフランスと対等な立場での参加は難しそう。もう一方の、テンペストプロジェクトは、未だに雲を掴むような話で実態が見えてこない。しかも英国がEUからの離脱をすると言う大きなリスクがある。

どちらもイタリアにとっては好ましくない。

そこでイタリアのシンクタンクが提案したのが、テンペストプロジェクトとFCASプロジェクトの統合です。

出典:Pixabay ユーロファイター タイフーン

今後、10年程度は各プロジェクトとも技術の研究や開発を行うので、その期間中に、この2つのプロジェクトを統合させる方向に持っていくべきだと。そうでなければ、この2つのプロジェクトは十分な市場を確保しないまま、不確実な輸出に頼ることになると。

この統合案は、Team Tempestに参加しているレオナルドS.p.A社も支持していると。

イタリアとしては、欧州におけるイタリアの存在を無視するな!欧州防衛産業におけるイタリアの役割が縮小することを容認できないという立場。そのため、テンペストプロジェクトと、FCASプロジェクトを統合して、よりオープンで開かれたプロジェクト(第6世代戦闘機開発)にする必要があると言う話。

共同開発、国際開発の最大の欠点=各国の思惑の違いが、既に表面化しつつあり、光が見えない状況。

やはり単独開発の意思決定のスムーズさは、お金には代えがたいものがありますね。

 

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 3月 23日

    タイフーンとかA400とかで懲りなかったのか

    • 匿名
    • 2019年 3月 24日

    ねー。現在進行形でA400がグダグダなのに

    • 匿名
    • 2019年 4月 24日

    どちらの戦闘機開発もたぶん空中分解する、軍用機の共同開発は各国の国情や技術力が違うから一番低いレベルに合わせなければならなくなるから。
    日本はカワサキが主体となってP-1とC-2の同時開発という離れ業を成し遂げたのだから、オールジャパンで各社が力を合わせればF-3の実現はそれほど困難ではないだろう。
    そしてF-3用に開発したソフトと基本コンポーネントを流用してXF9-1を使ってセミステルス単発機を作りF-16の上位互換機として輸出すれば一気に戦闘機先進国になれる。

    • 匿名
    • 2019年 5月 30日

    試作品の部品が作れただけで…。

    • 匿名
    • 2019年 6月 26日

    英国が米国と共同開発とかなら実現実はあるけど、独自開発は時間かかり過ぎて難しそう
    ドイツフランスはタイフーンで懲りて無いのが凄い
    結局欧州って力関係が並び過ぎてなにやってもバラバラなんだよね

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