軍事的雑学

軍事的雑学|無敵を誇るF-15が最強進化、ボーイングが米軍導入予定の「F-15EX」を初公開!

米空軍が2020年の予算要求で導入を要求しているF-15EX(Xバージョンの複座型)について動きがあった。ついに、ボーイング社がF-15EXのコンセプトイメージを公開した。

参考:F-15EX The cost-effective, ready solution to complement the U.S. Air Force fleet.

第4世代機の究極進化、F-15EX

米空軍は2020年の予算要求でF-15EX 8機分の予算を要求し、今後最大144機のF-15X(単座)及びEX(複座)を導入し、既存のF-15C/Dをリフレッシュ(交換)して行くことを予定している。

しかし、米軍が導入するといわれているF-15EXがどの様な機体なのか?

恐らく、カタール空軍向けのF-15QAか、F-15 2040Cをベースのした発展型と言われていたが、今回、実際のF-15EXの仕様が公開されたのは初めてだ。

ボーイング社によれば、F-15EXは、米空軍が抱える問題を解決するための『費用対効果の高い、準備が完了している解決案』だと主張。

これまでに$5B+を投資し、無敗のF-15を近代化、あらゆる作戦環境で比類のない機能を提供できる次世代技術で、同クラスの戦闘機の中で、最も多くの兵器搭載量、作戦範囲を提供できると言っている。

出典:ボーイング

F-15EXは、最大29,500ポンド(約13.3t)もの兵器を搭載することが可能で、空対空兵器を搭載できる12のハードポイントと、空対地兵器を搭載できる15のハードポイントで構成されている。搭載された電子装置は、戦場でのあらゆる脅威からF-15EXを保護し、敵の最新の統合型防空システムに対抗することが出来る。

出典:ボーイング

搭載エンジンが何になるのかは言及されていないが、最新のツインエンジンによって、比類のないスピードと加速力を提供でき、より迅速に目標へ到達することが可能だと言っている。

出典:ボーイング

コックピットは、リアルタイムに戦場の情報を提供でき、パイロットの作業負荷を軽減し、意思決定のスピードをアップさせるため、F-15EXは、世界最速のミッションコンピュータを搭載し、1秒あたり870億回の命令処理能力を持っている。

F-15EXの1機あたりの単価は約8000万ドル、一方で、F-35Aの単価は最新の生産ロットで、初めて9000万ドルを切った状態だ。そのためF-35とF-15EXの価格差は非常に小さい。しかし運用コストを比べると、米空軍がF-15EXを導入したくなるのも頷ける。

F-35Aは1時間の飛行に45,000ドル以上の費用が必要だが、F-15EXなら27,000ドルを下回るだろうと言われている。さらにF-15EXの耐用年数は2万時間で、F-35Aの耐用年数は8000時間だ。

これは現在、米空軍が目指してい保有航空戦力の50%を第5世代機化させる計画を多いに助けるだろう。現在のF-15C/Dは老朽化が進み、頻繁な不具合や故障を起こし、このまま放置すればF-35Aを1機も購入しなくても自然と第5世代機の保有比率が目標数値へ近づくだろう。

しかし、それでは意味がない。

老朽化したF-15C/Dを更新するためにも、F-15EXの必要性が叫ばれているのはそのためだ。

 

F-35には無く、F-15EXだけが持つ利点とは?

但し、F-15EXの購入は正式に決定されていない。F-15EXの購入に賛成する勢力がいるように、反対する勢力もいる。

米国議会の下院議員99人による超党派グループが、2020年の予算で、F-35を少なくとも、あと24機追加購入するよう要求し行動を起こした。このグループは、F-15EXの購入を止めろとは言っていないが、彼らの要求が要求したF-35追加購入の24機のうち、半分は空軍型のF-35Aだ。

出典:pixabay

この追加購入するための予算をどこから持ってくるのか?

当然、同じ用途のF-15EX購入予算が、削減のターゲットになるのは火を見るより明らかだ。

このグループは、敵対者は、対空ミサイルを進化させ、独自のステルス戦闘機を開発し続けているので、第4世代機は益々脆弱になり、第5世代機に依存するようになると指摘している。同時に、ロッキード・マーティン社に対し、F-35のコスト削減を急ぐよう求めている。

このグループは、F-35の単価を8000万ドル以下(約90億円以下)に下げるよう要求している。

F-35の単価が8000万ドルを切れば、F-15EXの単価の優位さは完全に失われる。運用コストがF-35の半分だというのも、現時点での話で、今後F-35が増え、不完全な保守システムが完全に近づけば、どれほどの差があるのか、大きな声で主張できなくなるだろう。

ただし、F-35には絶対に無いものが、F-15EXにはある。

F-35が、ステルス性を捨て去り、兵器搭載量を優先したビーストモードと言う形態をとれば、兵器搭載量が10トン近くになる。ただし機外へ兵器を吊り下げれば、それだけ空気抵抗が増えるため、機内燃料だけでは作戦範囲が落ちるだろう。

ビーストモードの10トンという数値は増槽を携行しない場合の数値で、もし増槽を携行すれば現実的な兵器搭載量は7トン程度で、しかもハードポイントは10ヶ所(内4ヶ所は対空兵器専用)しかない。

F-15EXの兵器搭載量、ハードポイントの多さによる多彩な兵器搭載という点だけは、F-35に無いものだ。

果たして、想像の中のF-15EXは、現実の空へ飛び立てる日はやってくるのだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:ボーイング

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 4月 20日

    単発、双発の差は?
    フレームアウトした際の安全性?

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