軍事的雑学

軍事的雑学|スペア部品が足りずF-35が飛べない?トルコ外しで部品供給体制に問題が発生!

米国がトルコへのF-35供給停止に関連し、トルコが製造するF-35の部品の採用停止で、F-35の生産に遅れが出ると米国議会で証言したという報道が出ている。

参考:F-35 Production Will Slow Down If Turkey Is Dropped From Program: Vice Admiral

トルコが製造していたF-35の部品は全体の6%から7%の割合

F-35プログラムディレクターの、マティアス・ウィンター海軍少将は議会に対し「トルコをF-35プログラムから外せば、2年間で50機から75機程度のF-35生産に影響が出る」と報告した。さらに「トルコを外せば、直ぐに生産速度がダメージを受ける、F-35の製造に関わる全ての企業に新たな問題を与える」と話した。

トルコ企業は、降着装置の部品、コックピットのディスプレイ、エンジンなど、F-35に使用される6%~7%の部品を製造し米国のF-35製造ラインへ供給している。そのためトルコをF-35プログラムから外せば、F-35製造に大きな影響がある。

出典:Public Domain 製造途中のF-35の胴体部分

F-35の製造を担当するロッキード・マーティン社も、トルコ企業とのF-35部品製造契約は120億ドル(約1兆3300億円)に達すると話した。

これだけのF-35の部品供給を失えば、新規のF-35の製造はもちろん、既に飛行を開始しているF-35へのスペア部品供給に問題を抱えている状況を、更に難しいものにするだろうと言っている。

これはトルコを外した場合、代替部品の生産先を移すための検討を始めているが、確保された部品の優先供給は組み立てライン向けになるため、全世界で395機のF-35を運用している各軍へのスペア部品供給が問題になると言う意味。

 

部品がなくて飛べませんでは洒落にならない

以前の記事「軍事的雑学|米国のトルコ外しでF-35生産に支障?トルコへのF-35引渡し凍結&部品採用中止」でも、お伝えした通り、トルコ企業のF-35部品製造の規模は、開発国の米国、英国、オランダ、イタリアに次ぐ地位のレベル3。

出典:Public Domain F-35のコックピットのモックアップ、中央の横長のディスプレイが、パノラマ・コックピット・ディスプレイ

製造している部品の中でも、F-35に搭載されるエンジン「F135」の、チタン製ブレードローターなど製造し、コックピットに搭載されるパノラマ・コックピット・ディスプレイは、トルコが唯一の供給先だと言われている。

トルコ企業のF-35部品製造の内訳
Alp Aviation 機体構造体、降着装置の部品、エンジンのチタン製ブレードローター等、100余りの部品
Ayesas ミサイル・リモートインタフェースユニット、パノラマ・コックピット・ディスプレイ
Fokker Elmo 電気配線システム
Havelsan 国内に建造されるシミュレーター訓練装置、メンテナンス要員のトレーニングセンター
Kale Aerospace 機体構造体、F-35全て(A/B/C型)の降着装置の部品、P&Wと合弁でF135用の生産用ハードウェア
ROKETSAN、Tubitak-SAGE F-35用の巡航ミサイル「SOM-J」を、ロッキード・マーティンと共同開発
Turkish Aerospace Industries 中央胴体、ウェポンベイの扉、エアインテークのダクト

F-35の製造に遅れが出るのでは?と思っていたが、はやり懸念は現実へ・・・

ただし、トルコが製造をしていた部品は、トルコの技術力を見込んで製造を頼んだものではなく、F-35開発への出資金の割合に応じて、分配された部品製造権利に過ぎない。そのため時間的余裕さえあれば、部品の代替製造先は確保可能だろう。

問題は時間だ。

恐らくだが、同一部品を製造している企業へ、増産を頼むのがてっとり早い。

しかしパノラマ・コックピット・ディスプレイなど、トルコでしか製造していなかった物などは、一から製造ラインを構築する必要がある。そのため海外ではなく、米国国内で製造ラインを構築した方が、余計な手間(輸出入の手続きや、製造工場のセキュリティー等)が掛からず、迅速な立ち上げが出来るのではないかと予想される。

出典:Public Domain F-35に搭載されるF135

日本のIHIが、日本向けのF-35に搭載されるF135の部品(19品目、ただし品目不明)を製造しているので、もしかすると・・・

参考:IHI、エンジン部品製造でも不正 無資格者が検査

しかし、最近のIHIは不祥事続きだから、どうなんだろうか・・・

 

とにかく、生産に支障がでると問題だが、現在、運用中のF-35に必要になってくるスペア部品に供給をしっかりしてもらいたい。

F-35の機体だけ増えても、部品がなくて飛べませんでは洒落にならない。

※アイキャッチ画像の出典:pixabay

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 4月 09日

    トルコ絡みの記事は特に興味深く見てます。

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