軍事的雑学

軍事的雑学|F-35B以外の選択肢? 防衛省 空母化「いずも」に搭載するSTOVL機の機種選定開始!

防衛省のホームページで興味深い告知を見つけました。中期防衛力整備計画で導入する、“おそらく”F-35Bのような航空機に関する告知です。

防衛省:短距離離陸・垂直着陸戦闘機(STOVL機)の機種選定について

F-35Bを導入するとは一言も書いていない!

この告知の内容は、中期防衛力整備計画で短距離離陸・垂直着陸戦闘機(STOVL機)の導入が決定したので、機種選定手続きを行うという話。要するにSTOVL機導入機種の選定に、参加を希望する企業に対し、予め提案要求の内容についての意見を聴取するから、参加したい企業はよろしくと言う内容。

確かに、中期防衛力整備計画の中で、「戦闘機の離発着が可能な飛行場が限られる中、戦闘機運用の柔軟性を向上させるため、短距離離陸・垂直着陸が可能な戦闘機(以下「STOVL機」という) を新たに導入する」としか書かれていないので、F-35Bを導入すると決まったわけではない。

出典:Pixabay

しかし、現時点で「短距離離陸・垂直着陸が可能な戦闘機」を製造しているのは、世界中を探してもロッキード・マーティン社しかなく、F-35Bが唯一無二の選択肢です。

お役所仕事なのは、分かっているんですけど、流石にロッキード・マーティン社以外に応募できないでしょ・・・

 

実用化されたVTOL機と言えばハリアー!

ということで、ここらはSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)&VTOL(垂直離着陸)機についてです。

VTOL機といえば、世界初の実用VTOL機「ホーカー・シドレー ハリアー」が有名です。最終的に「AV-8B ハリアー II」まで発展し、完全に軍用分野で「VTOL」というジャンルを確立させた名機です。その後継機として開発されたのが現在、米海兵隊や英国空軍で運用中のF-35Bです。

Yak-38「俺を忘れるな!」

旧ソ連が開発したYak-38はハリアーとは違い、推進用の主エンジンとは別に2基のリフトエンジンを装備し、どちらかと言うとF-35Bに近い垂直離着陸方法を採用していました。しかし、通常飛行には全く役に立たない2基のリフトエンジンのせいで、航空機としての性能は非常に低く、お世辞にも成功したと言いにくいものでした。

Attribution: RIA Novosti archive, image #477421 / Vladimir Rodionov / CC-BY-SA 3.0 「ノヴォロシースク」艦上のYak-38

Yak-141「俺もいるんやで!」

Yak-38の後継機として開発されたYak-141は、世界初の実用型超音速VTOL機を目指していましたが、ソ連崩壊により開発が頓挫し、そのままお蔵入り・・・ 残念です。ただYak-141のデータをF-35B開発の参考にしたと言う噂もあったり、なかったり・・・

これ以外にも数々のSTOVL&VTOL機が開発されましたが完全に実用化されたものはありません。その中から、非常に面白い機種を紹介したいと思います。

 

飛ぶことが出来なかった艦上VTOL戦闘機“XFV-12”

管理人一押しは、米国のロックウェル・インターナショナル社が開発した艦上VTOL(垂直離着陸)戦闘機のXFV-12です。

出典:wikimedia commons public domain

これは米海軍の制海艦構想から開発された戦闘機です。制海艦構想とは、空母の大型によるコストを削減を目指し、大型空母と制海艦(いわゆる軽空母・護衛空母)のハイ・ロー・ミックス構想。しかし、肝心のXFV-12の開発に失敗し、計画そのものが大型空母信奉者にぶっ潰されて終了してしまいました。

XFV-12が、どんな戦闘機だったかと言うと、コアンダ効果(ジェット噴流が近くの物体に引き寄せられる減少)を利用したオーギュメンター・ウイングを採用したVTOL機。簡単に言うとジェット噴流を主翼面に排出すると、コアンダ効果で主翼面を這うように流れ、フラップに当たると下向にジェット噴流が流れ、上向きの推力が発生するという理屈。

この方式のメリットは、ハリアーと比べエンジン構造が複雑にならないこと。排熱がコアンダ効果により周囲の空気と合流することで冷却され、飛行甲板を傷めにくいなどのメリットが挙げられます。

出典:wikimedia commons public domain

XFV-12には、マッハ2という高速性が求められ、F-4とA-4の部品を流用して試作機が制作されました。

そして、初めての浮遊試験!なんと、ピクリとも機体が浮かび上がりません。

か、悲しすぎる・・・

何度も試験を繰り返しましたが、結局、一度も飛行することは出来ませんでした。これはオーギュメンター・ウイングの効果が思ったほどではなく、垂直離陸に必要な推力の3/4しか発生しなかったのが原因でした。その上、開発動機だった制海艦構想も中止になったので、XFV-12の開発も放棄されてしまいます。

SF映画にでも登場してきそうな機体を本当に作っちゃう、そんな余裕のある時代?の珍戦闘機です。

 

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 3月 17日

    これは面白い。初めて知った。

    • 匿名
    • 2019年 3月 21日

    もしかしてF3の計画が遅れ気味なのは、このせいか?
    今までの情報やX2を見ると空軍型たったのを、いずもに載せられる様にするのかな?

    • 匿名
    • 2019年 5月 05日

    XFY-1を忘れないでもらいたい

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