軍事的雑学

軍事的雑学|ステルス戦闘機「F-35」は勝手に整備も出来ない?

日本も導入しているステルス戦闘機、F-35タイプの整備について簡単にまとめておきます。

なぜF-35整備をわざわざ取り上げるかというと、過去の米国製戦闘機の整備とは全く異なる方法が取られているからです。知ってる方もはや読む必要もないですが、知らない方は読んで見てください。極力簡単で、専門用語を省いたシンプル解説になっていますのでw

F-35は世界中に売ることを前提に作られた

F-35と、それ以前の米国製戦闘機の整備の違いは、整備の方法です。

F-4やF-16、F-15などの場合、基本的に機体の整備を行うのは、導入した国の整備士です。重大な故障など、現地の整備士では対応出来ない場合に限り、製造メーカーから技術者が派遣され対応するか、最悪メーカーがある米国に輸送して修理という流れです。

F-4は総生産数が5000機以上、F-16は4500機以上、これは開発当初から、ここまで売れる&普及すると考えては作られていません。結果的に売れたというだけ。

しかしF-35は、米国の空軍・海軍・海兵隊の3軍が、同一機種を採用し、開発コストと製造コストを押さえ、本格的に輸出可能なステルス機として設計されています。そのため開発そのものに出資し、開発作業に参加した国、既に購入を表明・決定した国、既にF-35が引き渡された国、将来的にF-35を購入するかもしれない国、全てを含めると最終的には5000機程度になるとも言われています。

あくまで予想ですよ。まぁ管理人的には、その半分ぐらいじゃないのかなと思っています。

あと、少し軍事関係に詳しい方なら、「米国の空軍・海軍・海兵隊の3軍、同一機種を採用」というと、あれを思い出しませんか?

From wikimedia Commons/File:RAAF_F111.jpg 00:00, 04 February 2019(UTC) License=Public domain

可変翼機と言えばF-14ではなく、F-111ですよね?w

話が脱線しそうなので、F-111の話はまたいつか!今回は脱線しません!

ステルス技術をどのように保護するのか?

えーっと、F-35は初めから世界各国に売る、しかも軍事技術の塊であるステルス機を売ることを前提に作られています。

F-35を今までの戦闘機と同じ様に売れば、世界各国にステルス技術が流出するか、ここも、あそこも触るなと制限をかければ、毎日、メーカー技術者が世界各国から呼びつけられることになるwww

なので、F-35の整備を大きく2つに分け、導入国への技術の流失が最小限になるよう設計されています。いや、米国に言わせれば「最先端の技術を多様しているにも関わらず、その取扱や整備は非常にシンプルだ」こう言うでしょうね。

出典:航空自衛隊ホームページ

まずF-35の日々の整備は従来通り、導入国の整備士が行いますが、F-35の内部は、ほぼコンポーネント化されているので、開けて修理するのではなく、問題のコンポーネントを交換するだけです。ただコンポーネントの交換だけではF-35の性能を維持できないので、定期的に大掛かりな整備(以下、重整備)を受ける必要があります。これを導入国が自ら行うことが出来ません。

重整備は、製造メーカーのロッキード社か、世界各地に設けられたF-35の整備拠点でしか行なえません。もはや車の車検に似ていますね。

欧州はイタリアアジアは日本南太平洋は豪州、これに米国本国を加えた4ヶ所に、F-35の整備拠点が整備されます。既にイタリアと日本の拠点は稼働中です。この2つの拠点はF-35の組立生産(※日本は組立生産を中止する予定)を行っているので、その関係上、整備拠点も同時に立ち上がったと考えられます。

しかし南太平洋担当の豪州は、組立生産を行っておらず、整備のために投資するのか疑問。地理的には豪州も日本で整備すれば良いのでは?と思ってしまいますが、中国やロシア、北朝鮮を抱えるアジアの整備拠点のバックアップ的な位置づけなのかもしれません。

いけない、話が脱線しそうだ。

好ましくないと受け取るのか否か

日本は幸いにも、国内に拠点があるので、重整備のため苦労や負担は、非常に軽いと言えます。もしF-35に重度のトラブルが発生しても素早い対応も期待できそう。これが国外の拠点に軍用機を移動させるとなると、きっと非常に面倒くさい手続きがあるんでしょうね。

ただし、全ての重整備が行われると言っても、整備拠点の内部には制限区域があり日本企業が手を出せない部分があるそうです。いわゆる米軍かロッキード社にしか触らせない部分。これを好ましくないと受け取るのか否か、個人の判断によりますが、もしこのような方法を取り入れてない場合、ステルス機の輸出は随分先か、未だに禁止されていたのではないかと管理人は考えます。

F-22が開発され、量産機が登場してからもう18年、試作機の初飛行から言えば28年も経過しているのに、未だに輸出が禁止(既に製造ラインが無くなっていますが・・・)され続けているのは、F-22を輸出した場合に、ステルス技術を含む、軍事技術のコントロールが出来ない点。これが最大の障害だったので、これをクリアするために考えだされたのがF-35の整備方式という訳です。

F-35がもし、F-22のように輸出を考慮せず設計されていた場合、世界は今でもF-15かF-16が売れまくっていたでしょうね。

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 2月 04日

    きちんとしたコメントが出来るほどの知識がないのですが、
    分かりやすい解説とても楽しみにしています。
    拍手ボタンとかあればいいのにな…

    • 匿名
    • 2019年 2月 04日

    日本は組立生産を中止する予定

    どして?

    • 匿名
    • 2019年 2月 04日

    F35はちゃんとした戦闘機じゃない。F22を売れ売れ言われた時、F35を売るための。F22を守るために国家機密が流出しても差し支えないF35を開発させた。

    アメリカは対ロシア戦闘機に対抗するためではなく、万一地球外生命体による侵略でUFOとの戦闘に備えてF22が開発された。

    • 匿名
    • 2019年 2月 05日

    韓国や中国支持者からの視点でディスってるようにしか読み取れんかった

    • 匿名
    • 2019年 2月 08日

    まぁ、F22もF35も機密にシビアなのは、安全保障面だけでなく、開発費が大幅に高騰したため、他国に安易に模倣されては堪らないということも大きいと思います。
    ですが、F35は安い汎用ステルス機のハズが、史上最高に高価で開発期間が長い戦闘機になったのはいただけないですね。何でもかんでも一つも機体に一度に詰め込もうとすると、世界一の開発実績を持つ米国の能力をもってしても、このように苦労するんですねぇ。

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