軍事的雑学

世界中から失笑されるドイツ軍を再建?ドイツ政府、軍の調達システム改革に着手

ドイツのカレンバウアー国防相は、自国の軍隊が世界中から笑い者になっている現状を改善するため、装備や機器の調達を担当する組織の改革に乗り出した。

参考:German Army: From ‘Laughingstock’ to Glory

行き過ぎた官僚主義と、やり過ぎた軍縮がドイツ軍崩壊の真犯人

カレンバウアー国防相は、ドイツには飛ぶことの出来る飛行機もなく、走行可能な車両もなく、海へ乗り出すための船もないと言われていることについて「うんざり」しており、ドイツ軍の装備や機器の調達を担当するドイツ連邦軍装備情報技術運用庁の改革に乗り出した。

世界中から笑い者になっているドイツ軍の現状とは、軍全体で保守パーツや装備品の調達が遅れ、戦闘機「タイフーン」や戦車「レオパルド2」、水上艦艇や潜水艦など、あらゆる装備品が正常に稼働せず、無線機や暗視装置、擲弾発射器などの戦闘装備、防寒服や防護ベスト、ブーツなどの個人装備まで、あらゆるものが不足しているという問題を指している。

極めつけは、運用・管理を任されているドイツ政府専用機(エアバス製)まで故障し、外交スケジュールに影響を出してしまった。

では、このような問題は資金不足から来るものなのか?

2006年から7年間、メルケル首相の軍事政策顧問を務めたエーリッヒ E. ヴァッド准将は、ドイツ軍とイスラエル軍の国防費を比較し、この問題は「資金不足」ではなく「官僚主義」に染まった軍指導者が多すぎるのが原因だと指摘した。

さらにドイツメディアは、欧州の国々は東西冷戦終結後、軍を整理し縮小したが、ドイツほど軍の規模を縮小した国はなく、多くの兵舎が閉鎖され、同時に徴兵された兵士を服務期限前に大量に解放したことで、軍を維持するために必要なノウハウが失われ、施設や装備は適切に維持することが出来ず組織崩壊に繋がったと指摘した。

結局、行き過ぎた官僚主義と、やり過ぎた軍縮がドイツ軍崩壊の真犯人だ。

出典:Public Domain ドイツ空軍のトーネード IDS

老朽化の激しい戦闘機「トーネード」の後継機選定が遅れ、2030年までトーネードを運用し続けるため、1機あたり9500万ユーロ(約120億円)、計88.6億ユーロ(約1兆1000億円)もの大金が必要になったのも、「全てについて時間がかかり過ぎ、そうして時間を浪費している内に費用が上昇して予算を圧迫、また書類を書き直すところから始めなければならない」と言われる硬直化した組織が招いた結果で、リーダシップを持つ軍指導者がいないことを示した例だ。

カレンバウアー国防相は、ドイツ連邦軍装備情報技術運用庁の職員の前で「ドイツ軍は笑いものではないはずだ」と語り、ドイツ軍の装備や機器の調達システム改革への決意を示した。

この改革は「必要な装備や機器を、より速く、より簡単に、必要とされる所へ直接届ける」ことを掲げているが、この改革を円滑に行うには「大きな改革」ではなく「小さな改革」を多く行いたいと述べており、改革の実効性については疑問が残る。

一度、既存の組織を壊せば再構築に時間がかかるというデメリットはあるが、新しいシステムや組織文化を導入するのが容易になる。逆に、既存の組織をベースに改革を行えば短時間で済むというメリットはあるが、新しい価値や文化を拒否する組織防衛本能が改革を邪魔するかもしれない。

どちらも一長一短なので、どちらが正しいのかは分からないが、小さな改革程度で、現在のドイツ軍が立ち直るのか非常に怪しいと管理人は感じている。

 

※アイキャッチ画像の出典:MoiraM / stock.adobe.com

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 10月 15日

    失笑どころの話ではない。
    ドイツ人は自殺したいのか?と問いたくなるほど酷すぎる。

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