軍事的雑学

米国の飴と鞭!インドS-400導入中止の見返りにF-35提供の可能性?

NATO加盟国で、F-35の開発パートナー国でにあるトルコが、ロシアからS-400を導入することで、米国と対立している問題と同じ困難に、インドも直面するかもしれない。

参考:US may offer F-35 fighter if India scraps S-400 deal

米国は、インドがS-400を諦める見返りとしてF-35を提供するかもしれない

インドは、2018年10月、中国、トルコに続いて、ロシアから防空ミサイルのS-400「トリウームフ」を購入する、総額50億ドルの契約を結んだ。

米国は、インドに対しS-400導入を諦め、代わりに弾道ミサイル迎撃システム「THAAD」と、防空ミサイル「パトリオット」を購入するよう提案しているが、インドがS400導入を諦めたという話は聞こえてこない。

Attribution: Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 ロシア製防空ミサイル S-400

ロシアのS-400は、最大600kmの索敵範囲を持ち、10個の目標と同時交戦できると言われている。

3種類の異なる迎撃ミサイルを運用することが可能で、航空機や巡航ミサイルなどとの最大交戦距離は、200kmとも、300km以上とも噂されており、これは西側標準の防空ミサイル「パトリオット」の倍以上の空域をカバーでき、限定的ながら弾道ミサイルの迎撃能力も備えたミサイルさえも運用可能だ。

パキスタンとの国境沿いにS-400を配備し、パキスタン領内の多くの部分を防空ミサイルの射程内に収めてしまおうと考えているインドにとって、米国の提案する「THAAD」は、弾道ミサイルの迎撃に特化したミサイルでしかなく、「パトリオット」の交戦距離は100km未満なため、インドが米国の提案を受け入れるのは難しいかもしれない。

出典:Public Domain 弾道ミサイル迎撃システム「THAAD」

インドのThe Economic Times紙は、NATO加盟国のトルコが、ロシアからS-400を導入することで、米国からF-35に関する契約を打ち切られそうになっている状況を紹介しながら、インドも同じ様にS-400を導入すれば、米印防衛技術・貿易イニシアティブ(DTTI)に基づく、米国との防衛協力に影響が出るかもしれないと報道している。

補足:2012年のオバマ大統領当時に結ばれた“米印防衛技術・貿易イニシアティブ(DTTI)”に基づき、現在、米国とインドは、無人機開発の共同開発や、米国製戦闘機(F-16Vのインド向けバージョン:F-21)導入を協議している。

さらにThe Economic Times紙は、インドにS-400を諦めさせる切り札として、米国はインド空海軍へ、ステルス戦闘機「F-35 ライトニング II」を提供するかもしれないと報道している。

現在まで、インドはF-35購入を、米国に要請したことは一度もないが、ロシア製防空システムをインドから追い出せるのなら、十分、その可能性はあるだろうし、インドへのF-35供給で、生産予定数が増えるなら、米国にとっても悪い話ではない。

S-400導入契約が全て整ったトルコに対し、インドは、米国のトルコ制裁への圧力を見て、ロシアへのS-400導入費用の支払いを、一部にとどめ、それ以上の送金を行っていない。

これはインドが、S-400導入という選択肢から「引き返す事が可能」だという、米国向けの政治的メッセージかもしれない。言い換えれば、S-400導入を諦める代わりに、インドが納得できるだけの「見かえり」を要求しているとも言える。

オバマ政権時から育ててきたインドとの関係を損なうのは、米国のトランプ政権が掲げるインド太平洋戦略にとってマイナスにしかならず、これは対中国牽制の後退に繋がるだろう。

トルコに対して強硬策を選択したトランプ政権は、果たしてインドに対し、どのような飴と鞭を用意をするのだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:US Air Force / Photo by: Ronald Bradshaw

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コメント

    • ハリアーの代替が必要
    • 2019年 6月 10日

    元々、インドの艦隊航空はハリアーだった。
    代替機が手に入らないから、無理してMiG-29K≪9.41≫を買う羽目になった。
    F-35Bが手に入るなら、順当に飛びつくのではないかな。

    • 匿名
    • 2019年 6月 11日

    F-35は整備の問題があるからどうだろうね

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