軍事的雑学

軍事的雑学|日本政府、特殊作戦に特化した米空軍向け「CV-22 オスプレイ」導入へ

日本政府が米空軍が運用してるCV-22オスプレイの導入する方針を固めたという報道が出ています。

参考:海外の邦人救出にオスプレイ想定 安保法任務、専用機導入へ

V-22BとCV-22の違いは?

日本は既に、オスプレイを導入済み(日本にはまだ到着していない)なのに、またオスプレイの導入を?

陸上自衛隊が、輸送機として17機導入するのは「V-22B」で、2019年3月から2ヶ月間、米国のニュー・リバー海兵隊航空基地で、操縦や整備の訓練を受けることになっています。

では今回、日本政府が導入をすると言っている「CV-22」と、導入済みの「V-22B」と何が違うのか?

出典:wikimedia commons public domain 米空軍所属のCV-22

日本が先に導入を決めた「V-22B」は、米海兵隊向けの「MV-22B」バージョンで、今回導入しようと言ってる「CV-22」は、米空軍の特殊作戦コマンドが使用している特殊作戦用「CV-22」輸送機のこと。

特殊作戦用「CV-22」は、米海兵隊向けの「MV-22B」をベースに、AN/APQ-186 地形追従レーダー、AN/ALQ-211電波妨害装置、AN/AAQ-24赤外線ミサイル妨害装置、主翼に新しく燃料タンクなどを追加し、夜間における長距離特殊作戦遂行へ特化した機体になっています。

政府は「CV-22」の導入理由に、海外邦人救出や警護活動に必要だと言っています。

しかし「CV-22」の性格から考えると、占拠された離島を奪還するための特殊作戦に使用する目的だと考えられます。

 

果たして、国内の防衛産業は生き残れるのか?

これは昨年、トランプ大統領に、安倍首相が米国製防衛装備の購入を約束し、F-35Aの追加導入、F-35Bの新規導入を進めているのと同じ流れ。4月以降に交渉が始まる米国との貿易交渉において、少しでも有利に交渉を進めるため、米国の対日貿易赤字を減らす手っ取り早い方法が、高額な防衛装備購入という話。

通常なら財務省のお許しや、国内の防衛産業への配慮もあって、中々欲しい兵器の導入実現が難しいのに、今だけは本当に何でも買ってもらえそうな雰囲気(笑)

しかし国内の防衛産業にとっては、米国からFMS方式での購入する武器が増えれば、それだけ国産兵器購入の予算にしわ寄せが来るので、戦々恐々と言ったところ。FMS方式とは、米国の対外有償軍事援助プログラムのことで、兵器を製造している企業との商業取引ではなく、米国政府を窓口に兵器を購入する政府間による購入契約のこと。

実は、CV-22オスプレイ導入報道が出た数日前(3月22日)、朝日新聞が有料記事で非常に興味深い内容を書いていました。

有料記事:瀬戸際の防衛産業:上 戦闘機開発、欧米が攻勢

有料記事なので、あまり多くの内容をバラすのは良くないですが、記事の要点を言うなら・・・

国内防衛産業企業は、安倍政権のFMSによる兵器輸入割合が急上昇していることに大きな危機感を感じている、これまでの護送船団方式による防衛産業の育成は投資効率が悪い。次世代戦闘機開発に向けて、国内防衛産業大手10社が共同出資し、次世代戦闘機開発に特化した新会社設立に向けて検討を行っていると言う内容。

出典:陸上自衛隊 コマツが開発・製造した96式装輪装甲車

最近、陸上自衛隊向けの戦闘車両を開発・製造していたコマツが防衛産業からの撤退を決めたのも、この様な流れが影響していたのかもしれません。

もし現在の防衛費のまま「CV-22」を導入するとすれば、やはり陸上自衛隊が導入先になると思うので、当然、陸自の予算から導入費用を捻出しなければなりません。

そうなれば、用途が近しい関連予算が削られるのは火を見るより明らか。

陸自向けに川崎重工が製造している大型輸送ヘリのCH-47JAや、富士重工が開発中の新多用途ヘリコプターUH-Xに影響が出そう・・・

出典:陸上自衛隊 新多用途ヘリコプターUH-X

大きな予算が必要になるだろうと思われるものだけ見ても、護衛艦「いずも」の空母改修、F-35の追加導入、次期戦闘機の開発と量産、水陸機動団の設立、イージス・アショアの導入等を、現在の防衛費GNP1.0%以内で調達しながら、国内の防衛産業も維持していくと言うのは、ちょっと難しいのではないかと管理人は思います。

このまま行けば、国内の防衛産業が無くなっている可能性もありえる・・・

だからと言って、コスト無視で、何でも国内でライセンス生産を行うのが正しいのかと言えば、もはやそんな調達方法が許される状況でもない。

果たして、国内の防衛産業は生き残れるのでしょうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:pixabay

関連記事

  1. 軍事的雑学

    日本、AN/APG-82搭載したF-15Jへ国産「AAM-4B」搭載検討

    日本の防衛省は、アップグレードが予定されている航空自衛隊が運用中のF-…

  2. 軍事的雑学

    軍事的雑学|英国は単独で、独仏は共同で第6世代戦闘機開発に乗り出す

    ドイツとフランスは、第6世代の戦闘機に関する両政府のビジョンを絞り込む…

  3. 軍事的雑学

    軍事的雑学|トルコにS-400製造権もステルス戦闘機も与えるロシア、追い詰められる米国

    依然としてロシア製地対空ミサイル「S-400」導入を強行するトルコ、F…

  4. 軍事的雑学

    日本の空母「いずも」で米F-35B運用?米国が推進する日英空母「クロスデッキ」化

    米海兵隊「F-35B」が、空母化された「いずも型護衛艦」を使用すること…

  5. 軍事的雑学

    軍事的雑学|スウェーデンが誇る戦闘機に異変!スホーイキラーの「グリペンE」は見掛け倒しか?

    グリペンは、スウェーデンが要求する珍しいニーズを満たす唯一の戦闘機で、…

  6. 軍事的雑学

    軍事的雑学|陸自・水陸機動団の実力は?本格的な上陸訓練「アイアン・フィスト」を見てみよう!

    今回は、陸上自衛隊の水陸機動団が、米海兵隊と共同で訓練を行った「アイア…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 3月 25日

    各社国産品を海外で売って利益をあげる必要がありますね

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

最近の記事

関連コンテンツ

PAGE TOP