日本が誇る、そうりゅう型潜水艦。
気がつけば、11番艦の「おうりゅう」が進水し、残すは今年進水予定の12番艦のみ。日本は1年に1隻づつ潜水艦を建造し続けているので、毎年、1隻は新しい潜水艦が完成します。

出典:海上自衛隊ホームページ
となると、2020年の東京オリンピックイヤーには、そうりゅう型潜水艦の後継艦となる新型の「3000トン型潜水艦」が進水予定です。
新型の「3000トン型潜水艦」は、そうりゅう型潜水艦とは何がどう進化してるのか?現段階で分かっていることを簡単にまとめておきます。
外見には大きな違いなし
新型の「3000トン型潜水艦」は、その名の通り、基準排水量が3000トンです(笑)。これはそうりゅう型潜水艦に比べて、100トンほど重量が増加していることになります。まだ一般人の誰も見たことがないので断言出来ませんが、そうりゅう型潜水艦と、外見に大きな違いはないそうです。
動力も、そうりゅう型潜水艦後期型が採用した「リチウムイオン蓄電池+ディーゼル式」を引き継ぐ予定。当初は次世代AIPを搭載するなんて言っていましたが、どうやら水素吸蔵合金の開発が予定通り進んでいないようです。
目を引くのは「シュノーケルを使用した発電システム」を、全面的に刷新すると言う点。
シュノーケルを使用した発電システムとは、ディーゼル式の潜水艦は、内蔵蓄電池の電気がなくなれば、発電機を回して充電する必要があります。発電機を回すためにはディーゼルエンジンを動かす必要があるので、空気を取り入れ、燃焼後の排気を艦外に排出しないといけないので、浮上して行うか、水中からシュノーケルを伸ばして吸気と排気を行う必要があります。
このシステム自体は、第二次大戦中のドイツで考案されたもので、目新しくはない。現代のディーゼル式潜水艦にはほぼ100%搭載されていると思います。
今回「3000トン型潜水艦」では、リチウムイオン蓄電池の大容量充電量に対応するため、小型で高出力、シュノーケルだけの改良にとどまらず、ディーゼルエンジンや発電機など、「電気を作って充電する」という全てについて新しく作り直したものを採用するようです。
この辺りは地味だけど、よくよく考えれば、従来の蓄電池に比べて、大幅な容量アップとなるリチウムイオン蓄電池を採用しているので、発電・充電が従来のままでは充電に掛る時間が大幅に長くなるということ。特にリチウムイオン蓄電池は、大電流で充電できるのでこれを生かさない手はない。
大電流による時間辺りの充電容量を増やして、容量が増えても完全充電にかかる時間はこれまで通りに近づけるのか?完全充電に掛る時間を大幅に短縮してくるのか?その答えは、現段階では神のみぞ知るw
全方位に対する探知能力向上
ソナーや、戦闘システムなどは、順当に性能が向上。この辺りを書き始めると、自分でも何を書いてるのか意味が分からなくなるのでパス。
と言いたいが、何とか簡単にまとめる努力をしてみる。

出典:防衛省ホームページ
従来の潜水艦の運用環境を拡大、特に沿岸海域(いわゆる浅瀬、水深の浅い海域)での運用を視野に入れている。そのため音響探知が困難になりやすい浅瀬でも性能が発揮できるようにする必要がある。そのため新型の「3000トン型潜水艦」では、艦首アレイ・ソナーに、コンフォーマル型を採用している。これは艦首の形状に沿って搭載(貼り付けるような感じ)できるので、従来の方式に比べ面積当たりの探知能力が約2倍になる。
側面アレイ(船体の横腹の辺り)は、圧電素子のハイドロフォン・アレイから、光ファイバー・ハイドロフォン・アレイに変更される。これは従来の音圧ではなく、光の干渉により音を探知するのもで、圧電素子に比べ性能もよく、小型軽量化できる。
これに曳航式アレイを加えて、全方位の探知能力を向上させると言っています。
ほら、何を言ってるか分からないでしょ?w
車や家電とちがって、実際に自分で使った使用感がないので、概念の話になると伝わりにくいんですよね。ごめんなさい。
浅瀬対応が次期3000t級潜水艦の特徴か?
全般的に言えば、そうりゅう型潜水艦が登場したときほどの斬新さ(X舵、リチウムイオン蓄電池、船体の大型化など)はないものの、そうりゅう型潜水艦を実際に運用して得られたデータを元に、そうりゅう型潜水艦をより洗練した、より実用的に落とし込んできた印象を受けます。

出典:海上自衛隊ホームページ
さらに新型「3000トン型潜水艦」には、G-RX6新長魚雷が搭載されるらしい。これは89式長魚雷の性能向上版ですが、対魚雷欺瞞・防御手段に対する耐性が向上し、深海はもとより浅瀬でも性能が発揮できるように作られているようです。
この魚雷、非常に高性能だとの噂。
特に目標を探知するセンサー部分が非常に優秀で、目標と囮を見分ける性能が凄いらしい。
これは新型「3000トン型潜水艦」だけの話ではなく、そうりゅう型潜水艦にも搭載される話なんですけどね。
以上のように、潜水艦から搭載兵器の魚雷まで、浅瀬対応を全面に押し出しているので、どの辺りを作戦地域と考えているのか、よく分かります。まぁ言葉に出してまでは言いませんがw
来年の2020年になれば、より詳しい情報もでてくると思います。またその時が来れば情報を追記するか、新たに記事にしてみようと思います。
東シn……ゲフンゲフン
潜水艦のそれぞれのアレイって魚の側線と内耳みたいですね
魚雷ってのは潜水艦以上に貴重なものらしい、高性能な魚雷が作れる国は数が少ないから最新型は軍事機密満載で輸入できず旧型も賞味期限があるから自国で製造できない国は簡単には発射できない。
新型の3000トン潜水艦にG-RX6を装備したら潜水艦を含めて他国の艦は鴨と変わらなくなる。
貧者の兵器と馬鹿にできないくらい日本は毎年造ってるし練度を上げてる。おまけに魚雷まで。ま、原潜を持ってない日本にシュクバルみたいなのは要らん。
リチウムイオンは結局最終艦しかできなかったので標準で搭載&最初からそれを前提に最適化された新潜水艦の特徴でいい気がします。
次期潜水艦は、無人AI搭載潜水艦郡を率いる潜水艦だと良いですね。
広い太平洋上では、無人AIはまだまだ困難でしょうが、自衛隊の主な任務である日本沿岸に限定すれば、地形や潮流他のデータは限定されますので、何とかできないものかなぁと思います。
AIといえばソナーのAI化は進んでいるのだろうか?
この手の話しはハードウェア方面の話ばかり聞こえてきて
近年特に重要度が増してきてるソフトウェア方面の話しはほとんど聞こえてこないなぁ
ロシアの核魚雷ポセイドンの様な今後の対抗策はどの様なものになるか、それらのセンサー網と連携した海中防御戦略はやはり日本の様な海洋国家にとって非常に重要ですよね。海中、海上、航空、宇宙に渡る多様な情報レーダー網の確立と連携した海空陸宇宙の装備についてアメリカなどと真剣に構築をすることが重要ですよね!
防衛省の事業評価 評価書はWebで見る事ができます。
概要と予算が見れます。
新シュノーケル、G-RX6も予算は小粒です
(つまりは配備する兵器としては既存の兵器から順当な、堅実な進歩)
建造中のおうりゅうからの変更では
対魚雷欺瞞・防御手段に対する耐性が向上(側面のセンサーが光ファイバー・ハイドロフォン・アレイと関連?)かな?
完全複殻に戻った(現在は圧電素子なので、そうりゅう、おうりゅうは中央部は単殻)?
G-RX6の一番の変更は浅い海の対応の為にアクティグ・ホーミングを改良。
アメリカのMk54相当かな?
現在の89式魚雷 G-RX2はMk48相当、ポンプジェット、推進機関、誘導装置などはアメリカが先行してる。 浅い海への対応も後追い、 夢を見すぎてははいけないと思います。 酸素魚雷などで第二次世界大戦では先行してましたが、誘導、新しい機関と言った部分では・・・
これは短魚雷で同じ。 開発費用は防衛省に出てます。過度の期待は韓国面的な事になります。
12式魚雷 (G-RX5、短魚雷) 浅海域対潜用の能力の強化を長魚雷にも適応させるだけです。
具体的には相手に見つかる危険は置いといて(Mk54も同じ考え)アクティグ・ホーミングの機能を強化する、理由は浅い海では海底、海面からの乱反射でパッシブはダメですから。 反射だから潜水艦のソナーの情報は有用ではないです。
黄海への対応です。
リチウムは充電末期でも大電力で充電可能だからそれを可能にする吸気の大きいシュノーケルが必要ってことだろう。
鉛電池はまったり充電する必要がある、急速充電ではすぐに使い物にならなくなるから。