日本で開催された「DSEI JAPAN 2019」でジャパン・マリンユナイテッド社は、海上自衛隊に提案するため強襲揚陸艦の設計案を発表した。
参考:DSEI Japan 2019: JMU unveils preliminary LHD design
海上自衛隊に提案するため強襲揚陸艦の設計案を発表
ジャパン・マリンユナイテッド社は、千葉県の幕張メッセで開催された防衛装備品の国際展示会「DSEI JAPAN 2019」で、海上自衛隊に提案するため強襲揚陸艦の予備設計案を発表した。

出典:ジャパン・マリンユナイテッド社
この船は、空母に改造される「いずも型護衛艦」にウェルドックを追加したような形状をしており、全長220m、全幅38m、排水量19,000トン、最大速度は24ノット、基盤乗組員は500人、垂直離着陸機「V-22 オスプレイ」や回転翼機の発着スポットは5つ分あり、デッキサイド式エレベータも採用されている。
発表されたCG画像を見る限り、船首と船尾に計3基のファランクスが、艦橋近くにRIM-116 RAMが固定武装として設置されており、船体後部に設けられるウェルドックには、エアクッション型揚陸艇が2隻収納でき、船内の格納庫には「AAV7」のような水陸両用車や各種車両を20輛以上搭載できると同社の担当者が話したと言う。
但し、艦内に収容出来る兵力については明らかにしなかった。
この強襲揚陸艦の予備設計案は、あくまで海自向けに提案するためのものであり、防衛省からの受注や指示によるものではないが、同社は数年以内に、このような強襲揚陸艦タイプの護衛艦が発注されるだろうと語った。
海上自衛隊には、全通飛行甲板とウェルドックを備えた「おおすみ型輸送艦」があるが、強襲揚陸艦とは違い航空機用の格納庫やエレベーターなど航空機運用のための設備を一切持っておらず、建造当初は航行中に回転翼機を発着艦させることも出来なかった。

出典:海上自衛隊 おおすみ型輸送艦
その後に建造された「ひゅうが型護衛艦」や「いずも型護衛艦」は、全通飛行甲板式のヘリコプター搭載護衛艦(ヘリ空母)として建造されたため、島嶼戦に必須の水陸両用車による上陸作戦については「おおすみ型輸送艦」で代用するか、ヘリ空母によるV-22や回転翼機での兵力投射しか手段がない状況だ。
中国と対立している南西諸島(尖閣諸島を含む)海域での作戦を考えた場合、当然、強襲揚陸艦が必要になるので、強襲揚陸艦タイプの護衛艦が発注されるだろう言うジャパン・マリンユナイテッド社の予想は、概ね正しいと言えるだろう。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Benjamin F. Davella III 強襲揚陸艦ワスプから発艦するF-35B
管理人の我儘を言えば、もう1万トンほど大きくして米海軍の「ワスプ級強襲揚陸艦(28,200トン)」のように、F-35Bの運用能力をもたせれば「ライトニングキャリア」としても使用できるので、運用の幅が広がると思うが、満載時には4万トンを超える巨艦となるため、野党あたりから反対されるかもしれない。
結局、F-35Bの運用能力を持つ「いずも型護衛艦」と、V-22や回転翼機のみに運用能力を制限した強襲揚陸艦を別々に建造し、船を大きさを小さくしたほうが受け入れやすいのかもしれないが、2019年から2024年までの中期防衛力整備計画(31中期防)に強襲揚陸艦タイプの調達は盛り込まれていないため、具体的な話が出てくるのは早くても2025年以降になるので、それまでに状況が変化しているかもしれない。
もし、中国の軍事的な圧力が今以上に高まれば、案外、本格的な強襲揚陸艦の建造に踏み切る可能性も無いとは言い切れない。
※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊 護衛艦かが
これは当然、おおすみ型の次型の構想だろう
堅実な構想だと思える。次期大型輸送艦:強襲揚陸艦を、
この様な堅実な形に留める事によって、
いずも軽空母の次に、中型空母を建造する可能性が生まれるかも知れない
もしそうなったとしても、取り敢えず艦の大型化はそこで打ち止めで良いと思うが。
戦力の最大化を求めるなら、シンボル的な大物一艦という考えはダメで、
適正なサイスの良質なものを複数、多数、建艦するべきだろう
はるな型の代艦が、ひゅうが型。
しらね型の代艦が、いずも型。
代艦ではなく純増するには人手が足りないでしょうし、DDHはしばらく建造しないと思います。
強襲揚陸型護衛艦?=多目的輸送艦?
本来の目的は、揚陸に必要な正面装備+人員+物資等を必要なだけ一度に運べる大きさが理想だ、
おおすみ型輸送艦やひゅうが型いずも型等複数艦で手分けして運ぶ事になるのか?被害の分散も正義
しかし、ワスプ級揚陸艦が好き!
スキージャンプが無いだなんて・・・
おおすみ型の代艦として妥当だと思う
ワスプ級クラスを運用するには、人も予算もノウハウも足りないんじゃないかなぁ
強襲揚陸艦の運用上の制約(喫水による港の制約や作戦の特性上、損失時の大きさ)を考えれば基準で2万トンは妥当友達いえるのでは?
アメリカ級3番艦をタイプジップにした方がいいと思う。
スキージャンプの分更に大型化。
速力は30ノットは欲しい。
艦名は、さつま、たんご、きい、等の律令国と半島の名前が被るものがいい。
いずも型改造するより次期護衛艦で強襲揚陸艦型を建造する方が良い。
小野寺防衛相のときにより大型の強襲揚陸艦導入の話があってマキンアイランド視察したりしていたはずですが、あれはどうなったんですかね?あの時の予定ならもう今頃は就役していたはずなんですが、先にいずも型の空母化が来ちゃったし。
陸自の中・小型輸送艦配備構想もありましたよね。まだ紙面を賑わせてから間もないけど。
決定した話じゃないから立ち消えになってても何もおかしくはないんですが。
おおすみ級の代艦になるでしょうから、暫く先でしょう。
最終的にどのような艦隊編成を目指してんだろ?空母2強襲揚陸艦2の4艦隊か?
なんでも一つにまとめると…
スマホを落としただけで、緊急に連絡しなければならない相手のアドレスや電話番号もわからず、事後の予定も定かでなくなり、財布を持っていないために公衆電話も使えなければ、電車にも乗れない……
などとなりうる……
多目的大型艦は…
見た目やスペックは凄くても、1隻沈められたら全てお手上げになるから、軽空母 と 揚陸・輸送艦 で分けて持ち、2隻随伴行動とするのも一理…
ただ乗員の数は増えてしまい、人員の確保は苦しくなるかもだが……
とりあえず既存の艦艇だけで良いかと。尖閣諸島の防衛と奪還であれば必要ない。南西諸島全体であれば、まずはコレじゃないと思う。とはいえ、水陸機動団自体は維持必要。
こんなサイズでってどこの竹島艦だよとw
このサイトはいつもコメントは少ないのに
こういう話題の時だけ活発なのは草
ミリタリーを扱ってる人があまり多くないからね・・・
艦の乗員は大丈夫だとして、
陸戦隊の寝食するスペースが無いように見えるんだが
気のせいじゃないよねコレ?
これ2隻導入して果たして運用するだけの人員と予算があるのか?
大型艦より素直に4個戦隊にしては少なすぎる
補給艦と輸送艦増やすほうがさきじゃないのか
仮に「おおすみ型」退役に対する後継艦であろうと、そうでなかろうと、海自の場合は隻数は同型艦「3ないし4」はマスト。1隻2隻じゃローテーション(第一線投入可能な高練度艦/補給・整備艦/整備明けの再訓練艦)上、穴が開く時期が必ず発生する。それと、最近は海自はクルー制(艦は4隻・クルーは3組で回す、1隻ドック入りしていても遊休クルーを作らない、艦とクルーを紐付けしない)も採用しているし。その辺の事情を勘案すれば、満載排水量4万トン超の艦を4隻なんて海自の体力的にとてもとても…
いずも型の満載排水量26000tを基準排水量とする、満載32000t(瑞鶴クラス)の揚陸艦が出来るモノと期待してたんですが…。
オタクの夢で終わるのか?
日本は恐らく大量の航空機を搭載可能な大型の揚陸艦は建造しないと思います。根底にあるのがミッドウェー海戦のトラウマだと言われています。主力空母4隻を一気に喪失したばかりでなく大勢の熟練パイロットを喪失した経験から、航空勢力の搭載はできるだけ危険分散をする方針で、先代の8-8艦隊が巡洋艦型の護衛艦一隻にヘリ3 機、残りの5機を5隻のDDに割り当てる方針に落ち着いた時、やはり海自のプロの人もこの点を指摘していました。従って、よくF35Bを運用する強襲揚陸艦を望む人が多いですが、鈍足の揚陸艦でF35Bを運用することはクロスデッキならばいざ知らずCAPとかCASの目的で搭載するようなことはまずないと思われます。CAPや限定的なCASはいずも型で、ASWは日向型で行い、揚陸艦は揚陸に専念すると思われます。すなわち、揚陸艦の制海艦運用は日本では行われない、と思われます。揚陸艦を制海艦運用するくらいなら、恐らくいずも型をひとまわり大きくした五万トン
クラスの空母を作るでしょう。その際は、日向型を新型のFFMと揚陸艦で構成される掃海・輸送部隊の旗艦として2個隊を編成し、開いた護衛隊群に空母を2隻嵌め込むのが無理のない編成ではないか、と思うのですがね。