軍事的雑学

軍事的雑学|韓国「残念な仕様」の新型イージス艦!謎の「SM-3『級』防空システム」とは?

韓国の防衛事業庁は、国防部長官が主宰する第120回防衛事業推進委員会を開催し、新型イージス艦と、3000トン級潜水艦BatchⅡの開発基本案を審議し両案を承認した。

参考:120 방위사업추진위원회 결과

SM-3ではなく、SM-3級防空システム?

韓国メディアの報道によれば、新型イージス艦には、弾道弾迎撃ミサイル「SM-3」級の防空システムを搭載し、3000トン級潜水艦BatchⅡには、搭載蓄電池をリチウムイオン蓄電池に変更する案が、委員会で了承されたと言う。

注目する点は、『弾道弾迎撃ミサイル「SM-3」級の防空システム』と言う点だ。

出典:public domainイージス巡洋艦「レイク・エリー」から発射されるRIM-161スタンダード・ミサイル

一部の報道では、SM-3に対応したシステムを搭載し、SM-3を搭載・運用するという言い方をしているメディアもあるが、これは正しいようで、厳密に言えば正しくない。

韓国は、米国のミサイル防衛体制(通称:MD)に参加すれば、周辺国(中国・ロシア・北朝鮮)を刺激するという懸念があって、米国のMDには参加せず、独自に周辺国を刺激しない形で、ミサイル防衛を行おうと、『韓国型ミサイル防衛システム』の開発を行っている。

韓国型ミサイル防衛システムとは、終末段階に限定した弾道弾迎撃ミサイル防衛システムのことだ。

米国のミサイル防衛は、主に、中間段階(ミッドコース・フェイズ)と、終末段階(ターミナル・フェイズ)に分かれて対応する。

中間段階とは、弾道ミサイルが宇宙空間を慣性飛行している段階を指し、ここで使用される兵器は、日米が共同開発したSM-3系の弾道弾迎撃ミサイルと、GBI弾道弾迎撃ミサイルがある。

終末段階とは、弾道ミサイルが大気圏に再突入を開始し目標へ向け最終落下を行っている段階を指し、ここで使用される兵器は、終末段階上層を担当するのがTHAADミサイルで、終末段階下層を担当するのがパトリオットPAC-3だ。

韓国は、中間段階で弾道ミサイルを迎撃すれば、韓国以外を狙った弾道ミサイルの迎撃が可能になり周辺国を刺激するが、終末段階に限定すれば、韓国を狙ったもの以外迎撃できないので、周辺国を刺激することはないという論法だ。

 

SM-3級防空システムの正体

現在韓国は、終末段階下層(高度40km程度)は韓国型パトリオットと呼ばれる、ロシアからS-300の技術を導入して開発された地対空ミサイル「M-SAM」を改良し、弾道ミサイル迎撃能力を付与することで対応。

終末段階上層(高度150km程度)よりも高度が低い、終末段階中層(高度60km~90km程度)を、ロシアからS-400の技術を導入して開発中の地対空ミサイル「L-SAM」で対応予定だった。

しかし、ロシア系の技術を導入して開発されたM-SAMや、L-SAMに米国が不快感を示し、M-SAMに対して敵味方識別装置(IFF)の販売と搭載を許可しなかった。結局、米韓両政府の交渉の末、ドイツから購入した中古のパトリオットを、PAC-3に改良することになった。

出典:public domainPAC-3ミサイル発射装置

韓国が開発したM-SAMと、PAC-3は、迎撃担当範囲が丸かぶりで、完全な重複購入になる。

さらに、2016年に米国が、韓国にサード配備を決定したため、2023年に実戦配備に入る予定で開発中の「L-SAM」が意味を失った。

もし、イージス艦にSM-3を搭載し運用すれば、わざわざ米国のミサイル防衛体制を蹴って、独自開発した『韓国型ミサイル防衛システム』が意味を無くし、中間段階での弾道ミサイル迎撃によって周辺国を刺激するという、当初の目的のとは全く逆の結果になってしまう。

そのため、韓国では開発中の「L-SAM」を改良して、イージス艦に搭載し、韓国型弾道弾迎撃ミサイルSM-3を開発するという計画が検討されているので、『弾道弾迎撃ミサイル「SM-3」級の防空システム』と言う表現になってるのだ。

もし、SM-3を導入することになれば、完全に『韓国型ミサイル防衛システム』は意味を無くすだろうし、韓国にとっては、SM-3の開発に日本が関わっている兵器の導入という点で批判の対象になるのは、火を見るよりも明らかだ。

かといって、「L-SAM」を改良しイージス艦に搭載してみても、所詮は終末段階中層というSM-3とは似ても似つかない中途半端な性能のため、効果は高くないだろう。

恐らく、SM-3を導入することになるだろうと思うが、その時の言い訳が非常に楽しみだ。

 

アイキャッチ画像の出典:Attribution: 대한민국 국군 Republic of Korea Armed Forces / CC BY-SA 2.0韓国のイージス艦「西崖柳成龍」

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 5月 02日

    韓国型…
    このシリーズで本がかけそう

    • 匿名
    • 2019年 5月 05日

    日本が関わってるのはブロック2だけだしそれ以降かブロック1採用すれば韓国世論的には特に問題なさそうな気もするけど

    • 匿名
    • 2019年 6月 18日

    韓国駄作兵器特集?

    • 匿名
    • 2019年 8月 04日

    行き当たりばったりのコウモリ外交をした結果でしょう。国家としてのセオリーがないのですよ。李朝末と同じ。だからアメリカ式の兵器体系にロシア式の兵器体系を平気で取り入れて整合性が取れなくなる。まるで途上国ですよ。自業自得ですよ。

    • 匿名
    • 2019年 12月 18日

    なんだこのめちゃくちゃな国はw 何もかもほんと中途半端に作って問題放置で次々作るなぁ
    予備機や整備部品もだけど本気で実戦や戦争とか想定してないだろw

    戦争?いざとなりゃ逃げて降伏してレッドチームに参加だ
    ってのが首脳や高官の思惑でしょ
    だから私腹を肥やして国内軍事を私利私欲の不正だらけにして弱体も平気なんだよ

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