軍事的雑学

海外輸出も絶望? 韓国、第4.5世代戦闘機「KFX」用レーダーは競合機より性能が劣る

韓国は第4.5世代戦闘機「KFX」の共同開発国であるインドネシアを失いかけており、韓国メディアは政府レベルの対策が必要だと報じている。

参考:흔들리는 KF-X… 동남아 시장, 유럽에 빼앗기나

F-16Vやラファールに劣る韓国の第4.5世代戦闘機「KFX」の未来は?

韓国メディアは、KFXを共同開発しているインドネシアが開発費支払いを2018年から停止しているにも関わらず、米国の戦闘機F-16Vやフランスの戦闘機ラファールを購入すると言い出し、事実上、インドネシアの次期戦闘機選定が白紙に戻ったという見方を強めている。

特に米国やフランスは、インドネシアがKFXの導入を決定した後も水面下で交渉を継続し、最近になって破格の条件を提示したと韓国メディアは見ており、米国の戦闘機F-16Vやフランスの戦闘機ラファールに韓国のKFXが勝てる可能性はないと悲観的な見通しを伝えた。

出典:Tiraden / BY-SA 4.0 RBE2 AESA

韓国のKFXが搭載する国産AESAレーダーは、米国のF-16Vが搭載する「AN/APG-83」やフランスのラファールが搭載する「RBE2」と比較すると性能的に劣るのは確実だ。

その上、韓国のKFXは米国製ミサイルや精密誘導兵器の統合を拒否され、現時点で搭載可能なのは欧州製の空対空ミサイル「ミーティア」しかなく、多彩な兵器を搭載できるF-16Vやラファールに対抗するのは不可能で、ここにインドネシアに有利な技術移転や支払い条件まで加われば、もはやKFXの共同開発から離脱しない方が不思議だ。

仮にインドネシア発注分60機が消滅すれば、7,000万ドルと言われているKFXの機体価格は上昇してしまい海外輸出が更に難しくなる。

KFXは8兆5,000億ウォン(約8,000億円)もの開発費が投じられ、これを回収するには7,000万ドルのKFXを400機以上売って初めて利益が出る計算なのだが、インドネシア導入分が消滅することで機体価格が上昇し海外輸出が絶望になれば、韓国はKFXを1機1,550億ウォン(約150億円)で導入することになり、7,000万ドル台の第5世代戦闘機F-35Aを調達できる韓国にとってKFXは無意味な存在となる。

補足:KFX開発費8兆5,000億ウォンと韓国がKFXを120機を導入するための費用10兆ウォンを足して120で割ると1機あたり1,550億ウォンになる。

さらに韓国メディアは東南アジア市場についても警告を発している。

軍事用途の航空機輸出に進出して日が浅い韓国とって、訓練機KT-1や高等訓練機/軽攻撃機T-50/FA-50を最も多く購入してくれた上客が東南アジアの国々だ。

※出典:JohnNewton8 / CC BY-SA 4.0 TFXのモックアップ

当然、KFXの海外輸出もこの地域を狙っていたのだが最近、米国やフランス、中国やロシアといった国が東南アジアに対して猛烈な売り込みを図っており、トルコまでが東南アジアに対し第5世代戦闘機「TFX」の売り込みを開始するなど、韓国の上客であった東南アジアはもはや草刈り場と化している。

韓国メディアは、東南アジア市場を守るためにも政府レベルの対策が必要だと結論づけているが、具体的にどの様な行動を起こせばいいのについてまでは言及しておらず、恐らく兵器の購入と引き換えに経済援助を与えるパッケージ輸出か、政治判断(税金による補填)による価格引き下げなどの支援策を要請しているのだろう。

果たして韓国のKFXは、このまま輸出先を失い、世界で最も高価な第4.5世代戦闘機になってしまうのだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:KAIが公開したYouTube動画のスクリーンショット

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    果たして完成するのか?  って疑問が先にある。

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    やっと現状認識が我々に近づいた事は悪材料ですね。計画が撤回でもされようものんら・・・。

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    韓国には威信をかけて是非このままKFXの開発製造を頑張ってもらいたい。
    KFXにはインドネシアはこれ以上出資せず手を引くだろうが気にする事は無い。

    インドネシアがKFXから離脱(戻るきっかけは残すだろうが)する理由は、
    有利な技術移転や支払い条件が要因ではなく、KFXが絵に描いた餅ですらないからでしょう。
    こんなものどの国だって降りるでしょう。

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    괜찮아요

      • 匿名
      • 2020年 1月 27日

      発音「ケンチャナヨ」

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    ケンチャナヨ

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    💡北と日本に売ろう!!

      • 匿名
      • 2020年 1月 31日

      米国製の兵器が積めない4.5世代機を、第5世代機を導入中の日本が今更買うとは思えないんですけどねー
      北なら買うかも?となると競合相手は中国のJF-17辺りになるんでしょうかね

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    性能そのものがダメでおまけに値段は高く、さらに韓国兵器によくある欠陥発生の可能性も高いとなるとな。
    いつものように、接待と賄賂、国からの税金で補填する事で安く見せかける手を使ってもどこまでやれるのか。
    そもそも本当に完成するのかどうかが怪しいが。

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    >補足:KFX開発費8兆5,000億ウォンと韓国がKFXを120機を導入するための費用10兆ウォンを足して120で割ると1機あたり1,550億ウォンになる。

    これ、計算が変では?

    インドネシア発注分60機がある時は韓国向け120機には開発費の割掛が無いのに、 
    韓国向け120機嵩だと開発費の割掛があると、
    インドネシア発注分の有無で開発費の割掛の扱いが違っているように見えます。

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    K-FXが飛べる(売れるようになることではない)確率は、俺が宝くじに当たる確率より低いのは確実。

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    エンジンを米国から購入しても国産?
    輸出したT50はフィリピンに欠陥品だと言われたのに売り込み?
    不思議以外に無いよ。

      • 匿名
      • 2020年 1月 27日

      H/Wは売ってもらえるけど、
      双発エンジン関連の技術移転はアメリカに拒否されてるのよね
      (範囲は知らんけど) なので、完成そのものが疑問・・かな?
      ・双発エンジンに関する設計技術と人材サポート(システム統合技術)
      ・AESAレーダー(統合も含む全般)
      ・目標捕捉装置、赤外線捜索追跡装置(IRST)、電波妨害装置 (抗戦技術)
      ・通信技術

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    戦闘機自主開発と言ってもそのほとんどはライセンス生産などで組み立てたモノになるだけに性能的に優れたモノが作れるとも思えないし利益もほとんど出ないだろう。そもそも戦闘機の輸出なんて独自外交してるフランスですら苦労してるのに韓国ごときができる訳ないって(笑)

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    あれ?高性能レーダーの国産開発成功したのではなかったですか?
    たしか、APG-82/83より性能高いからKF-16やF-15Kにも載せたいとか騒いでいたのはつい先日のはずですが?
    APG-82/83より低性能だったんですか?

      • LLLLL
      • 2020年 1月 27日

      AESAレーダーはともかく(と言う程軽い話では無いが)、武器の統合を断られたのは致命的だろう!?
      ミーティアを主AAMにしてる上にこのレベルの戦闘機を欲しがる国なんて何処に有るんだ!?
      何で計画をスタートする前に肝心な所を詰めて無いんだよ!?
      この時点で開発費ドブ捨て決定だろ!
      (´・ω・`)

      • 匿名
      • 2020年 1月 27日

      イスラエル製よ(ITA、H/WはELTA社)
      韓国国会・国防委員会・国政調査の報告で暴露されてる
      輸送機に搭載しての試験さえもイスラエルが実施
      あのELM-2052の派生型でそ

        • 匿名
        • 2020年 1月 27日

        Wiki見るとEL/M-2032の探知距離は
         ルックアップ:35–55海里 (65–102km)
         ルックダウン:30–45海里 (56–83km)
        となってるけど、ミーティアの長射程を活かせるのかな?

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    KFXはおろか、文字通り離陸できるか怪しいTFXまでアジア市場に殴りこんできてるのね
    この2機種の場合、輸出以前に実機が完成して飛べるかの勝負の方が先な訳ですがね。どちらが先に飛べるのやら

      • 匿名
      • 2020年 1月 27日

      飛ぶだけならエンジンが存在してる分KFXの方が早いんじゃないかな?
      試作機という名のドンガラ飛ばすだけならT-50のガワをステルスっぽく変更するだけで一応KFXになるわけだし…
      んでそこから開発が進まずに数年後に国政監査が調べてみたら
      センサーフュージョン出来ず戦闘機としての能力ゼロですって感じのオチが付くと予想してる

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    こんなもの試験機製造にも辿りつけないでしょ
    噴飯ものの皮算用で議論する背景を考えると、ネシア離脱で完全に崩壊した計画の責任を巡る暗闘ですな
    計画は順調に進展しているって国内向けのジェスチュア

      • 匿名
      • 2020年 1月 29日

      事故起こしまくってるスリオンでも一応完成品らしいから。
      多分欠陥だらけでも堂々と、完成したと言い張るのだと思われw

    • 匿名
    • 2020年 1月 27日

    5世代未満は
    F16が極まってる上に長くパーツ供給とアップデートが期待できてどうにもならんだろうと思う

      • 匿名
      • 2020年 1月 28日

      F16との組分けとしては、第4.5世代機の中での低観測性を謳い文句にして来そうだけど、
      彼らの願望通りな低観測性わ得られるか不明な上に、
      最良でもラファール級でしかないので、登場時点でその手の市場はラファールが食い潰していそう。

    • 匿名
    • 2020年 1月 28日

    >果たして韓国のKFXは、このまま輸出先を失い、世界で最も高価な第4.5世代戦闘機になってしまうのだろうか?

    東南アジアでは勝負にならないと見て、もっと安価な戦闘機を求めている国に向かっていると思われます。
    答えは、開発費に国の予算持ち出し、製造原価がかかっているが販売価格に上乗せできず赤字出血商法になると見ています。

    • 名無しの観戦武官
    • 2020年 2月 02日

    ぜひとも韓国に配備してもらいたい。
    日本海上でのランデブーが楽しみだ。

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